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ピエルネ、ガブリエル(1863-1937)

CD フランシスコ会の風景、大聖堂、ピアノと管弦楽のための交響詩、他 メナ&BBCフィル、バヴゼ

フランシスコ会の風景、大聖堂、ピアノと管弦楽のための交響詩、他 メナ&BBCフィル、バヴゼ

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  2021年07月08日

    たいへん魅力的なアルバムに仕上がっている。ピエルネは、マスネとフランクに師事した人で、その作風はマスネ的な甘美さ、フランク的な高貴な構成力の双方を併せ持つことで、その作風には印象派的な側面とロマン派的な側面の両方がある。2つの管弦楽曲は、ともに第1次世界大戦の影響下に書かれたとされる。3つの楽章からなる「フランシスコ会の風景」は、デンマークの詩人イエンス・ヨルゲンセンの作品に触発されたとされる。ピエルネの特徴が良く出た美品で、第2楽章のフルートとハープの掛け合いは印象派的、第3楽章は絢爛さが花開く。「大聖堂」は深刻な作品。大きく弧を描くように楽曲が起伏し、崇高な雰囲気を導いたのち、小太鼓が力強いリズムを刻むのは暗示的で、戦争の影響と言われれば、確かに説得力がある。ピエルネの作品群の中でも特徴的なものと言える。スケルツ=カプリスでは、ピアノが加わり一転して楽しげで瀟洒な世界となる。バヴゼのきらめくようなタッチと瞬発力のあるリズムが素晴らしい。ピアノが重要な役割を果たす「交響詩」が続く。ピアノが活躍する交響詩、と言うと、ピエルネの師であるフランクの「ジン」を思い起こすが、ピエルネの「交響詩」も「ジン」同様に重々しい相貌を持っている。優雅な作品が続いたあと、バヴゼの独奏で素早いパッセージの交錯による華やかさが魅力的な練習曲で締めくくられる。ノセダの後を継いで、BBCフィルの首席指揮者となったメナであるが、ピエルネの作品へ見事な適性を示している。印象派的な音色と構成感に溢れた音色をいずれも豊かな色彩感で描き出し、かつそれらが交錯する際には、機敏に反応する。指揮棒に反応してオーケストラが色彩を変える様は、雲間から光が差し、海面が色を変えるような美しさである。バヴゼの素晴らしいピアノと併せて、現代最高と言ってよいピエルネを堪能させてくれる。

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