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ワーグナー(1813-1883)

CD 前奏曲と間奏曲集 ファビオ・ルイージ&フィルハーモニア・チューリッヒ(2CD)

前奏曲と間奏曲集 ファビオ・ルイージ&フィルハーモニア・チューリッヒ(2CD)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2015年03月20日

    メトでの『ジークフリート』が素晴らしかったので(『神々の黄昏』も悪くはないが、こちらの方が遥かに上)、大いに期待して買った録音。演奏、選曲ともに明確な主張があり、見事な出来ばえのCDだ。演奏の特徴は、かつては厚塗りの油絵だったワーグナーの響きが水彩画になった、と言えば分かりやすいだろう。響きがスリムに、見通しよくなり、埋もれていた声部がクリアに聴こえるようになった。「ジークフリートの葬送行進曲」のクライマックスでは、これまで金管の咆哮に押しつぶされがちだった高弦の対位旋律が明確に聴こえるし、低弦が引きずるような「英雄の死の動機」を繰り返しているのも、はっきり聴き取れる。カラヤンやサヴァリッシュ、ベームに対しても、前の世代のワーグナー指揮者に比べて響きが透明になったと言われたものだが、ルイージはさらに一歩進んでいる。彼の演奏自体は HIP(Historically informed performance)とは呼べないだろうが、その影響を受けていることは間違いない。しかし、響きがスリムになったからといって演奏自体が「草食系」になったわけではない。「ジークフリートのラインへの旅」のアッチェレランドによるクライマックスへの持ち込み方など、堂に入ったものだし(ちなみに、演奏されているのは『黄昏』の第1幕終わりとも違う、独自の終結部をつけた版)、『トリスタンとイゾルデ』のつややかな官能美も見事なものだ。 選曲は『パルジファル』前奏曲から珍しい『妖精』序曲へと、ワーグナーの音楽語法の発展を逆向きにたどれるように工夫したもの。『妖精』から『ローエングリン』までですら、同じ作曲家とは思えぬほどだ。ただし、ちょっと画竜点睛を欠いた感があるのは『さまよえるオランダ人』序曲がないこと。同時期にアルティノグル指揮によるチューリッヒでの『オランダ人』全曲録画が出るので遠慮したのかもしれないが、CDの収録時間にも余裕があるわけだから、あと一曲入れてもらいたかった。  

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