【全曲解説】QUADRATUM From Unlucky Morpheus『Loud Playing Workshop』

2021年02月25日 (木) 18:00

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全曲解説テキストby 仁耶(Gt) 小川 洋行(Ba) FUMIYA(Dr) Jill(Vn)

1. Far Beyond The Sun


アルバム冒頭にもってこいな破壊力。「ネオクラシカル」だけあって、主旋律はヴァイオリンが映えますね。ギターはキーボードパートを担当。(仁耶)

王者の曲で幕開け。インギーのヴァイオリンのようなギターの旋律をヴァイオリンに戻したようなアレンジ。(小川)

ミドルテンポなのでビート部分はスネアをやや後ろ目に意識しドッシリ感を出し、時折出てくる詰め込み型のフィルインでスピード感を出すようにしました。(FUMIYA)

前々から私が是非演奏してみたかった名曲であり、そして強烈に破壊力のある楽曲で印象的なアルバムの幕開けになったのじゃないかと。元々クラシックから影響を受けた音楽を、ヴァイオリンでカバーし直すという挑戦的な試みでしたが、これがヴァイオリンには弾きやすいとは到底言えないフレーズの連続で、めちゃくちゃ苦労しました。とにかく速い!(Jill)


2. The Dance of Eternity


ご存知、メタル界を代表する難曲。学生のときには何度も挑戦し、そして散っていきました。いつかは通して弾けるようになりたかったので、絶好の機会ということで渾身のリベンジ。(仁耶)

ラスボス。一番苦労した曲でいちいちややこしい。どんどん展開が変わってサーカスのような曲。曲を覚えるときに作曲者に意地悪されてるような感覚になりました。(小川)

原曲のリリース当時のドラマーであるマイク・ポートノイに対する最大限のリスペクトを込め、使用している機材もオクタバンやティンバレス(自分はスナッピーを外したサブスネアで代用)など、本人が使っているものに極力近付けてレックしました。(FUMIYA)

以前にも一度カバーしたことのある楽曲ですが、これも難曲ですね。キーボードパートをヴァイオリンで再現しているので、やはり物理的に無理があったり弾きづらい音型があったり技術的に難しいということに加え、頭のねじれるような難解なフレーズと拍子が混乱に導きます。でもそれが難し楽しい。(Jill)


3. Into the Arena

メタルの……というか、ロック界のレジェンド。「歴代ロックギターリフ100選」みたいなまとめにも出てきそうですね。実は昔、別のセッションでやったことがあって、久しぶりに楽しく弾きました。(仁耶)

神の曲。この曲もいろんな展開があり、最後まで飽きない構成になってます。カッコいいリフと泣きのメロディ、そしてロック!って感じ。(小川)

今作の中で一番ドラム録りに苦労した曲です。スネアのゴーストやクローズハット、タムの入れ方などが当時独特の所謂ニュアンス系なので弱い音の粒立ちの出し方に気を使いました。(FUMIYA)

冒頭のアメリカンな雰囲気のソロをヴァイオリンで演奏するのが楽しかったです。終盤のエモいメロディも非常に美しく、情感を込めて弾きました。(Jill)


4. Hundreds Of Thousands


ネオクラといえばネオクラなんだろうけど、他には無い個性を持った曲。さすがシュラプネルのギタリストだけあって、曲中での最大瞬間風速もかなりのもの。(仁耶)

褐色の王者の曲。疾走感のあるクラシカルな曲で絶対にヴァイオリンが合う曲。クラシカルな曲だけどコード進行などが独特だなと感じました。(小川)

あんきもで普段やっている曲とタイプが近いので録りもすんなりでした。原曲の雰囲気をそのまま残したクラッシュシンバルのミュートが個人的に気に入っています。(FUMIYA)

哀愁を帯びた旋律が美しいですが、実はめちゃくちゃ速い!中間のソロまでうっかり完コピしてしまいましたが、これが速いのなんの。ギターとの高速ユニゾンも見どころ(聴きどころ)です。(Jill)


5. Scarified


ギターの「スキッピング」というテクニックがこれでもか!というほど詰め込まれている曲。原曲はツインギターのハモリが美しい。今回はギターとヴァイオリンで再現しました。(仁耶)

僕の母校の元校長の曲。僕の世代のギターキッズのヒーロー的な存在で、この曲も登竜門的な曲でした。独特なリフがカッコいい一曲。(小川)

主題でひたすらキックと弦楽器がユニゾンしているので、縦のラインがしっかり合うようタイトさを意識して録りました。またギターソロ後のフィルインで32分のキックが出てくるので、合間のタムと合わせてここはきちんと分離させて各パーツが綺麗に聴こえるようにと心掛けました。(FUMIYA)

全篇にわたって、ギターとヴァイオリンのハモリのフレーズが美しく印象的な曲。バッハを思わせるようなフレーズの連続で、それがロック的な音の重ね方のハモリで展開しているのが面白いですね。この曲はテクニック的には難しい部分はさほど無く、弾いていて楽しいです。(Jill)


6. Eruption


「ヴァイオリンで完全再現できるものかな?」と思っていたけれども、できたみたいです。再現度が予想より高かったので楽しくなってしまい、「フェイザー掛けちゃいましょう!!」とか言い出したのは自分です。(仁耶)

革命児の伝説の曲。ベースがものすごくいい仕事してます。(小川)

ドラムは数えると20打未満でした(笑)。ヴァイオリンを堪能してください。(FUMIYA)

これをヴァイオリンで再現する、と決まったときは途方に暮れて、広い宇宙に放り出されたような心持ちになりました(笑)その位、どうやって再現しようか試行錯誤した曲です。が、蓋を開けてみれば、クラシックのヴァイオリンの練習曲に似たフレーズが織り込まれていたり。かなりヴァイオリンなりに原曲を表現できたのじゃないかと思います。近現代のクラシックの作曲家で「イザイ」という人の書いた「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ」という曲があるのですが、かなり楽曲の雰囲気はこれに近いものを感じます。その曲もバッハの有名なフレーズを引用して、めちゃくちゃ現代風にアレンジしたりしています。終盤のタッピングは、ヴァイオリンでは不可能な奏法なので、気合いと根性で。聴きどころです。(Jill)


7. For the Love of God

これもまた再現が難しそうと思っていた曲。ギターでも難しいのに……。 蓋を開けてみれば、エキゾチックな雰囲気マシマシの、とても良いカバーになったのではないかと。(仁耶)

奇才の曲。このヴァイオリンは本当にすごい。ギターでもニュアンスなどがコピーが難しいプレイをヴァイオリンで完コピ。一聴の価値あり!(小川)

バラード曲なのでひたすらスネアのタメを意識しています。後は粛々とビートに徹し、曲の盛り上げで数回出てくる派手なフィルインに全生命エネルギーを注入しているイメージです。(FUMIYA)

この曲もまた、ヴァイオリンで再現するのにすごく骨が折れた曲でした。一音一音にものすごく表現力があってすごく表情豊かで、情報が詰まってる。そんな音を出すためにどうしたらいいんだろう?と色々考えました。1週間くらい、寝るときもご飯食べるときも24時間ひたすら原曲をリピート再生して聴きまくって、そこから見えてきたイメージをそのまま抱えてレコーディングに臨みました。そうしたら、自然と東洋的なニュアンスの表現で、この曲の情感・表情を落とし込むことができました。あと、中盤は実はめちゃくちゃ速弾きで、テクニック的にも難しかったです。(Jill)


8. Technical Difficulties

学生のときに練習していた、僕にとっての速弾きの教科書的な曲ですね。フレーズが非常にシステマティックで、ちょっとずつ弾けるようになっていく過程にゲーム感覚の楽しさがあります。(仁耶)

またも元校長の曲。ギターキッズがコピーしたくなるようなフレーズを作るのが本当に得意な元校長。それをギターとヴァイオリンでカバーしました。また違った印象に生まれ変わって面白い。(小川)

Scarifiedと同様この曲もユニゾンの嵐なので、16分と6連の縦のラインをしっかりと合わせるイメージで録りました。途中のフィルインは原曲を大きく無視し自分の持ち味であるサブスネアやエフェクトシンバルを多用したものにアレンジしております。(FUMIYA)

これも以前から演奏してみたかった曲のうちの一つなので、今回演奏できて嬉しかったです。パズルのような、練習曲のような弾いていて楽しいフレーズで展開していきますが、中間のギターとヴァイオリンのソロは情感たっぷりで美しいですね。(Jill)


9. 17th Century Chicken Pickin'

原曲のギターの演奏では「チキンピッキング」というテクニックが使われていて、それが曲名にもなってます。Eruptionの「タッピング」同様、ヴァイオリンでは再現できないテクニックなので、根性の演奏。(仁耶)

世界最速の人の曲。ヴァイオリンフレーズなどは高速でもベースはとてもシンプル。そしてとても短い。でもテーマメロの音数は2億個ぐらいある。多分。(小川)

速いテンポのシャッフルビートなので軽快さを意識して録りました。曲の進行と共にフィルインがどんどん派手になるようなイメージでアレンジを加えております。(FUMIYA)

曲タイトルにもなっているギターの「チキンピッキング」という奏法を使った曲ですが、ヴァイオリンでは使えないので、これも気合いと根性でなんとかしました。結果、めちゃくちゃ速い!そしてカバーの都合上かなり音域の高い、ピッチを安定させるのが難しい箇所での速弾きも出てくるので、ひたすら頑張りました。(Jill)


QUADRATUM From Unlucky Morpheus『Loud Playing Workshop』

GENRE:METAL
DREAM THEATER、VAN HALEN、Steve Vai etc...
メタルの歴史に名を刻むインスト曲に真っ向から勝負した驚愕のカバー作

メタルの歴史に名を刻むインスト曲に真っ向から勝負した壮絶な内容に仕上がっている。あんきもの楽器隊4人によるプロジェクトが初のカバー作を発表。DREAM THEATERの「The Dance of Eternity」が2曲目に配置されているのだが、変拍子多めの怒濤の演奏と展開にこちらの頭が追いつかないレベルだ。全体的にはあんきもらしくヴァイオリンを前面に押し出したカバーとなり、特にVAN HALENの「Eruption」、Steve Vaiの「For the Love of God」あたりは、この楽器編成でしか表現できないニュアンスを提示。以前から技巧優れたプレイヤーの集まりであることは百も承知していたが、今作を通してあんきもの楽器陣の正確さ、表現力、ストイックな姿勢に改めて感服した。
荒金 良介 【ライター推薦】


Loud Playing Workshop

CD

Loud Playing Workshop

Quadratum From Unlucky Morpheus

(2)

価格(税込) : ¥2,420

発売日: 2021年01月27日

激ロックxHMV 2月のレコメンド

激ロック×HMV&BOOKS online vol.91

2月は、QUADRATUM From Unlucky Morpheus をクローズアップ。その他、レコメンド全7タイトルのレビューを公開。

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