まず最初に、HMVで注文をしても入手困難でしたので、海外から取り寄せたことをお断りしておきます。 バス歌手によるトスティの歌曲集なので、最初はやはり調が低いなと感じますが、上品な美しい声で歌われており、また選曲も良く、手に入れることが出来て良かったと思いました。

1875年にロンドンにわたって大成功を収め、後にはイギリス王室の声楽教師にまでなったサー・フランチェスコ・パオロ・トスティ。 普段ほとんど触れることの出来ないトスティの英語の作品が、ここに凝縮されています。英語になっても、トスティのメロディは生き生きと流れています。トスティファン必聴です！

まだこのアルバムが入手できたことに感謝。トスティの生誕150周年、カレーラスの大病克服という意義深いコンサートということもあって、ソプラノやアンサンブルの共演もある華やいだ時空を味わうことができる。個人的に言えば、70年代末にミュラー＝イギリス室内管をバックに歌った当時のPHILIPS盤の”生きの良さ”こそカレーラスだと思ってきたが、それより落ち着いた雰囲気の当盤もまた別の良さがある。いい企画、いい演奏のCDである。ウィーンでの白熱したコンサートのライブだから拍手は当然だが、それにしても19曲すべて拍手つきだとさすがにうるさいかなぁ。