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Beethoven (1770-1827)

CD Complete Piano Concertos : Varjon(P)Keller / Concerto Budapest (3CD)

Complete Piano Concertos : Varjon(P)Keller / Concerto Budapest (3CD)

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  07/July/2021

    たいへん聴き味が軽やかでしなやかな演奏。全体的な解釈は、とても良心的で、かつ現代的なものであると感じられる。オーケストラの編成は大きくも小さくもないが、音響は整理が行き届き、特に木管の音色の浮き立つような美しさは印象に残るし、どこをとっても、きれいに分離されていて淀みがない。フレーズの一つ一つが、細やかな表現を突き詰めた形をしていて、そのプロポーションは整っている。独奏ピアノも、音の混濁を避け、風通しの良い、ある意味室内楽的な距離感を感じさせたアプローチと言える。その結果、特に緩徐楽章では、隅々まで光の行き渡った鮮明な情景が繰り広げられ、清々しい緑の中を行くような気持にさせてくれる。冒頭に収録された第2番の軽やかな運動美は忘れがたい爽快さだし、第4番の絹を思わせるトーンも魅力いっぱい。その一方で、これらの演奏は、もう一つ踏み込んだ燃焼性の少なさという点で、一つのベートーヴェンらしさが不足している、というところもあるだろう。全般にテンポの早い祭典的な終楽章では、もう一つギアアップするような興奮が控えられるため、聴き手によっては、物足りない、と感じることもあるだろう。しかし、それを踏まえてあえて確信犯的なアプローチではあろう。そのような知的なセンス、そして、皇帝協奏曲の冒頭のカデンツァに特徴的な「刻み」を意識させるフレージングなどから、同じハンガリーの名ピアニスト、シフの演奏を彷彿とさせた。ヴァーリョンのスタイルは、さらにコンパクトな透明性を感じさせる。清涼な味わいで、心地よく楽しめるベートーヴェンとなっている。

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