手数料と物流の経済全史

玉木俊明

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784492681503
ISBN 10 : 4492681507
フォーマット
出版社
発行年月
2022年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
400p;19

内容詳細

覇権国家の条件はグローバルな中抜きシステムの構築にあり。身もフタもない歴史の真実。出アフリカから現代までに至るショバ代プラットフォーム史。

目次 : プラットフォームをつくる権力者たち/ 第1部 文明の形成からイスラームの拡大まで(出アフリカからメソポタミアの覇権/ 地中海世界形成とギリシア人、ローマ人、とくにフェニキア人の役割/ イスラーム世界の拡大)/ 第2部 中国の台頭と挑戦するヨーロッパ(中国文明の誕生から後漢まで/ 三国時代から唐代まで/ 宋から元へ/ ヨーロッパの逆襲/ 商業情報の伝達と経済成長―ヨーロッパの特徴/ オランダからイギリスへの覇権の移行)/ 第3部 ヨーロッパの支配から新冷戦へ(世界に組み入れられる明清の中国/ 世界に組み込まれるアメリカ/ ヨーロッパの拡大とディアスポラの民―イエズス会とアルメニア人の役割/ 産業革命とコミッション・キャピタリズムの世界/ アメリカの覇権から中国の覇権へ?)/ ユーラシア覇権国家連合の兆候

【著者紹介】
玉木俊明 : 京都産業大学経済学部教授。専門は近代ヨーロッパ経済史。1964年、大阪市生まれ。同志社大学大学院文学研究科(文化史学専攻)博士後期課程単位取得退学。博士(文学、大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • よっち さん

    何もしなくても「手数料」を得られるシステムを構築した国家が覇権を握る。その手数料と資本主義という枠組みから世界史を捉えなおし、覇権国家の成立条件について論じた一冊。出アフリカからメソポタミアの覇権、地中海世界形成とギリシア人・ローマ人、イスラム世界の拡大、中国の台頭と挑戦するヨーロッパ、ヨーロッパの支配から新冷戦に至るまでの過程は、ものの動きがどう変わったかという観点から世界史の復習をしているような気持ちになりましたが、これまでの経緯を踏まえた上でこれからどう変わってゆくのか、なかなか興味深い解説でした。

  • 鯖 さん

    「経済活動は賭博場に似ている。賭博するためには胴元に金を支払わねばならない」著者の逆転の世界史、迫害された移民の経済史を発展させたとのことでだいたい被ってた。参考文献一覧に並ぶのは手に取りやすい新書や講談社学術文庫等なのでこちらを漁る予定。後書きでウクライナ侵攻によりロシアと中国による新しい覇権(プラットフォーム)が生まれる可能性に触れられていて、それが一番嫌なやつだと眉間に皺が寄る。ロシアを舞台にしたSFでロシア宮廷がほぼちうごくに植民地化されてて漢字使わなきゃいけないというのがあるらしいんだけどアー。

  • takehiro さん

    世界の各地域の物流の歴史本。個人的には、海運の話が面白いと思いました。手数料というタイトルにひかれて手に取りましたが、手数料の話はほとんどありませんでした、読み取れなかっただけかも・・。

  • リットン さん

    世界史を経済の観点からなぞった本で、世界史の教科書を読んでいるようだった。けど、昔は用語としてしか覚えていなかったものも、それが重要とされる理由が今になるとわかったりする。タイトルにある手数料や、帯に書かれたショバ代、プラットフォームみたいな用語は実際あまりでてこず、キャッチーにするための宣伝文句感があったが、世界史を経済の観点から読み直すにはよかったかな。

  • センケイ (線形) さん

    見たところ一定の専門性がありそうであり、それでいてスルスルと読める大変面白い本だ。Civ シリーズのファンにはたまらないだろう。道路などのインフラ整備や中央集権の効能、発展が時代ごとに詳しく書かれており、覇権を取った国も先代の基盤を活用していることがよく分かって刺激的だ。いろいろな方が指摘されているように、物流の話自体は意外と多くはないのであしからず。インフラと政策の経済全史、として読むと充実した読書体験になるだろう。

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