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マーラー(1860-1911)

SACD マーラー:交響曲第6番『悲劇的』、第4番、第10番〜第1楽章、第3楽章、R.シュトラウス:家庭交響曲 ジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団(3SACD)

マーラー:交響曲第6番『悲劇的』、第4番、第10番〜第1楽章、第3楽章、R.シュトラウス:家庭交響曲 ジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団(3SACD)

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    tensor  |  神奈川県  |  不明  |  2021年08月03日

     ジョージ・セルのマーラーの交響曲の録音はここに収録されている以外、9番、大地の歌があります。レコード化用に録音されたのは第4番だけのようです。他はすべてライブ。着実にマーラーをレパートリーに加えていたのではないでしょうか。70年に亡くらなかったら、もっと録音されていたのではないかと残念です。ライブ録音はたぶん放送用だったのでしょう。音が悪いですが、それでも残っているだけ、よかったと思います。セルはCBSと契約していたのでしょう。50年代以降、録音がCBS以外は少ないです。そしてCBSの録音はよくなく、安いステレオでも聞きやすいようなバランスが崩され、ダイナミックレンジが圧縮されているようです。他の指揮者のCBS録音もそうですが。そのせいで演奏のイメージが世間では偏向されているような気がしてなりません。  セルの演奏は、緻密で特に手兵のクリーブランド管との演奏は驚異的なアンサンブルを誇ります。どの録音でもそうです。そうして、各曲を的確に読み込んで表現しています。そして言われているよりはダイナミックな演奏だったのではないかと思ううです。録音ではわかりませんが。デッカに録音していれば...  第4番は、マーラーでは、室内楽的ともいえるほどの曲で、聞こえるよりもスコアの段数が少ないので驚きます。セルの演奏は克明で、おそらくマーラーが期待した通りの音を作っているのではないかと思います。ただ、現代の演奏と比べるとちょっと違うところがあります。たとえばアバドの演奏と比べるとアバドの方が絶妙なテンポ取りに比べると平板な気がします。でもマーラーの譜面にはそのような指定はないのです。この演奏がいわゆる“マーラールネッサンス”以前であることは注意すべきと思います。しかしながら、世界の指揮者のこの曲の演奏スタイルを確立する礎になったことは想像に難くありません。  第6番は最大規模4管編成の曲で、うまく鳴らせるだけでも大変なのでしょう。マーラー自身も初演後手直しをしています。セルの演奏はもはや模範的なものになっています。音の作りもベストです。録音が悪いのは難ですが。ともすれば、セルの演奏はともすれば楽譜を丹念に音にする即物的な演奏と言われることもありましたが、そんなことは全くありません。たとえばよく演奏される曲でも、聞いていてハッとするところが至る所にあります。この演奏も気づかされるところが多々あります。そして、最初から最後まで緊張感が途切れるところはありません。そして、ライブにもかかわらず、演奏に傷はなく、やはり抜群のアンサンブルを保っています。この曲の演奏では珍しく、第1楽章の提示部の反復をやめています。古典派より後の曲で反復が省略されることはないのが普通ですが、セルは古典派を含めて反復はしないことを原則としています。ベートーヴェンの「運命」さえ反復していない録音があります(もっともこれは編集された跡が聞こえ、本人の意図通りなのか不明)。これの賛否はわかれるでしょうが、少なくとも不自然には聞こえません。それから、スケルツォ楽章の主部のテンポが遅めですが、概してセルはそういう演奏をします。おそらくスケルツォは舞踏的性格を持つという信念があるのでしょう。逆に緩徐楽章は少し速めにすることが多く、緊迫感を保ちます。この演奏もそうです。とにかく、最初から最後まで、緊密に有機的な演奏になっています。  第10番の録音が残っていたことは興味深いです。これが1958年の録音というから驚きです(本当?)まだクック版第1稿第1稿出版、初演より前ということになります。第1楽章とプルガトリオは補筆にはあまり関係ないかもしれませんが。セルは新しいものにも興味を持っていたのでしょう。とにかく緊密な演奏で、あのトーンクラスタ的不協和音がなるところの衝撃はすごいです。ぴったりと息があっており、強奏がいきなり来ます。  R・シュトラウスの家庭交響曲の演奏はもちろん素晴らしい。複雑なオーケストレーションを難なく音にしてます。セルはシュトラウスの弟子筋にあたるため、R・シュトラウスの演奏は特にもてはやされていました。  

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