LPレコード

交響曲選集、ほか ヴァント&ミュンヘン・フィル(10LP)

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
KKC1001
組み枚数
:
10
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
LPレコード
その他
:
限定盤

商品説明

キングインターナショナル創業20周年記念企画
ヴァント&ミュンヘン・フィルの貴重な遺産
ブルックナー 交響曲選集が重量アナログ・ディスクで登場!


ベストセラーとなった独PROFILレーベルのヴァント&ミュンヘン・フィル・シリーズから、ブルックナーの5曲をまとめてアナログ・ディスクで発売する大型企画。ボーナスとして、初出のハイドン交響曲第76番が収録されるのも注目です。
 アナログ・ディスク化にあたっては、新たに24bit/96kHzのニューマスタリング音源を使用し、内周歪を解消するため1面1楽章でカッティング、5曲で19面(LP10枚)を使用、最終面にハイドンを刻んでいます。
 作業の監修には、あの《スーパー・アナログ・ディスク》の高和元彦氏があたり、カッティングはJVCマスタリングセンターの名エンジニア、小鐵徹氏が担当して万全を期しています。
 また、10枚のディスクは帯電防止処理が施されたハードジャケットに収納され、それらがシリアル・ナンバー入り豪華カートンボックスに収められるというコレクター仕様となっているのも大きなポイントです。
 なお、この商品は予約受注生産の限定品で、メーカーの予約締切日は2010年11月末日となっており、発売は2011年1月中旬の予定となっています。

【収録情報】
Disc-1, Disc-2
・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』
 収録:2001年9月13,14&15日、ミュンヘン、ガスタイク(ライヴ)

Disc-3, Disc-4
・ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調
 収録:1995年11月29日&12月1日、ミュンヘン、ガスタイク(ライヴ)

Disc-5, Disc-6
・ブルックナー:交響曲第6番イ長調
 収録:1999年6月24日、ミュンヘン、ガスタイク(ライヴ)

Disc-7, Disc-8
・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
 収録:2000年9月15日、ミュンヘン、ガスタイク(ライヴ)

Disc-9, Disc-10 A面
・ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
 収録:1998年4月21日、ミュンヘン、ガスタイク(ライヴ)

Disc-10 B面(ボーナス)
・ハイドン:交響曲第76番変ホ長調Hob.I-76
 収録:1999年6月24日、ミュンヘン、ガスタイク(ライヴ)
 
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 ギュンター・ヴァント(指揮)


CDについての批評を抜粋掲載
連載 許光俊の言いたい放題「ヴァントとミュンヘン・フィル」から

 ミュンヘン・フィルは、ヴァントが最晩年に至るまで指揮し続けた楽団だったが、ヴァントとミュンヘン・フィルの監督チェリビダッケは得意とする曲が相当重なっていた。チェリビダッケが存命中のミュンヘン・フィルでは、彼がブルックナーやブラームスなどのドイツものを振り、他の客演指揮者たちには彼が指揮しないマーラーだとか現代音楽だとかをあてがわれているという様子が濃厚だった。あくまでチェリビダッケがメインで、それ以外の指揮者たちは空白を埋める程度の存在感でよしとされていたのだ。
 しかし、ヴァントだけは例外だった。彼だけはブラームスやシューベルトなど、チェリビダッケも得意としている曲を定期演奏会で取り上げることができたのである。もちろんブルックナーも。ヴァントの演奏はチェリビダッケとはまったく方向性が違っていたが、やはり評価はきわめて高かったのである。
 今回発売される第8交響曲は、ヴァント最晩年の演奏だ。チェリビダッケ亡きあと、ヴァントはこの楽団と1年にひとつずつブルックナーの交響曲を演奏した。第9番、第6番、第8番、第4番である。これらはみな実にすばらしい演奏だった。むろんヴァントもすごいが、オーケストラがブルックナーをやりたくてしかたがない、好きでたまらないという様子がありありと伝わってきたのだ。その積極性は、北ドイツ放送響にもベルリン・フィルにも見られないものだった。
 第8番でもそれが如実にわかる。特に第3楽章だ。オーケストラが作品に惚れ込んでいるのがよくわかる。美しく歌いたくてしかたがないのだ。だから、普段のヴァントの演奏ではあり得ないような陶酔的で恍惚とした音楽になっている。もっと禁欲的なのがヴァントとも言えるのだが、これはこれで絶大な説得力がある。この楽章に関して、史上もっとも美しい演奏のひとつだ。
 フィナーレも圧倒的。普段ハース版ではやっていなかった楽団だけに、この版独特の箇所ではちょっととまどいが感じられるのがご愛敬だが、これまた曲を熟知しているのがひしひしと感じられる。とにかくリズムや旋律や響きのいちいちが「こうでなくては」という確信に満ちている。最後のコーダも完璧と言っていい。はるか彼方に向かってじりじりと肉薄していくものすごい精神力。こんな演奏を知ってしまったら、昨今の演奏など歯牙にもかけないのはわかりきったことなのだ。
 第1、第2楽章では今ひとつ緊張度が足りないが、第3楽章を境にどんどん音楽が張りつめていって圧倒的な結末に至るという過程は、まさにライヴならではの感興に富む。ブルックナーを聴く至福を感じさせるCDとして、強力に推薦できる。
 録音はたいへん明快。EMIのチェリビダッケと同様、マルチマイクの近接型である。それゆえ、細部はよくわかるが、ヴァントならではのすばらしいバランスはやや感じにくい。実際のホールでは、ヴァント自身はそう言われるのをいやがるかもしれないが、確かにパイプオルガンのような壮麗にして透明感ある、しかも官能的なまでに美しい響きがしていたのだ。とはいえ、これだけの演奏がこれだけの音質で発表されるのなら、特に文句を言いたいとは思わない。

 第9番は局部強調型の録音ではない。逆にホールの残響がかなり入っている。それゆえ、細部をほじくるようなオタク的聴き方には向かないが、演奏全体にみなぎる緊張感、力感といったものははるかによく伝わる。始まってすぐ、最初のフォルティッシモの凄絶なこと。そのあと甘美な主題が登場し、至純の音楽がとうとうと流れてくる。こういう音楽の起伏は、細部強調型録音では破壊されてしまうのだ。
 楽器のすばらしいバランスもよくわかる。オーケストラ全体で作り上げられる響きの透明感と重たさもよくわかる。たとえば第3楽章15分過ぎからずっと続いていく楽器の移りゆきの美しさ。こういうのは細部強調型録音では絶対にわからない。なぜ同じホール、同じオケでこれほど録音に違いが出たのか、まったく訳がわからないが、結果的には、第9番がこういった音質で残されたのは非常に喜ばしい。
 同じく第3楽章18分過ぎからの息の長いクレッシェンド。この1分を超える長いクレッシェンドはやがて凶暴な音塊へとたどりつく。放送録音ゆえ、物理的なダイナミックレンジはそれほど広くない。だが、全体の印象を捉えているために、ここの緊張と爆発が手に取るように伝わってくる。もちろんクライマックスのすさまじさも。ヴァントならではの強音だ。
 もちろん第3楽章全体がたいへんな聴きものだ。天上的なやさしい美しさ、それと対照的なすべてをなぎ倒すような暴力的な咆哮。激しい嵐のあとの明るさのようなコーダも感銘深い。レガートで弾き続ける超美しい弦楽器、そこにかぶさってくる柔らかい抱擁のような明るいホルンの響き。フルートのしみじみした歌い方。これこそが音楽というものである。
 これを聴けば、なぜ私がヴァントとベルリン・フィルのブルックナー演奏を、第5番と4番を除いてはけなし続けたのか、誰にでも納得がいくはずだ。とにかくここでのミュンヘン・フィルほどオーケストラがブルックナーを演奏できる喜びを露わにしている例も少ないだろう。楽員はブルックナーが弾けて嬉しくて嬉しくてたまらないのだ。ブルックナーが大好きでたまらないのだ。それに対し、ベルリンの場合、ただ物理的な音が鳴っているだけなのだ。ただのピアニッシモ、ただのレガート、ただの旋律、そんなのがつながっているだけだ。もしベルリン・フィルが凡庸で無能なオーケストラなら私はそれほど文句を言わない。だが、超一級の楽団であり、ヴァントとともにブルックナーの第5番というものすごい演奏をやってのけている。そんな連中があまりにも鈍感で無感動な演奏をし続けたことに対して私は憤りを感じたのである。しかし、ここでのミュンヘン・フィルは違う。まさに曲にのめり込み、一体化し、曲を生きている。楽員が夢中になって演奏しながら音楽に感動している様子がひしひしと伝わってくる。
 全体に実にいいテンポで運ばれる。ヴァントらしく基本的にはやや速めのすっきりした進行で、ネチネチ粘ったりはしないけれど、そっけなさやドライすぎる感じはしない。ヴァントっぽいリズムの刻みが生きている。重量感を保ちつつ、鈍重でなく、緊張感も途切れない。音楽は快調にどんどん進んでいくが、どの部分も密度が高いので、物足りなさやあっけなさがない。
 北ドイツ放送響の演奏は確かに立派だが、まじめすぎて息が詰まるという人には、南ドイツのオーケストラならではの耽美的で快楽的な表情、色気、甘美な味わいは好ましく感じられるはずだ。印象的なことをひとつ記すなら、全体にディミヌエンドが異常に美しい。単に音量が減少するのではない。なんともいえない、詩的と言ってよいような余韻を伴っているのだ。
 話が前後したが、当然第1楽章もすばらしいが、細かに指摘すると切りがない。最近流行のような変な小細工などまったくない。差異のための差異、そんなものは必要ないのだ。音楽は当たり前のようにひたすら堂々としており、威厳があり、品格があり、流麗であるわざとそっけなくするようなところはまったくない。媚びもない。ひたすら麗しくも感動的な音楽が次々に生まれては消えていく。ヴァントの演奏としては他のオーケストラといっしょのときのほうが徹底しているのではないかとか、ミュンヘン・フィルの演奏にはチェリビダッケの影響が残っているのではないかとか、いろいろ言うことはできるだろう。だが、それは私にとってはどうでもよいことだ。
 この曲にはいろいろ魅力的な録音がある。が、もしどれか1枚だけ買いたいという人がいたら、私は間違いなくこれを薦めるだろう。やはりヴァントはすごかった。そして、ミュンヘン・フィルもすばらしい音楽をした。改めてこの両者に深い敬意を捧げたい。

 ところで、第6番の日はヴァントお得意のハイドン交響曲第76番が最初に演奏された。これがまた超絶品だった。こちらはCD化されないのだろうか。

(きょみつとし 音楽評論家、慶応大学教授) 

ユーザーレビュー

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定評のあるヴァントのミュンヘン・フィルの...

投稿日:2010/09/30 (木)

定評のあるヴァントのミュンヘン・フィルのブルックナーがなんとアナログで登場するとは大歓迎! BMGに録音したベルリン・フィルよりは、アナログの特性を生かし彫の深い、温かみのある音が堪能できそう。そして、発売前に期待をいやが上にも膨らませるのは、監修が高元氏が担当していることだ。あの有名な「スーパー・アナログ・ディスク」シリーズで腕の凄さを見せつけてくれた。高価なオリジナル盤を上回る音質を誇り、素晴らしい仕事を為された。演奏良し、音質良しでこれは生涯の財産になるだろう。

ドンナー さん | 神奈川県 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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