Piano Trios Nos.1, 2, Arpeggione Sonata : A.Schiff(P)Yuko Shiokawa(Vn)Perenyi(Vc)(1991)
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 12/July/2017
高い評価がある録音の四年前にあった 同一曲の同一演奏者によるライヴ映像 思わぬものが思わぬ時に現れたものだ 何しろ四半世紀以上前の記録だから 大時代ものかと訝しんで覗いた ピリオドスタイルでも違和感なくシューベルトが味わえる”今” ヴィブラートをたっぷり利かせたロマンチック演奏なんて気持ちがついていけないんじゃないかと危惧していた 確かに塩川 ペレーニ共に20世紀伝統の奏法で弾いていた しかし映像が役立ってくれた 小さな窓だけの窮屈な小部屋で演奏され 奏者の貌と手元だけが浮き上がる程度の薄暗さが聴くものの集中力をも高めてくれた VnとVcは十分に歌いよく鳴っていたが 音楽堂のひらけた空間とは真逆の環境が幸いした 音響空間の限界を超えた音量は出せないから三者が聴き合い奏でる室内楽本来の発音体へそれぞれが整えられていった それが顕著だったのがシフのピアノだろう 三者の中で最も控えめで必要以外はVnとVcを立てる姿勢が貫かれた 一見伴奏者のタッチで弾いているかと思うほど密やかな指運びだった だがこれでいいのだ シフが弾いているのはピアノフォルテでフォルテピアノではないのだから ”今”のピアノで主体的な或いは主導性ある演奏をしたら二楽器を食ってしまう 室内楽のパランスは崩れ去る シフ-塩川-ペレーニのシューベルトは奏法の是非を超えて 当に楽興の時を刻んでいた その長大さにおいて敬遠若しくは忌避されるシューベルト音楽をここに聞くことはできない 真に音楽の天国又は桃源郷が広がっていた 多くの方にお奨めしたいが もうこのDVDは入手困難になっている 是非再発売又はBlu-ray化を願いたい1 people agree with this review
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