10-FEETのあの日、あの時 9
Friday, January 18th 2013

遅ればせながら、みなさん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。今回が新年第1回目の更新となる。
メンバー各自、この言い方を好まないことは連載前回に書いたとおりだ。が、しかし、事実は事実だ、あえて使うことにする(笑)。4thシングル『nil?』(2003年)と2ndアルバム『REALIFE』(2004年)発売で、10-FEETはメジャー・レーベル・レコーディング・アーティストの仲間入りをし、いわゆる“メジャー・デビュー”というものも無事済ませた。それから少し経った2004年10月、バンドキャリア初の映像作品が続いた。『OF THE KIDS, BY THE KIDS, FOR THE KIDS』が、それだ。このタイトルはバンドのまさにスローガンそのものであり、ある意味精神性でもある、とても大事な想いが込められている。訳す必要なんてないだろう、字面のごとくの意味だ。実はバンドはこのスローガンをごく初期の頃から掲げている。デビュー・マキシ・シングルとなった『april fool』(2001年)以降、途中までマキシとアルバムそれぞれのジャケ表面のタイトル下、もしくは上に必ず描かれているのだ。そして、これまでに単体の映像作品を5作出してきているけど、そのタイトルはこのスローガンで通している。TAKUMA(vo,g,key,blues harp)が言う。
「初期の頃からずっと言ってることなんですけど…新しいことをやっていくことも半分大切やけど、それまでにやってきたことを引き続きやっていくっていうことも半分大切やと思うんです。新しいことをやっていくことと、定期的に続けてきていることの間には当然、違いがあって。同じものをずっと使ったり、続けていったりすることって基本1回、ワンチャンスしかない。同じものを使い、以降ずっとこれやってますっていうのは1回止めたらそれまでなんやっていう意識があるんですね。そういうのって、たまにあるじゃないですか。食品メーカーの商品でもブランドの服でも。で、その過程においてはいいときも悪いときもある。“今あれ着てるとダサいよね”なんてなっても後にそれがヴィンテージ化してカッコいいとか、たくさんあると思うんです。1回止めたら“これね、作ってからずっと名前変えてないんですよね”って言えない。ちょっとオジン臭いですけど、そう思ってますし、よく言ってました、このバンドを始めたときから」
そのスローガンに関しては、TAKUMAはこう続けた。
「『OF THE KIDS, BY THE KIDS, FOR THE KIDS』には“いつ何時もファンを大切に”という想いがあります。たぶんその想いがなかったらボクたちは途中で変わってたかもしれないし、常にあったから映像作品に限らず、CDとかでもジャケとか目立つ場所にほぼ入れてきた。この言葉からなにかを感じてほしい、っていう想いもあるんで」
前にも書いたけど、この連載をスタートするにあたり、バンドに長時間の取材をした。それはトータルで通常の1回の取材時間のゆうに5、6倍にも及んだ。その最中3人の発言に何度か共鳴することがあった。TAKUMAの言った「いつ何時もファンを大切に」というのも、そのひとつ。言うのは簡単だし、むしろ誰でも言えることなのだけど、TAKUMAもNAOKI(b,vo)もKOUICHI(ds,background vocals)も言うだけじゃなく、それを前々から常々実践している。それは取材中の発言や、ライヴ前後の楽屋裏でのメンバー間の会話や動きなどから垣間見ることができる。そういったところがみんなに一番ダイレクトかつストレートに伝わるのが、ライヴ中のTAKUMAのMCだと思う。音楽やライヴはもちろん、自分はそういった彼らの人間としての、また男としての優しさ、温かみ、まっとうさなども大好きだ。そしてそういう面は間違いなく、歌詞や音楽にも表出している。だからこそ、彼らの歌詞、音楽は聴く者の耳を捕え、心を打ち、身体を突き動かして止まないのだ。
1stアルバム『springman』(2002年)発売後、それまで以上にツアー期間が長くなったわけだけど、その傾向はメジャー・デビューしてからより強まったことは言うまでもない。その合間を縫いつつバンドは曲作りをし、歌詞を書き、レコーディングもした。そうしたプロセスを経て完成したのが、3rdアルバム『4REST』だ。5thマキシ『HEY!』(2004年)と6thマキシ『BUZZING』(2004年)発売を挟んで、2005年5月に発売された。今もなおライヴ時のセットリストに組み込まれる頻度が高いタイトル・チューン「4REST」や「VIBES BY VIBES」などが収録されている作品だ。『4REST』のタイトルを切り出すや、3人の話はこう進んでいった。
KOUICHI 「それまでの音源に比べたら、いろんな面でストレートになってきたかな。だけど、それはあくまでもストレートであって、決してわかりやすくなったわけではないけど…。あの当時はなんか新しいもの取り入れようっていう想いが強い時期やったと思う。今でもそういったところはありますけど、当時の方がその度合いが強かったような気がするなぁ」
TAKUMA 「『REALIFE』『4REST』、そして次の(4thアルバム)『TWISTER』(2006年)の3作は…KOUICHIも言ったとおり、旅してたな。“わぁ、音楽って面白いねんな”って思いつついろんなことを試したり、経験したり、広げたりしてた時期やった。もちろん、それまでやってきたことを自分たちなりに大事にしながら。“自分たちにどれだけ可能性があるんやろ?”ぐらい、自分たちにとって遠いものでも手にとってみてたし。その時期なくして、今はないですね。その後の(5hアルバム)『VANDALIZE』(2008年)と(6thアルバム)『Life is sweet』(2009年)と、(7thアルバムの)新作『thread』(2012年)では、その頃よりさらにストレートになっているんですけど、そのなかにもそれまでに学んだ広さや、少なからずとも新しいことっていうのがどこかしらにある。決して落ち着いたり、“もうこれでいいんじゃないの?”って思っているところは皆無で」
収録曲の1曲「Be Nothing」。サビで思いっ切り明るさを振り撒くけど、10-FEETの曲でもっともファストでヘヴィでアグレッシヴなチューンだ。TAKUMAが神と仰ぎ、師とリスペクトするMETALLICAのジェイムズ・ヘットフィールド(vo,g)からの影響が包み隠すことなく開陳されている。今作発売の前年の2004年12月、あのゴジラのシリーズ最終映画『ゴジラ FINAL WARS』が劇場公開された。それに合わせて、『G.Lasts…tribute to GODZILLA 50 th』とタイトルされたトリビュート作が発売されたのだけど、劇中挿入歌となったSUM 41の「We’re All To Blame」などとともに「Be Nothing」も、そのトリビュート作に提供された。まさにゴジラの、そしてその映画のイメージにピッタリな曲だ。
ちなみに、今回ヘッダーで使ったアーティスト写真は『4REST』発売時のオフィシャルのものだ。
10-FEET関連タイトル

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■■■ 有島博志プロフィール ■■■
80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
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同時連載中の「あの日、あの時」シリーズ & GrindHouse × HMV
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