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ブルックナー (1824-1896)

CD 交響曲第3番 ヤニク・ネゼ=セガン&シュターツカペレ・ドレスデン

交響曲第3番 ヤニク・ネゼ=セガン&シュターツカペレ・ドレスデン

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  2021年03月12日

    1975年生まれのカナダの指揮者、ヤニック・ネゼ=セガンが、シュターツカペレ・ドレスデンを指揮して、2008年ドレスデンでライヴ収録されたもの。1873年稿、いわゆる「初稿」を用いた録音で、後にブルックナーが削った冗長性やワーグナーからの露骨な引用がすべて残った状態のスコアによる演奏。この曲に関しては、今世紀になってから「初稿」での録音が増えており、当盤もその一つ。2008年当時、ネゼ=セガンは、33才という若さであったわけだが、この歴史あるオーケストラから壮麗な音を引き出していて、見事な演奏だ。当録音の後に、ネゼ=セガンは、メトロポリタン管弦楽団との全集作成のため、同曲を再録音しているが、当盤の方がスローなテンポで、楽曲のスケール感を大きく捉えていることは、オーケストラの特性を反映させた上での解釈なのかもしれない。「初稿」を用いている、と書いたが「初稿」には魅力とともに弱点も多くある。冗長性、繰り返しの長さ、全休符のたびかさなる挿入。若きブルックナーゆえの思いのたけの強さが、爛漫たる浪漫性になっており、これを整える造形化の作業はなかなか難しいだろう。しかし、ネゼ=セガンは、あえて雄大な構えをとり、その中で自然な抑揚の中に、うまく各パーツを整えることに成功している。オーケストラの対応力が素晴らしいということもあるのだが、全体的なバランス配分やクライマックスへの布石など、ネゼ=セガンの周到さは随所に感じられ、なるほど、33才にして、このオーケストラから声がかかるだけの力量があったことを思い知らされる。深々とした音色、美しい余韻、的確な残響の効果。それらがあいまって、大きな呼吸で描かれたブルックナーの第3交響曲は、ブルックナー後期の3大交響曲に匹敵すような切迫感をもって聴き手に迫ってくる。これは名演だ!ただし、当アイテムを商品として見た時、一つとても残念なことがある。CD1枚にもかかわらず、「CD4枚が梱包できる大型ダブルサイズ」のケースに梱包されているのだ。なんというコレクター潰しの規格!ゆえに☆評価は一つ減じてしまうのである。

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