WHAT IS LIFE? 生命とは何か

ポール・ナース

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784478111079
ISBN 10 : 4478111073
フォーマット
出版社
発行年月
2021年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
269p;20

内容詳細

本書は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した生物学者ポール・ナースが、「生命とは何か?」について、語りかけるようなやさしい文体で答える一冊。

著者が、生物学について真剣に考え始めたきっかけは一羽の蝶だった。12歳か13歳のある春の日、ひらひらと庭の垣根を飛び越えた黄色い蝶の、複雑で、完璧に作られた姿を見て、著者は思った。

生きているっていったいどういうことだろう? 生命って、なんなのだろう?

著者は旺盛な好奇心から生物の世界にのめり込み、生物学分野の最前線に立った。本書ではその経験をもとにして、「細胞」「遺伝子」「自然淘汰による進化」「化学としての生命」「情報としての生命」の生物学5つの重要な考え方をとりあげて、生命の仕組みについての、はっきりとした見通しを提示する。

・・・あなたの出発点がどのレベルにあろうと、そう、たとえ科学って苦手だなぁと感じている人も、怖がらないでほしい。この本を読み終えるころには、あなたや私や繊細な黄色い蝶、そしてこの惑星上のすべての生き物が、どのようにつながっているか、より深く理解してもらえるはずだ。私と一緒に、「生命とは何か」という大いなる謎に迫ろうではないか。(本書の「まえがき」より)


<目次>

まえがき
ステップ1 細胞ー細胞は生物学の「原子」だ
ステップ2 遺伝子ー時の試練をへて
ステップ3 自然淘汰による進化ー偶然と必然
ステップ4 化学としての生命ー混沌から秩序へ
ステップ5 生命は情報ー全体として機能するということ
世界を変えよう
生命とは何か?
謝辞
訳者あとがき
著者略歴

【著者紹介】
ポール・ナース : 遺伝学者、細胞生物学者。細胞周期研究での業績が評価され、2001年にノーベル生理学・医学賞を受賞。1949年英国生まれ。1970年バーミンガム大学を卒業後、1973年イースト・アングリア大学で博士課程修了。エジンバラ大学、サセックス大学、王立がん研究所(ICRF)主任研究員、オックスフォード大学教授、王立協会研究教授を経て、1993〜1996年王立がん研究所所長、2003〜2011年米ロックフェラー大学学長、2010〜2015年王立協会会長、2010年より現職、フランシス・クリック研究所所長。2001年にノーベル生理学・医学賞を受賞したほか、2002年に仏レジオン・ドヌール勲章、2013年にアルベルト・アインシュタイン世界科学賞を受賞。世界中の大学から70以上の名誉学位や名誉フェローシップを受賞。首相科学技術顧問。『WHAT IS LIFE?生命とは何か』が初の著書となる

竹内薫 : 1960年東京生まれ。理学博士、サイエンス作家。東京大学教養学部、理学部卒業、カナダ・マギル大学大学院博士課程修了。小説、エッセイ、翻訳など幅広い分野で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『 生命とは何か 』 蝶に魅せられたのがき...

投稿日:2021/07/17 (土)

『 生命とは何か 』 蝶に魅せられたのがきっかけとなっているという話しがとても興味深かった。生き物を見たりする時に、細やかな着眼点や根強い観察力を持っていたなら、自分も研究者になっただろうかと思いもするけれど、やはり簡単にはなれそうもない。凄い人は幼い頃のはじまりから面白いのだなぁ。少しの気付きから思索を展開出来る能力を持ち合わせている人の良さみたいなものが、この本から伝わり来るようです。なるべくわかりやすい雰囲気を生んでくれているというか、むずかしい方向には持ち込まない余裕がただようようです。その中でも、おおぉっと、引き込まれた内容がこちら。「すべての細胞は、内部状態と周りの世界の状態の変化を検出して反応することができる。自分たちが棲んでいる通常の環境から隔てられても、周囲とは密接に連絡をとりあっている。〜常に活性化して働いている。〜細胞は、あらゆる種類の動植物や菌類と、たくさんの特徴を共有している。細胞は成長し、繁殖し、自らを維持しており、これらすべてを行うことによって、目的に向かっているように見える。とことん存続し、生き残り、繁殖するのだ。」このような書かれている言葉の耳新しさに、感動したり。心強いものを見つける楽しみ。題名のような問い掛けに対して、何かしら自分も考え続けていようと思える本。

seigo-hk さん | 長崎県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ひろき@巨人の肩 さん

    ノーベル賞遺伝学者ポール・ナースの著するライフサイエンスの教科書。「生命とは何か?」を細胞・遺伝子・自然淘汰・化学・情報の観点から平易にまとめて、「世界はどう変わるか?」を自然への畏敬の念のもと希望をもって語る名著。生命とは@自然淘汰により進化する能力があり、A生命体が物理的な境界をもつ、B化学的、物理的、情報的な機械である、と定義する。細胞は「ウェットウェア」であり、人間は並外れた脳を獲得した。われわれ生命が誕生した「物語のはじまり」は1回だけ。地球と調和しながら進化するために生命の起源を探求すべき。

  • アキ さん

    著者は細胞周期に欠損をもつ酵母変異株の分離によりcdc2遺伝子を発見し、その遺伝子がヒトでも細胞周期の制御因子であることを証明し、2001年ノーベル医学生理学賞を受賞した。生命はたったひとつのストーリーから成っていると結論に至る様が興味深い。1細胞2遺伝子3自然淘汰による進化4化学としての生命5情報としての生命の観点から生命を捉え、生命とは1自然淘汰を通じて進化する能力、2生命体が「境界」を持つ、物理的な存在であること、3生き物は化学的、物理的、情報的な機械、の3つの原理が合わさったものと結論づけている。

  • 夜長月🌙@新潮部 さん

    作品名はシュレディンガーの著書「What is life?」へのオマージュです。生命とは何かという根元的な疑問にわかりやすくステップを踏んで答えています。まず生命の基本単位である細胞を解説し、次に生命たる由縁につながる遺伝子について。さらに進化から細胞内で起こる化学反応こそが生命活動であること。最後に生体内の情報伝達によるホメオスタシスや遺伝子情報について解説しています。巨大化学プラントをはるかに越える体の中で起きている化学反応や無口な細胞たちの情報社会はおもしろい視点でした。

  • Tenouji さん

    懐かしくて一気読み。大学生時代にむさぼり読んだ分子生物学関係の内容がバランスよく配置、解説されている。そう生命科学を考えるうえで必要な現時点での知見がコンパクトにまとまっている。最大の問いである「生命とは何か」については、無難なまとめではあったけど、DNAが長期に情報を記録する高信頼性の仕組み、と書いてあって、少しハッとしたw。

  • Koichiro Minematsu さん

    感想というより素晴らしい本と言いたい。これは教科書です。中一デビューとして読むことをお薦めしたい。あっと言う間に理科が生物学がきっと好きになる。そんな学びのワクワク感があります。

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