"Fidelio : Flimm, Harnoncourt / Zurich Opera, Nylund, J.Kaufmann, Polgar, Muff, etc (2004 Stereo)"
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ランスロット | 埼玉県 | 不明 | 10/July/2016
演出、演奏、歌唱、演技ともに素晴らしいと感じる。 勿論好みの違いがあると思うが、このオペラは抑圧に対する開放を表現するオペラなので、第一幕の囚人達は抑圧下の束の間の休息であって、然るべき演出がされていると思う。フィナーレの喜びの表現も、紋切り型の所作を排して「勇気と知性を備えた女性が男性を解放する」というオペラのテーマにも即した演出になっている。むしろテキストに忠実な演出と言ってもよい。 今は亡きアーノンクールの音作りは、序曲から抑え付けてくる力を撥ね退けようとするような生き生きとしたもの、そして個々の歌手の歌唱も、むしろドラマの台詞としての要素を強調した歌い振りで、個々の役柄を忠実に反映したもの、むしろオペラの歌唱とはこうあるべきではないだろうか?レオノーレのニールンドが歌唱・演技ともに愛おしさを感じるほど素晴らしい。0 people agree with this review
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あおば | 神奈川県 | 不明 | 25/March/2010
カーテンコールで一番盛大な拍手をもらっていたのがアーノンクール、というのがこの公演を象徴しているでしょう。指揮は面白いけれど(ところどころ、テンポやアーティキュレーションに疑問はありますが)、肝心の歌が残念ながらイマイチです。一番いいのがフロレスタンのカウフマンでしょうか。フィデリオのニールンドはもう少し力強さ、輝かしさが欲しい。一番不満なのがピツァロを歌うムフで、声が明るくて全然迫力や怖さがない。演出も、一幕でマルツェリーネがいくらしつこく言い寄るといっても、この間まで恋仲だったヤキーノに銃を向けたり、地下牢に足を踏み入れたフィデリオがロッコを棒で殴り殺そうとしたり、最後にフィデリオが女だとわかったらマルツェリーネが銃で自殺を図ろうとしたり……は、極端過ぎるでしょうし、囚人が外に出ることを許されても一向に喜びが伝わってこないし、大臣の到着で救われた夫婦が歓喜の二重唱を歌うのに抱き合いもしない……と、不満ばかりが募ります。0 people agree with this review
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