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CD ネヴィル・マリナー/アーゴ・イヤーズ(28CD)

ネヴィル・マリナー/アーゴ・イヤーズ(28CD)

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    旭ヶ丘  |  大阪府  |  不明  |  2015年02月08日

    どのCDも極めて音楽的で、各曲のよさを改めて感じさせてくれる。録音も、やや埃っぽさはあるものの、定位がはっきりしながら、自然な広がりをもっおり、マリナーの創り出す音楽にじっくり浸らせてくれる。ぜひ、オペラも含めた続編を期待したい。

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    日向 爽  |  東京都  |  不明  |  2014年03月18日

    ネヴィル・マリナーはフィルハーモニア管とロンドン響で第二ヴァイオリンの首席奏者を務めたヴァイオリンの名手であり、室内楽の達人でもある。 英国の音楽学者サーストン・ダートから自身の古楽研究の成果を実際の演奏にしたいと相談されたのがもとで結成されたのが、彼の手兵アカデミー室内管弦楽団である。実際の名前はAcademy of St. Martin-in-the-Fieldsといい、マリナーによると「St. Martin-in-the-Fields教会に集う名手たち」というような意味らしい。長い名前なので英国ではASMFと略すか、単に「The Academy」と呼ばれている。マリナーについて語ることはASMFについて語ることにもなる。 ASMFのメンバーになるには「ロンドンのメジャーオーケストラの首席または次席奏者、あるいは同等の実力のある者に限る」という厳しい条件があるそうだ。名手ぞろいのASMFは、マリナー監督に召集されたクラシック音楽ワールドカップのイングランド代表チームとも言える、オールスターチームなのである。 マリナーは当初、コンサートマスター(英国ではリーダーと呼ぶ)としてASMFを統率していたが、合奏がうまく合わない箇所が出てきたためメンバーから指揮をするよう求められた。そこでピエール・モントゥーの好意で彼のマスタークラスに編入して指揮法を学んだ。ちなみにマリナーは影響を受けた指揮者として、オットー・クレンペラー、ヘルベルト・フォン・カラヤン、ジョージ・セルらの名を挙げているが、特にジョージ・セルについては、クリーヴランド管に客演した際には資料室に立ち寄って、同楽団所蔵の楽譜へのセルの書き込みを見て勉強するほど傾倒している。 ここにマリナーとASMFのごく初期の音源が集大成されることになったのは非常にうれしいことだ。その魅力は以下の三点に集約されるだろう。 まず一つは、英国音楽界のオールスターチームであるASMFの名人芸を堪能できることだ。ヘンリック・シェリングに師事し、堅実で心にしみるヴァイオリン演奏を聴かせる、コンサートミストレスのアイオナ・ブラウン女史や、ジャン・ピエール・ランパルに師事し、映画「アマデウス」ではサリエリが震えるほどの(笑)美麗なフルート演奏を聴かせたウィリアム・ベネット、ケンペ指揮ロイヤルフィルの「シェエラザード」(リムスキー=コルサコフ)でもヴァイオリン・ソロを務めた名手アラン・ラヴディなどなど、イングランド代表の名人奏者たちの鮮やかな連係プレーや見事な個人技には誰しも思わず聴き惚れてしまうことだろう。また併設された合唱団の上手さも特筆に価する。 次に、音楽学者サーストン・ダートの依頼がきっかけとなって結成された、元祖「なんちゃって古楽」集団ASMFの、当時最先端の古楽演奏を懐しむことができる。ASMFにはサーストン・ダートやクリストファー・ホグウッド、サイモン・プレストンら英国古楽界の重鎮が奏者やブレーンとして参加しており、古楽奏法や、一部だが古楽器も取り入れている。ここに収録された演奏以外ではデイヴィッド・マンロウ、トレヴァー・ピノック、フィリップ・ピケットらとも共演している。図書館からファクシミリで自筆譜を取り寄せ、ブレーンとなる音楽学者の手によりASMF専用の楽譜が作られることもある。サーストン・ダートが演奏に加わり、第二番をフルート協奏曲、第三番をヴァイオリン協奏曲に見立てた「管弦楽組曲」(J.S.バッハ)や、ホグウッドの編集・校訂により初演時のスタイルを再現した「メサイア」(ヘンデル)、当時は珍しかったバイヤー版による「レクイエム」(モーツァルト)、通奏低音に様々な工夫を凝らした「四季」(ヴィヴァルディ)などは、今でも十分に魅力を感じられることだろう。 そして三つ目は聴き手もASMFのメンバーと共に音楽を楽しめることだ。どのディスクを聴いても彼らが心から楽しんで演奏していることが伝わってくるようで、聴き手も楽しくなる。その根本的な理由はASMFが合議制を採っていて、練習時にメンバーが自由に意見やアイデアを出し合って演奏を作り上げていることにあるのだろう。もちろんマリナーも意見は言うが、むしろメンバー同士の対立する意見の調整に携わることが多く、彼自身の言葉によれば、練習のときに一番口数が少ないのが指揮者(コンマス)のマリナーなのだそうだ。指揮者にうるさく指図されることがなく、お互いに信頼できる仲間同士で自由に意見やアイデアを出し合って演奏できるASMFは演奏者にとって一つの理想郷(ユートピア)であり、そのためASMFへの参加希望者は増える一方で、ついにはドヴォルザークやチャイコフスキーの交響曲なども録音できるほど人数が増えてしまったようだ。 もちろん、この28枚のディスクは彼らの活動の記録のほんの一部に過ぎず、これだけでマリナー&ASMFの魅力の全てに触れることはできないだろうが、それなりに俯瞰できる貴重なセットだと思われる。続編もぜひ期待したい。

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