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Bruckner (1824-1896)

CD Complete Symphonies, Mass No.3 : Marek Janowski / Orchestre de la Suisse Romande (10CD)

Complete Symphonies, Mass No.3 : Marek Janowski / Orchestre de la Suisse Romande (10CD)

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    kadoshin  |  東京都  |  不明  |  28/February/2024

    これは、近年のブルックナー録音として、シモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィルの全集に続く、優れたものだと思います。 スイス・ロマンド管弦楽団は、まずはアンセルメのデッカ録音のイメージが強いかと思います。フランス語圏のジュネーヴに本拠を置くオケのため、ドイツ音楽の印象はありませんが、アンセルメの後のシュタインやサヴァリッシュの時代はイマイチ、すごいという記憶はありませんでした。 このブルックナーは、楽員の世代も代わったのでしょうか、とてもいい音を出しています。ペンタトーンの優秀録音もあるのでしょうか、重厚さと繊細さを兼ね備えた、まさにブルックナーに必要な音が出ているのが、まずは一番訴求するポイントではないでしょうか。金管のコラール、ファンファーレはとてもコントロールされた、大きな音で圧倒されます。木管もかなり優秀な奏者が揃っている印象です。限はクリア、統制が取れています。 コントロールといえばやはり、今やブロムシュテットと並ぶドイツ音楽会の巨匠、ヤノフスキの力によるものでしょう。かつて1980年代、90年代にNHK交響楽団に多く客演していた頃には「まじめでダメなところはないが、なんだかつまらない指揮者」と思っていた不明を恥じます。基本に忠実に、愚直にと続けていて、いつの間にか、こんなに大きな音楽をつくるようになったのではないか。 どこをとっても不自然なところはありません。 4番「ロマンティック」の第1楽章、展開部の金管コラールの部分、トランペットを大きく抑えて、ヴィオラの主題を際立たせます。ここの効果は絶大で、こういう解釈もあり得るのか、と目から鱗が落ちました。 全体にテンポは速め。チェリビダッケのブルックナーが好きな方には「速すぎる!」と感じる方も多いかもしれません。ですが、これもありと思わせる説得力があります。 もうふたつだけ。 この全集で特筆したいのは木管の扱いの巧さに代表される各楽器の最上のバランスと、デュナーミクの正確さです。 木管が埋没せずに聴こえるのに驚愕しました。5番フィナーレの最後のフルートが明瞭に浮かび上がるのは、録音ではアバド以来かもしれません。でもこれは、ヤング盤でもそうなので、もしかしたら録音の高い技術のせいかもしれません。管弦打楽器が最上のバランスで統一されており、テュッティでも各楽器の動きが明洋に分かります。でもかつてN響の実演で聴いた限りでは、そこまで神経を使った指揮には見えませんでしたので。ここは保留とさせてください。 デュナーミクの正確さは、ヴァントも真っ青といったところ。先に書いたことと同じなのですが、厳格にスコアに書いてある強弱記号を守り、ピアノ、ピアニシモの区別など実に正確です。むしろドイツのオケだとなあなあでやってしまうところもあったかもしれず、スイスの楽団だからこれだけ徹底できたのかもしれません。 とてもレベルの高い全集だと思います。値段的にもかなりお買い得ではないでしょうか。最近は廃盤になるのも早いので、ブルックナー好きな方はぜひ聴いてみていただきたいと思っています。

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