トップ > 音楽CD・DVD > クラシック > ベートーヴェン(1770-1827) > 弦楽四重奏曲集(第1・2・4・6・9・11・12・14番) ベルチャ四重奏団(4CD)

ベートーヴェン(1770-1827)

CD 弦楽四重奏曲集(第1・2・4・6・9・11・12・14番) ベルチャ四重奏団(4CD)

弦楽四重奏曲集(第1・2・4・6・9・11・12・14番) ベルチャ四重奏団(4CD)

商品ユーザレビュー

  • ★★★★★ 
    (1 件)
  • ★★★★☆ 
    (0 件)
  • ★★★☆☆ 
    (0 件)
  • ★★☆☆☆ 
    (0 件)
  • ★☆☆☆☆ 
    (0 件)

レビューを書いてみませんか?

レビューを書く

検索結果:1件中1件から1件まで表示

  • ★★★★★ 

    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  2021年07月06日

    ベルチャ四重奏団のベートーヴェンは、果敢だ。強弱のダイナミクス、そしてフレージングの劇的な扱いとともに、時にかなり早いテンポを選び、緊迫したドラマを内包する。また、中間楽章のうち、緩徐楽章ではない方(通常メヌエットやスケルツォ)の楽章に、深刻な諸相を感じさせることも、彼らの演奏の特徴の一つであろう。ベルチャ四重奏団の演奏では、例えば第6番は、第3楽章のしっかりとした構築性を経て、第4楽章の序奏に当たる深遠なアダージョに移る過程が、すでに後期のベートーヴェン像を示唆していることが明瞭だ。そこでは、幽玄な雰囲気を醸し出されている。「速さ」が特に凄みを見せるのは、第9番の終楽章や第11番の第1楽章であろう。第11番は、疾風と称したい勢いの中で、細やかなアクセントが取り交わされ、きわめて濃密な音楽が表現されており、見事の一語だ。ベートーヴェンの音楽でしばしば形容される「精神性」と称されるものが演奏を通じて表れていることを強く感じる。第14番は、レガート表現の扱いの巧みさによって、全体の流れがすみやかでかつ引き締まったものとなっており、その結果、中間部に重ねられる内省的な色味が相応しい格調を感じさせて素晴らしい。この名品にふわさしいアプローチ。第1番や第4番のような初期の名作においても、フレーズに込められた情感を美しいアヤで織り込んだ深みがあり、中後期の作品群に劣らない聴き味の豊かさが醸成されている。合奏音の力強さは圧巻であるが、一方で各楽器のソロ・パートにおいてはレガートの扱いが綿密に設計されており、その結果、ソロ・パートが全体の起伏の滑らかさを意識させ、合奏音がきわめて強い表出性で、音楽の意志を伝える。その演出は、彼らのベートーヴェンにおいて、一貫性あるものとして感じ取られる。当録音の個性的な面とも言えるだろう。必要な個所では存分に鋭利さを発揮する弦の艶やかな響き。その響きがもたらす強靭な劇性に、ベートーヴェンの刻印を感じさせる。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

検索結果:1件中1件から1件まで表示