なぜ東大は男だらけなのか 集英社新書

矢口祐人

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087213034
ISBN 10 : 408721303X
フォーマット
出版社
発行年月
2024年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
240p;18

内容詳細

二〇二三年現在、東大生の男女比は八対二である。日本のジェンダー・ギャップ指数が世界最下位レベルであることはよく知られているが、将来的な社会のリーダーを輩出する高等教育機関がこのように旧弊的なままでは、真に多様性ある未来など訪れないだろう。現状を打開するには何が必要なのか。現役の副学長でもある著者が、「女性の“いない”東大」を改革するべく声を上げる!東大の知られざるジェンダー史をつまびらかにし、アメリカでの取り組み例も独自取材。自身の経験や反省もふまえて、日本の大学、そして日本社会のあり方そのものを問いなおす覚悟の書。

目次 : 序章 男だらけの現状/ 第1章 東大は男が八割/ 第2章 女性のいない東大キャンパス―戦前/ 第3章 男のための男の大学―戦後/ 第4章 アメリカ名門大学の共学化/ 第5章 東大のあるべき姿/ 終章

【著者紹介】
矢口祐人 : 東京大学大学院総合文化研究科教授、同大グローバル教育センター長、同大副学長。1966年、北海道生まれ。米国ゴーシエン大学卒業。ウィリアム・アンド・メアリ大学大学院で博士号取得。1998年より東京大学大学院で教える。専攻はアメリカ研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • どんぐり さん

    東京大学の女性学生が占める割合が20.1%(2022年)。東北大学26.3%、名古屋大学31.0%、早稲田大学38.3%に比べてみても、途轍もなく歪な状態だ。東大合格者のトップ20校のうち、10校が男子校(全合格者の25.4%)である。東大の男女比は、男女の頭脳の優劣によるのか、ジェンダーの力学によるのか。これは「東大の問題であるとともに社会の問題でもある」と問題提起をする。その打開策の一つとして、クォータ制の導入が議論されるべきだとしている。→

  • たまきら さん

    東大で教えている男性教授による、男女差への違和感に対する彼自身の気付きと未来への提言書です。学歴社会なのに、主要国立大学にこれほどの格差があれば、女性の活躍できる場は制限されてしまう。そのような外部から指摘されていることの他にも、「伝統だから女人禁制」なサークルの存在、さらには「東大女子禁制」まであるという事実に「えっ、令和でも?」と少々驚きました。意識改革を促す人々には敬意を表します。そして、私たちも違和感には黙らず声を上げることで賛同していきたいです。

  • venturingbeyond さん

    帝国大学以来の東大のホモ・ソーシャリティの来歴を簡潔にまとめ、1960年代末から共学化に舵を切ったアメリカ東海岸の名門大学の実例をプリンストン大学に代表させてこれと比較し、日本のトップ大学の後進性と今後の展望を提示する。個々のエピソードには、色々と掘り下げて考えていくヒントや入口になるものも散見されるものの、全体としてはさらっと全体の見取り図を提示することに終始して、ツッコミ不足・分析不足の印象。

  • ぶぶ ひこ さん

    東大生の男女比は、八対二。日本のジェンダー・ギャップ指数が世界最下位レベルであることは周知の事実。将来的な社会のリーダーを輩出する高等教育機関がこのように旧弊的なままでは、真に多様性ある未来など訪れない。現状を打開するにはなにが必要か。現役の副学長が、「女性の“いない“東大」を改革するべく声を上げた。

  • kan さん

    社会構造からもたらされる無意識のバイアスの強堅さ、それを裏書する東大の保守的な方針、クオータ制や「女性学生優遇、逆差別」と揶揄される方策への反対論など、社会と大学をめぐるジェンダー問題が網羅的に示され勉強になった。構造的差別を打ち破る努力を最初から強いられる状況、あるいは諦めたり、自ら進んで差別構造の構成員となる歴史と現状に、従来とは全く異なる発想の改革が必要だと思った。東大の女性学生と地方出身学生の少なさと特定の高校出身者に大きく偏る現状は、日本の社会構造と、点数主義という一元的な価値を反映している。

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