歌劇『ダフネ』全曲 ビシュコフ&ケルン放送響、フレミング、ボータ、他
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 2010年04月17日
R・シュトラウスの「ダフネ」は、「エレクトラ」と同様にギリシャ神話を題材にしたオペラであるが、「エレクトラ」のようにエキセントリックなところは微塵もなく、牧歌的な抒情に彩られた作品ということができるだろう。もちろん、悲劇であり、劇的な箇所もないわけではないが、随所に見られるR・シュトラウスならではの色彩感溢れる華麗なオーケストレーションが、前述の牧歌的な抒情も相まって、独特の魅力を放っていると言える。正に、R・シュトラウスお得意の交響詩を聴くような面白さがあると言えるのかもしれない。ビシュコフ&ケルン放送交響楽団は、「エレクトラ」や一連の交響詩の録音において既に名演を成し遂げているが、本盤においても、R・シュトラウスがスコアに書き記した音楽を精緻に、そしてスケール雄大に描き出していく。そのダイナミックレンジの幅の広さ、牧歌的な抒情における情感の豊かさ、劇的な箇所の迫力など、いずれもとっても見事と言うべき好演を行っている。歌手陣も豪華。特に、主役のダフネのフレミングは適役であり、アポロのボータ、ロイキッポスのシャーデともども最高のパフォーマンスを示しており、特に、終結部に至る手前の三者による三重唱は、鬼気迫る迫真の歌唱を行っている。録音も非常に鮮明であり、本名演の価値を大いに高めている。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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