10点では足りない。 シベリウスの第4楽章終盤の弦から放射される音の、否音楽のシャワー。その神々しさを存分に味わうべし。一瞬のうちに私たちは大宇宙のさんざめく星たちの世界に連れ去られる。とにかくこのディスクは音楽の力のすべて、音楽の魅力のすべてを与えてくれる。これは史上最高の音楽の記録だ！フルトベングラーでも敵うまい。

今聴きなおしても、凄い演奏会だと言うのが実感される。文句なし。他の公演とりわけ英雄と売られた花嫁は発売されないのだろうか

2枚組で高く、迷いながら買ったが大正解！セルへの認識不足(スタジオ録音のみを少々体験)を思いっきり痛感。カラヤンがセルと日本で会った時、マエストロと呼んだのも納得。40番も勿論名演だがシベリウスは更にそれを上回った。フィナーレの神がかった崇高な高揚感は空前絶後！アンコールに至っては言語無用！

全てが完璧ですが、その中でもシベリウスのラスト数分は、オケの各メンバーがそれぞれに私（聴衆）の体めがけて、光の矢を放っているようで、震えがきました。聴き終わって、幸せな気分になりました。ジャケットのセルの表情がまた最高！

セルといえば、冷徹、完璧主義、というイメージを持っていましたが、浅はかだった。このシベリウスには、形容する言葉もない。こんなに深く感動した演奏は、何年ぶりでしょうか。完璧、でも熱く、魂を揺さぶられる演奏。一生ものの宝を見つけた気分です。

日本でも、セル＆クリーブランドの愛好者のＨＰがたくさん 作られています。この演奏も最高に評価されていますので、 こちらから、リンク先をご覧になってください。 http：//www.asahi-net.or.jp/~fq3k-hsmt/szell/szell01.htm?

私は、この日の演奏会場におりました。この演奏会での感動は今でも はっきりと覚えています。ＮＨＫの放送をエアチェックしたものを、 何回も聴いていました。それが、ＣＤ化され、広く紹介されるのは、 とてもすばらしいことだと思います。

１９７０年といえば、カラヤンーベルリンフィルが世界最高のオケで最高の演奏を聴かせてくれるものだと思っていました。事実、音楽誌やマスコミもそういう雰囲気でした。しかし、実際にテレビ放送を見て、まぎれもなく凄い演奏を聴かせるオケであり指揮者でありました。いわ