Les Troyens : La Fura Dels Baus, Gergiev / Valencia State Orchestra, Barcellona, Ryan, Giuseppini, etc (2009 Stereo)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 25/July/2011
「トロイの木馬」がコンピューターウィルスだなんて、あまりにベタで笑うしかないが、演出家はパロディどころか大真面目らしいのは、もっと笑える。トロイの女たちの集団自決の場では派手に血糊を見せるが、ワイヤー吊りにこだわった結果、緊迫感ゼロの凡庸な場面になってしまった。地中海が宇宙空間に置き換えられれば、こういうことになるだろうという、すべて予想通りの舞台で、『指輪』はあれでもまあ何とか見られたが、どうやらアイデアは種切れらしい。『指輪』のネタの使い回しで何とかなるだろうという安易な姿勢は買えないし、批評眼がないというか、演出のアイデアがこんなに陳腐では見られたものではない。指揮は素晴らしい部分と凡長なページが混在する大作を手際よく聴かせてくれるし、マトス(カサンドラ)はいささか「憑依」が不足で能天気すぎるが、ライアン、バルチェッローナの両主役とも立派な歌いっぷりなだけに、この間抜けな演出が何とも恨めしい。2 people agree with this review
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あまでうす | 神奈川県 | 不明 | 18/June/2011
聞くも涙語るも涙、波乱万丈の一大ラブスペクタクルをこのロシアの指揮者はなんとよどみなく、疲れもしらず、はじめは処女の如く、終わりは脱兎のように走破しおおせることでしょう! ヒロインのダニエラ・バルセロナ、ヒーローのランス・ライアンの熱演ともどもまことに現代のマエストロの鑑とも称すべき見事な演奏でした。 注目に値するのは全体をスターウオーズ風のスペースファンタジーとして舞台を再構成したカルルス・パトリッサによる演出で、はじめは違和感があったのですが、ベルリオーズの折衷的で冗長な音楽をなんとかまぎらわせて長丁場を乗り切るために大きな役割を果たしています。1 people agree with this review
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