『ウィグモア・リサイタル2012〜シューベルト、ブラームス、メンデルスゾーン』 ピリス、メネセス
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2013年03月18日
室内楽の新譜で愉しいのは、このCDのように内側から愛情や情熱がにじみ出るような音楽に出会えることだと思う。もちろん他のジャンルでもそれはあるのだろうが、ソリストが出会い、新しいものを創りあげていく瞬間は室内楽に現れやすいように感じる。 ここでもピリスとメネセスによるお互いが寄り添い合うような親密な音楽を感じる。 メネセスのチェロに聴き惚れた。とくにシューベルトではチェロの弱音の美しさやちょっとしたパッセージの繰り返しにも同じような歌い方をせずさりげない変化を見せたりする。ピリスのピアノもすばらしい。ブラームスのソロ(Op.117)ではピアノ独りで歌ったかと思うと、チェロ・ソナタでは野太い声で朗々と嘆くようなチェロを包み込むような優しさを思わせる。 最後を締めくくるバッハもしめつけられるような受難曲を聴くような佳品。 ライヴ収録らしいが拍手は収められず静かな沈黙をもってCDが終わる。このCDなら拍手は不要に思う。ピアノとチェロの歌い手によるライヴの醍醐味を独りで静かに愉しめる一枚としておすすめしたい。9人の方が、このレビューに「共感」しています。
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