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シベリウス(1865-1957)

CD 交響曲第1番、第4番、第7番、悲しきワルツ 渡邉暁雄&ヘルシンキ・フィル(1982年福岡ライヴ)(2CD)

交響曲第1番、第4番、第7番、悲しきワルツ 渡邉暁雄&ヘルシンキ・フィル(1982年福岡ライヴ)(2CD)

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    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  2019年02月10日

    特にシベリウスの熱狂的なファンでもないので、大きな事を言う資格は無いのですが(それでも交響曲全集は、いつの間にか7種類くらい持っている)、このライブ盤のハイライトである交響曲第4番は、同曲の演奏中でも屈指の名演と言えるのではないでしょうか。歴史的にはシベリウスの最高傑作と名高い同曲ですが、実際の人気は高いとは言えず、確かに少なくない録音の中で、これは、という感銘を受ける演奏は決して多いとは言えません。渡邊暁雄/ヘルシンキ・フィルの演奏は、実は初めて東京FMで放送された1982年の春、たまたま学生時代の貧乏旅行で関東に滞在し、千葉の友人宅に泊めてもらった際に友人宅で録音させてもらい、それこそ目から鱗が落ちるような衝撃を受けました。それ以前にも、有名なKarajan他、いくつかの演奏で知っており、正直4番の魅力がよく理解できていなかったのですが、渡邊暁雄/ヘルシンキ・フィルの演奏はそれまでのどの演奏とも全く異なりました。音の一音一音、フレーズの抑揚、テンポの微細な揺れ、その全体で構成される徹底的に静かで冷たく美しい世界は、自分の知る限り過去の(そして現在にいたるまでの)どの演奏とも違って、静かではあっても重々しさは微塵も無く、雪風のように軽々しく爽やかで、ひたすら詩的です。ここには華やかで賑やかな世界はありませんが、世間でこの曲に言われる「陰鬱な」「死の世界のような」といった雰囲気はほとんどなく、冷たく静かで穏やかな時間が、それも一瞬の弛緩もなく流れていきます。北欧の湖畔の水音と野鳥の羽ばたき、泣き声が静かにこだまするのが目に浮かぶよう、とでも言えるでしょうか。この録音の演奏によって、初めて自分は、シベリスがこの4番を(晩年にいたるまで)自他共に最高傑作と認めた訳が完全に納得できました。有名楽団とは言えないでしょうが、この演奏において、ヘルシンキ・フィルの演奏は技術的に神がかった素晴らしさであり、それ以上に自分たちで無ければ絶対に奏でられない音楽を実現しています。おそらく世界ではもちろん、わが国でも決して有名な盤ではないでしょうが、交響曲第4番の演奏史上でも特筆すべき奇跡的名演奏と言い切って差し支えないと思います。他の収録曲では、交響曲第1番が初期曲に見がちな荒々しさを全く見せない、静謐で高貴な演奏。第7番はさすがにバルビローリ/ハレ管の名人芸には及びませんが、暖かく堅実な好演。疑いなく、わが国のシベリウス演奏史の頂点を極めた名録音です。

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