欲望の資本主義 3 偽りの個人主義を越えて

丸山俊一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784492371237
ISBN 10 : 4492371230
フォーマット
出版社
発行年月
2019年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
240p;19

内容詳細

巨大化するGAFAへの懸念、そして仮想通貨への期待と不安が交錯する今、資本主義の行きつく先はどこなのか?「市場」「自由」「個人主義」をキーワードに、多角的な視点から社会のあり方を再考する。異色のNHK経済教養ドキュメント、書籍化!未放送部分も多数収録。

目次 : 第1章 GAFAが変質させた資本主義のルール―GAFAを斬る起業家・ギャロウェイ/ 第2章 世界の貧困層に金融サービスを提供できる仮想通貨―「仮想通貨」を開発する数学者・ホスキンソン/ 第3章 GAFA時代の競争政策のあり方を考える―ノーベル経済学賞受賞の知の巨人・ティロール/ 第4章 文明論的に見た資本主義の未来―資本主義を読み解く歴史家・ハラリ/ 第5章 資本主義と民主主義の危機を哲学する―気鋭の哲学者・ガブリエル

【著者紹介】
丸山俊一 : NHKエンタープライズ制作本部番組開発エグゼクティブ・プロデューサー。異色の教養エンタメ、ドキュメントをプロデュースし続ける。東京藝術大学、早稲田大学でも教壇に立ち社会哲学を講じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ひろき@巨人の肩 さん

    現代社会の象徴としてGAFAを哲学した第3部。GAFAは、二進法ノイマン型アーキテクチャの完全体の一つ。人間の意識を理解できない技術が資本主義を駆動し、合理主義が暴走した。我々は格差拡大と存在意義消失の危機を目の当たりにし、ビッグデータやAI技術に支配されるという恐怖が芽生えた。対策として人文科学や社会科学に基づく道徳観念により、企業分割など規制というブレーキをかける時期だという主張と理解した。新興勢力の資金調達や個人の情報保護の観点でブロックチェーンが有力。ポストGAFAは量子技術と脳科学で生まれる?

  • かふ さん

    NHKBSで定期的にやる「欲望の資本主義」の最新版(と言っても去年のことだからコロナ以前の話)。グローバリズムの資本主義を体現したGAFAの台頭。電脳空間は世界同時でありさらなる自由があると思わせるが、結局は与えられた情報の中で操作されデーターベースの一部としてモノ化される。コロナ騒動でますます加速化されて今では世界的な引きこもりのプラットフォームとなっている。税制面の不履行やらで資本主義の利益を集中させるが恩恵を受けるのは一部の者たち。「神・愛・セックス」の幻想を消費させる。

  • ばんだねいっぺい さん

    でかくなりすぎたGAFAにしても、開発進行中のAIにしても、問題は、決定権を持つ者が邪悪かどうかだけ。

  • やまやま さん

    GAFAは神、セックス、愛、消費の具象化(抽象化?)というギャロウェイ氏の比喩は、本人結構気に入っている表現ですね。独禁法強化という手法で独占寡占状態を競争に戻し、市場を活用して状況の改善を図るというのは教科書どおりですが、さてどうでしょう。ティロール氏は若干ニュアンスが違って、市場には情報は非対称にしか置かれていないので、市場に任せずに炭素税など「賢明な規制」を導入することが必要とします。ハラリ氏の語るポスト通貨は、例えばデータが価値を持つとするが、交換性から物差しが必要になるので特段新しくないのでは。

  • jackbdc さん

    オーディオブック。全体としては消化不良だが部分的には楽しめる。紙面あたりの情報量・問いの量が多過ぎる。情報を整理して届けるという意味での編集意思が感じられない。とっ散らかり過ぎではないか?では何故読むのかといえば豪華ゲストの主張が楽しいから。本書でも世界的に高名なゲスト5人のインタビューが掲載されている。それぞれがなかなか面白い。それぞれの紙面の分量は極めて制約があるのだが、そんな中でもキラリと光る独自の主張を楽しむ事が出来る。こうしてゲストトークを純粋に楽しむという視点において本書は鉄板と言えるだろう。

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