“新解釈”コーポレートファイナンス理論 「企業価値を拡大すべき」って本当ですか?

宮川壽夫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784478116715
ISBN 10 : 4478116717
フォーマット
出版社
発行年月
2022年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
443p;19

内容詳細

ミクロ経済学の理論をもとに企業活動の謎を解き、資本主義の本質に迫る。単なる「知識」を「教養」に変える、唯一無二のコーポレートファイナンス入門!

目次 : 会社が儲かるとは、そもそもどういう状態を言うのか?―株式会社という説話原型/ 株価の変動がでたらめだったら何がうれしいのか?―不確実性理論という宿命/ なぜ人はリスクを恐れるのか?―CAPMというイニシエーション/ 株価はどうやって決められているのか?―割引現在価値という決まりごと/ どんなときに企業価値は拡大するのか?―正のNPVというメカニズム/ 株式市場は正しい答えを持っているのか?―効率的市場仮説という自己矛盾/ 価値を拡大することはなぜ困難なのか?―完全市場というフィクション/ コスト削減の努力は報われるか?―キャッシュフローという現実性/ 財務分析はどこまで役に立つのか?―ROE崇拝の迷宮/ 配当?払ったことないですけどそれがなにか?―ペイアウト政策のパズル/ 現金?持ってないですけどそれがなにか?―企業の現金保有とペッキングオーダー理論/ 会社は本当に株主のためだけに存在するのか?―株主プライマーシーとステークスホルダープライマシー/ 会社はどこまで社会の持続性に貢献できるのか?―サステナビリティとコーポレートガバナンス

【著者紹介】
宮川壽夫 : 大阪公立大学大学院経営学研究科・商学部教授。博士(経営学)。筑波大学大学院博士後期課程修了。1985年4月野村證券株式会社入社。営業部門、英国留学、投資銀行部門を経て2000年8月米国トムソンファイナンシャル・コンサルティンググループに移籍(アジア統括シニアディレクター)。2007年10月に再び野村證券株式会社に移籍(IBコンサルティング部上級専任職エグゼクティブディレクター)。2010年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)大学院に専任講師として赴任。同年10月准教授、2014年4月教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Hiroo Shimoda さん

    良書。資本コストとROEは時制が異なる、資本コストを元に事業投資を判断してはいけない、そのほかにも頷ける主張ばかり。投資家ではなく事業家のための、地べたに足のついたコーポレートファイナンスと言える。多くの人に読んでもらいたい

  • Yuki2018 さん

    著者は元投資銀行員で現在は大学教授。非常にテクニカルで難しいコーポレートファイナンスを、大変に平易な文章で表現していて、感心した。CAPMとかポートフォリオ理論を本格的に理解したいみたいなニーズには不足だが、「ファイナンス的な考え方」を理解すれば大抵は十分なのであり、その目的にはとても良い一冊だ。CGコードやESG投資、株主第一主義批判など、メディアに流されて無条件に賛同してしまいがちだが、本書を読むと批判的に考察できるだろう。著者の意見は流行りの論調ではないが、私個人としては殆ど賛同する。

  • しゅー さん

    ★★★『企業価値の神秘』の著者。タテ書きであることからもわかるように細かい数式は登場しない。知識や計算式を覚えるための本ではなく、ファイナンスの主要な論点を提示し、それに対して「こんな見方もできるのでは?」と色んな切り口を提示してくれる本だ。一般の入門書は著者の価値判断を極力排した記載となるため、読んだ側がモヤモヤすることも多々ある。しかし本書は著者の主観入りまくりで小気味良い。特にCGコードが如何にナンセンスな代物に仕上がっているかを学問的な観点から暴いてくれるあたりは痛快だった。幅広い読者にオススメ。

  • みつのふ さん

    NPV、ペイアウト、ESG… ファイナンスに関連して出てくる知識それぞれの意味はある程度理解できても、現実の会社運営でどう使うか、もっと言えばどう距離を取るか、いつも??だったけれど、その解が見えた気がする。今年一番の「スゴ本」だった! 書かれていなくてもパーパス経営とかも、説明された気がしました。

  • cava さん

    「企業は企業価値拡大という目的を果たさなければならない。そのためにはコーポレートファイナンス理論を勉強して企業価値を拡大する方法を学ぶ必要がある」しかし、この“初期設定がそもそも間違っている”という問題意識から始まるのは、この手の分野では斬新な切り口だと思った。教科書的な内容を極力数式をなくし噛み砕いた説明も大変わかりやすかった。「理論を学ぶことによって自分の中に意思決定の判断基準を持つことができる」効用をまさか企業金融の観点から気づかせてくれることは中々ないと思う。

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