At This Time...
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hiro | 愛知県 | 不明 | 2016年03月14日
1960年代から長きにわたり第一線で活動を続けるピアニスト、Steve Kuhn(1938〜)の健在ぶりに驚かされ、また嬉しくもなる「At This Time...」。 ECMからリリースされた「Wisteria(2012年)」と同じメンバー、すなわちエレクトリックベースのSteve Swallow(1940年〜)、ドラムスのJoey Baron (1955年〜)を従えてのトリオ・アルバムです。 2015年8月7日、ニューヨークにて行われたレコーディングは、Kuhnもバックの2人も、よほど調子が良かったのか、数時間で完了したのだそうです。 Swallowのベースは、淀みなくスムースであり、Kuhnの歌心を自由に飛翔させています。更に、Baronも明快かつ刺激的なリズムでその飛翔をサポート。 録音時点で77歳というKuhn。この溌剌とした躍動感はどこから湧き上がってくるのでしょうか? 音楽を創造する喜びに包まれているとしか言いようがない出来栄え。 今回は、Sunnysideレーベルからのリリースであり、Manfred Eicherの統制から自由になった分だけ、伸び伸びとプレイできたのかもしれません。ECM盤の素晴らしさはそれとして、これはファンにとって好ましい結果ではないでしょうか? 1曲目「My Shining Hour」から、スウィンギーで力強いピアノ・プレイが飛び出してきます。そして、唸るようなベースに、派手と表現した方がいいくらいのドラムス。目が覚めるような演奏とはこのこと。 2曲目「Ah Moore」も、スウィング感に満ちた小粋な曲。Kuhnは心から演奏を楽しんでいるようです。 ロマンチックな曲調の3曲目「The Pawnbroker」 。Kuhnの持ち味のひとつに、この優雅さがあります。しっとりとしたベース・ソロもKuhnのピアノを引き立てている。 ボサノヴァ調が心地良い4曲目「All The Rest Is The Same」では、ピアノが正に歌っています。 5曲目「The Feeling Within」は、美しいピアノ・ソロ。Kuhnのロマンチシズムを堪能して下さい。 6曲目「Carousel」は、しんみりしたバラード。このトリオの力量が見事に発揮された演奏と言えます。 7曲目「Lonely Town」では、リリカルなピアノに耳が奪われます。 打って変わって躍動感溢れる8曲目「This Is New」。ランニング・ベースが実に心地良く響きます。そして、終盤では、Kuhnが華麗な演奏を披露。 ラスト「I Waited For You」のしっとりした演奏にKuhnの本質が表れているような気がします。同世代で、共に激動のジャズ界を生き抜いてきたSwallowのベース・ソロがことさら胸に染み入り、アルバムは幕を閉じます。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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