「笑っていいとも!」とその時代 集英社新書

太田省一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087213065
ISBN 10 : 4087213064
フォーマット
出版社
発行年月
2024年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
240p;18

内容詳細

一九八二年から二〇一四年まで約三二年間にわたり放送された国民的人気テレビ番組『笑っていいとも!』。戦後の闇市から発展した新宿でスタジオアルタを拠点とし、タモリが司会を務めた、いまだ語り継がれるテレビ番組である。司会者タモリおよび『いいとも!』を考察することは、テレビのみならず戦後日本社会を考察することにもつながる。それは、現在のネット社会におけるテレビの可能性をも浮き彫りにさせることになるだろう。衝撃のグランドフィナーレから一〇年を迎える今、改めて『いいとも!』とは何だったのかを問う。

目次 : はじめに なぜいま『笑っていいとも!』なのか? 1982年のテレビジョン/ 第1章 「密室殺人」タモリが昼の司会に抜擢された理由/ 第2章 「テレフォンショッキング」という発明/ 第3章 「国民のおもちゃ」を演じたタモリ―「仕切らない司会者」と「無」への志向/ 第4章 視聴者を巻き込んだテレビ的空間―芸人と素人の共存と混沌/ 第5章 聖地・新宿アルタ―「流浪のひと」タモリが新宿で芸人になった理由/ 第6章 『いいとも!』と「フジテレビの時代」―80年代テレビの熱狂と冷静のあいだ/ 第7章 『いいとも!』と「お笑いビッグ3」―タモリ、たけし、さんまの関係性/ 第8章 『いいとも!』の個性的なレギュラー陣たち/ 第9章 SMAPが『いいとも!』にもたらしたもの/ 第10章 「グランドフィナーレ」を振り返る―なぜテレビ史の伝説となったのか/ 終章 『いいとも!』は、なぜ私たちのこころに残るのか?―戦後日本社会とテレビの未来/ おわりに テレビが初めて迎える「戦前」

【著者紹介】
太田省一 : 1960年富山県生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアとの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ma-bo さん

    「いいとも」は出演者であれ観客であれ視聴者であれ『広場』だった。タモリさんが司会に抜擢された理由、テレホンショッキングという発明から、いいともとお笑いビッグ3、個性的なレギュラー陣、SMAPがいいともにもたらしたもの。そして仕切らない司会の極意、寛容さが現れたグランドフィナーレ。32年にわたり放送された国民的人気番組「笑っていいとも」「タモリ」を考察。

  • fwhd8325 さん

    「笑っていいとも!」は番組の開始から見ていた番組で、社会人になってからでも日曜日に増刊号が放送されていました。タモリという人は、突然現れたような印象です。おそらく文化人と称される方々の後押しがあったのではと想像しています。タモリ自身も芸人とかコメディアンとは違う空気を纏っていて、私には、近所にいるおじさんたちを一人で演じているように感じていました。「笑っていいとも!」は朝の連続テレビ小説と同じように、国民的な番組だったのだと思います。「笑っていいとも!」は様々な人と共有していた最後の番組なのでしょう。

  • 禿童子 さん

    笑っていいとも!の不熱心な視聴者としては、コンパクトに復習できる本として読んだが、バラエティの面白さを新書200ページ余で伝えるのは難しいと思った。ドラマならDVDが残るが、バラエティは個人のVTRでもなければ再放送も考えにくい。ここまでやれるのかという予定外の面白さが番組の真骨頂、個人的には有吉佐和子の延々終わらないハプニングをもっとフォーカスして欲しかった。SMAPやお笑い芸人がブレイクした番組という役割を重視している。しかし、タモリ=知的というくくりは少し言い古されているようにも感じるが如何か。

  • nishiyan さん

    1982年から2014年まで32年に亘って放送された「笑っていいとも!」が終了して10年。「いいとも!」が日本人にとって何だったのかを解き明かす新書。タモリと新宿、フジテレビの軽チャー路線への転換など要所は押さえているが、肝心の「いいとも」自体への言及は弱い印象を受けた。横澤彪の芸人のアイドル化へのアンチテーゼで始まったはずが、SMAPの起用で番組が延命できた点など、もう少しツッコミがあっても良いような気がする。ただレギュラー陣の幅の広さとタモリの番組での在り方が「いいとも=広場」と捉えた点は納得できた。

  • Atsushi Kobayashi さん

    タモリ論とかお笑い論みたいな感じでした

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