『カプリッチョ』全曲 ベーム&ウィーン国立歌劇場、シュヴァルツコップ、ウーデ、他(1960 モノラル)(2CD)
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千葉のアリアドネ | 千葉県 | 不明 | 2011年03月21日
ベームの公演記録をみて、前から気になっていた演奏だった。CD化されれば是非聞いてみたい・・・。周知のとおりベームには綺羅星のような歌手陣を擁するバイエルン放響とのセッション録音(71年DG)がある。これは晩年モーツァルトに傾斜したシュトラウスの音楽の巧緻と、ベームの古典的なシュトラウスへのアプローチが合致した、格調高い名盤中の名盤だが、この曲想だけにVPOで聞いてみたいとの思いは断ち難いものがあった。想像通り音は悪かった(エアチェック音源だろうか)。しかし聞き進めるうちにシュワルツコップフを初めとした歌手陣の熱唱と(凄いメンバーだ)と何よりオケの演奏に圧倒されてしまった。ベームも甘さ一辺倒にならないよう手綱はしっかり締めているのだが、この艶、そして立ちのぼる「香り」。やはりピットのベームは二味違う。緩急の巧みさと熱のある、しかし自然な盛り上がり。有名な「月光の音楽」のむせるような香りと熱と哀愁!(最初アンサンブルが粗いが)。現場に居合わせることができればどんなに幸福な時が過ごせただろう。条件が整ったCDとはお世辞にも言い難く(それでもGolden Melodramには感謝)、正規音源登場を願いたいが、演奏の価値に鑑み、シュトラウスファン、ベームファン、出演歌手のファンに限定して星四つ。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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