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アレンスキー、アントン(1861-1906)

CD アレンスキー:ヴァイオリン協奏曲、タネーエフ:協奏的組曲 グリンゴルツ、ヴォルコフ&BBCスコティッシュ響

アレンスキー:ヴァイオリン協奏曲、タネーエフ:協奏的組曲 グリンゴルツ、ヴォルコフ&BBCスコティッシュ響

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  2021年07月08日

    Hyperionがシリーズ化している「知られざるロマン派のヴァイオリン協奏曲」を紹介する企画の第7弾で、チャイコフスキーの影響を強く受けた2人の作曲家による知られざる佳品が収録されている。いずれも魅力的な作品。アレンスキー、タネーエフは同時代の作曲家であるが、連綿たるロマンティシズムを訴えるアレンスキー、論理的な音楽様式を探求したタネーエフ、とその作風を根元から分けることができる。ここに収録された2曲でも、その傾向ははっきりと出ている。アレンスキーの協奏曲は、連続する4つの楽章からなる20分程度の楽曲だが、冒頭から提示されるいかにもメランコリックな主題が、楽曲全体の雰囲気を覆っている。一方で、タネーエフの楽曲は、5つの楽章からなる、演奏時間が40分をはるかに超える大作だ。プレリュードから始まり、最後がジーグを思わせるタランテラというのは、バロックへのオマージュと考えられるだろう。技巧的な変奏曲形式の部分もあり、とにかく多彩だ。グリンゴルツは、濃厚な表情を与えながら、これらの楽曲に豊かな陰影をもたらしている。アレンスキーの楽曲では、緩徐部分のタメの効いた表現に、いかにもロシア的な詩情の描写がある。終楽章の回想も、郷愁豊かで、暖かな感興があり、この楽曲にふさわしい。中間部で挿入されるワルツの活き活きとした表現も魅力的だ。タネーエフの楽曲では、冒頭の力の入った導入がきれいに決まっている。ガヴォットの典雅な表現も魅力的だが、特に第4楽章に相当する変奏曲部分における描写的と呼びたい主張は、性格的な描き分けを明瞭にしており、わかりやすいだろう。終楽章では管弦楽とともに華やかな盛り上がりがあり、なかなか楽しい。タネーエフの佳品には、Ondineレーベルからリリースされているペッカ・クーシストとアシュケナージによる2000年の録音があって、それがきわめて優れたものであるため、当該曲の代表録音としてはそちらを推したいが、当盤もそれに匹敵する内容。加えて、当盤は同時代のアレンスキーの作品と併せて楽しめるので、アイテムとしての価値は十分に高い。

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