ピアノ・ソナタ集第3巻〜第9、10、11、19、20番 アンドラーシュ・シフ
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2019年09月22日
余談から始まるが、これを書いている2019年9月にアンドラーシュ・シフの本(「静寂から音楽が生まれる」春秋社 刊 シフへのインタビューとエッセイをまとめたもの。ISBN 978-4-393-93602-3)が出版された。こちらも薦めたいがここはCDレビューの場なので自粛。 前述の本の中でシフ自身が言及している「作曲の順番に演奏し、それをライヴの感興をなるべく忠実に残しつつディスク化する」という明確な意志の下で作られた全集の第3巻。目立った有名曲はないものの、のびのび・きびきびとし、颯爽とした快演と思う。知情意ともに中身があり、弛緩・ミスタッチがないこのディスクがライヴ収録とは恐れ入る。シフがいかにベートーヴェンのソナタを自らの血肉としているかの証左であろう。 来年(2020年)の聖年に、有名曲は次々に演奏されるだろうが、このプログラムでコンサートホールを満席にできるか、そもそもこの曲目でコンサートは開かないであろう(この巻にレビューがないのもその辺の原因もあるのだろうか)。しかし、もしもシフが演るなら必ず行くべきである。このCDを聴けばそう思うはず。悲愴にない晴朗さ、月光にない明るさ、熱情にないのどかさなど、ベートーヴェンの素顔のひとつをのぞくことができる。私について言うなら、シフの全集のうち、最初に買ったのがこの巻。ここで聴いてその演奏の鮮烈さと豊かな響きに魅了され他の巻も次々にそろえた記憶が今も残っている。 蛇足ながらシフの別の巻にある悲愴・月光・熱情などの有名曲もやはり名演です。別に3大ソナタをはじくつもりはないので。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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