アメリカは内戦に向かうのか

バーバラ・ウォルター

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784492444733
ISBN 10 : 4492444734
フォーマット
出版社
発行年月
2023年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;19

内容詳細

アメリカ、そして世界に衝撃を与えた「Qアノン」扇動による2021年1月に発生した前代未聞の連邦議会襲撃事件。トランプ政権時に進行していた市民分断の最終章とも言えるようなこの事件は、今後の本格的な党派闘争の序章になるのだろうか。内戦を専門とする政治学者が、過去の内戦に関するデータから、イラク・北アイルランド・インド・フィリピンなどを具体事例として、紛争が発生する契機と紛争が起きる条件と心理についてのパターンを分析。また、現代の紛争を拡大・激化させるソーシャル・メディアというツールについて考察することで、アメリカの内戦の危機接近度を明らかにしていく。

目次 : 序章 今、内戦の時代が始まろうとしている/ 第1章 アノクラシー―魔の中間地帯/ 第2章 暴動の発火点/ 第3章 「格下げ」がもたらす悪夢/ 第4章 希望が死ぬとき/ 第5章 暴動増幅装置―SNSの罠/ 第6章 足元に忍び寄る不吉な影/ 第7章 内戦―真実の姿/ 第8章 内戦を阻むために今なすべきこと

【著者紹介】
バーバラ・F.ウォルター : カリフォルニア大学サンディエゴ校政治学教授。シカゴ大学政治学M.A.およびPh.D.取得。国際安全保障の権威であり、内戦、非通常型暴力、交渉と紛争に重点を置いている。オンラインマガジン「Political Violence at a Glance」を運営。本書は、『フィナンシャル・タイムズ』『サンデー・タイムズ』『エスクァイア』の2022年ベストブックに選ばれている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    民主主義国家では国民は投票権の代わりに直接行動を禁じられ、気に入らない思想や人種や宗教とも共存せねばならない。どれほど嫌いな政治や法律の支配下であっても、それが多数派なら従うシステムだ。しかしグローバル化に伴う格差拡大や難民の急増などで、システムの前提である民衆の忍耐は限界に近付いている。そんな声なき声をSNSは拾い上げ、結集させる武器となった。仲間を集め忍耐を拒み、暴力や内戦に訴えてでも自分たちの望む社会を約束する指導者を待望するに至った。未来のルドルフ大帝は間違いなくSNSを操る者から生まれるだろう。

  • owlsoul さん

    もしアメリカで内戦が起きたら。そんな映画がヒットするほどアメリカ分断の危機は切迫感を増している。政治学者である著者は、世界で起きた内戦のパターンを分析し、アメリカの現状と比較する。内戦が起こりやすいのは民主国家と専制国家の中間状態「アノクラシー」の期間だ。そして、それを先導するのは、現社会において過去に持っていた地位や権力を失ったと感じている集団である。トランプ大統領の就任によって専制国家に近づいたアメリカは、地位の喪失を感じている白人の労働者階級によって連邦議会が襲撃された。これは分断の結末か、始まりか

  • しゅー さん

    ★★★奥山真司の講演で紹介されていた。題名に似合わず、内容はアカデミックである。内戦を引き起こす重要な変数は何か?それは「アノクラシー」であると言うのが著者達の主張だ。すなわち民主主義と独裁政治の中間にある政治形態が一番、内戦を生み出す。民主主義が衰退して独裁制に向かう途上の国々、逆にどこかの米国に無理やり急激な民主化を強いられた独裁国家などがそれに該当する。その証明にさかれる頁が大半なので、実は米国よりもユーゴスラビアやイラクに関する話が多い。『新しい階級闘争』とセットで読むと現状への理解が深まるかも。

  • 朝ですよね さん

    ユーゴスラビアやルワンダなどの事例を紹介し、内戦に至る経緯を概括する。ポリティV、フリーダムハウス、V-Demといった民主主義測定データセットによると、内戦はアノクラシー(専制と民主主義の中間)で発生する。また、急激なスコア変動はリスク要因である。アメリカで考えられそうなのは人種や宗教といった基盤を持つ集団が既得権を失う時に暴力的な手段を用いるというシナリオで、「格下げ」という内戦発生の常套パターンと重なるものである。SNSは恐怖を増幅するので、これらに対抗する集団が先に武装する事も考えられる。

  • chiro さん

    来年にはアメリカ大統領選挙が控えており、共和党候補としてトランプが再び選ばれるかがこれからの最大の関心事になると思われるが、この著作は2020年の大統領選後に議会を襲うという民主国家として予想もできなかった事態が最も民主主義の発達した国と称せられたアメリカで起こったという事が何を反映し、それがエスカレートする事による内戦の可能性をこれまで多くの内戦を研究してきた著者が著したものである。この著作を読む限りアメリカの内戦の可能性は否定できないところまで来ていると感じた。

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