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Ballet & Dances Classical

Blu-ray Disc Romeo & Juliet(Prokofiev): Bonelli, Cuthbertson, Royal Ballet (2012)

Romeo & Juliet(Prokofiev): Bonelli, Cuthbertson, Royal Ballet (2012)

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    天然芝  |  秋田県  |  不明  |  20/March/2013

    当初ロミオに予定されていたポルーニンを念頭にした映像化・商品化の計画だったと思われるが、この公演を目前にした突然の退団で、ポルーニンのロミオの映像が残せなかったのは惜しまれる。 しかしながら代役とつとめたボネッリが、穴を埋めて余りある好演で「ロミジュリ」のファーストチョイスにもふさわしい、完成度の高い映像に仕上がったと思う。ボネッリの甘いマスクと気品は、なんでも「王子様風」になってしまうかと思いきや、これほど等身大で生身の「青年ロミオ」が生まれるとは予想していなかった。 今回の映像では(ポルーニンを予定したせいか)ロミオのアップがやけに多いこともあり、ボネッリの細やかで的確な表情が手に取るようにわかるが、そこには「作りもの」めいたところが皆無で、殊にタイボルト殺害を決意する場面での、あたかもボネッリ自身の悲しみと怒りとも思える表現は圧巻といえるだろう。 カスバートソンは清楚で美しいジュリエット、序盤メイクのせいもあってか「少女」に見えにくいのは残念だが、ボネッリ同様に大仰な表情づけがなく、寝室でのロミオとの別れから幕切れまでの悲痛な表現は、一貫していてなおかつ哀しい美しさを放つ。ロイヤルの女性ダンサーの中では比較的上背のあるカスバートソンだが、ボネッリのサポートが盤石なので安心して観ていられるのもよい。 ガートサイドの苦み走ったタイボルトも、粗暴に振る舞うこと無く品格のある威圧感や敵対心を表現して、主役の二人とのバランスも好ましい。(それでも「タイボルトの死」での目を見開いたままの死にっぷりは、キャピュレット夫人の狂乱ぶりともども凄絶) キャンベルのマーキュシオは素晴らしく軽快な技の冴えを見せる一方、コミカルな表現が控えめで、悲劇の中にキャラクターが埋もれ気味だがベンヴォーリオ、乳母といったキャラクターも抑え目で全体として陰りを帯びた、悲劇性の強い映像に仕上がっていると思う。 映像は非常に美しく、特に遠景の立体感さえ感じさせる精緻さは見事、音質もきわめて良好。映画館のスクリーンを前提としたと思われるカメラワークで、全景とアップの多用が目立ちダンサーの細かな表情の変化から、群舞の全体の動きまでよく見せてくれる一方、ダンスの部分ではしっかりとダンサーの全身像を捉えてストレスを感じさせないカット割りのセンスは絶妙。 ワーズワースのバレエのスペシャリストらしい、丁寧な音楽づくりも好ましい。(第2幕のバンダがやけに荒々しいのは不思議だが) 日本語字幕付きの特典映像(ドキュメンタリーと、決闘シーンのメイキング)も充実していて、マクミラン版「ロミジュリ」の良い手引きとなろう。ロイヤルでのこの演目は、既に複数の優れた上演が映像化されているが、この一枚はまず最初に推したい素晴らしい完成度といえるだろう。

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