ミサ曲『あなたの思いのすべてを私に話してください』、『だれが私たちの目に涙の泉をもたらすのだろうか?』、他 タリス・スコラーズ
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mimi | 兵庫県 | 不明 | 2012年12月31日
不勉強にしてJosquinとほぼ同世代のJean Moutonの作品に、実際接するのは初めてですが、The Tallis scholarsの名演のおかげで、初回ににしてこの作曲家の真価に十二分に触れる事ができたと思います。コンペールの曲によるミサは、堅実にして重厚で、やはり同世代のIssacのように夢見るような旋律をちりばめることはないですが、西洋音楽史上の多声音楽の一つの頂点としての通模倣様式を存分に駆使した佳品。さすがにJosquinに較べると、各声部の自由さと表現強度の強さは劣るかも知れませんが、フランドル楽派のポリフォニー・ミサを鑑賞する喜びは充分に得られます。ただ、おそらくMoutonの本領は、後半に収録されたMotetの方で、王妃の死を悼むQuis Dabitの深々とした時間、Ave Mariaの各声部が自由に飛翔しながらどこまでも音空間を紡いでゆく様など、テキストの内容に極めて則した掛け替えのない表現を実現しており、ルネサンスの隠れた名曲の数々と言えるのではないでしょうか。The Tallis scholarsを聴くのは、実は久しぶりなのですが、衝撃的なMissa Pange linguaで世界中に知られてはや四半世紀、おそらくメンバーも相当に入れ替わっているでしょうに、未だにこの質の高さを維持しているのは奇跡的としか言いようがありません。当時活動していた他の古楽合唱団のほとんどが、もはやいなくなった中でThe Tallis scholarsの存在は、自分たち古楽愛好家にとってどれだけ幸せなものでしょうか。個人的にはルネサンス盛期だけでなく、もう少し曲の時代幅を拡げて欲しいところですが、それは無い物ねだりなのでしょう。非常に地味で目立たない盤ですが、名演名盤と思います。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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