カンタベリー・ロック完全版
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30ラロッカ | 兵庫県 | 不明 | 2024年03月10日
これはカンタベリーロックファンのみならずプログレファンは買って損なしです。カンタベリーロックの理解とディスコグラフィとして有用。 本書の主流はソフトマシーン、ケビンエアーズ、ロバートワイアット、キャラバン、デビッドアレン、ゴング、スラップハッピー、ヘンリーカウ。それらのメンバー。 私はイエス、クリムゾン、フロイド、ジェネシス、ELPなどのいわゆるプログレの主流は好きだが、マシーンやゴング、キャラバンにはとっつきにくさを感じていた。しかし、ブルフォードやホールズワース、マンザネラがカンタベリー一派とも交流があったりでキャラバンやゴング、ナショナルヘルス、ハットフィールドも聴くようになっていきました。リチャードシンクレアの声は、グレグレイクやジョンウェットンの声がプログレそのものと思えるのと同じで、カンタベリーそのものと感じます。キャメルをカンタベリーの範疇に入れるかどうかは本書でも触れられているが、やはりリチャードシンクレアが歌っているということで無視できないと説明されています。プログレの主流のクリムゾンについてはビルブルフォードがナショナルヘルスつながりで紹介されている。マッチングモウルつながりでロバートフリップが名前だけ出てくる。フロイドについては、ゴング、スティーブヒレッジつながりでニックメイソンが名前だけ出てくる。 本書はカンタベリーの全容というか範疇をとらえるのによいです。 カンタベリーは大分類としてはプログレの範疇であるが、カンタベリー地方で生まれ、独特の音楽性を持っている点で一つのジャンルとして確立されている。とはいえ、明確な境があるわけでもなく、本書で取り上げられているアーチスト、バンドをカンタベリーと思えがいいことと。私的にはロックからジャズに接近した一派、ただしジェフベック一派とは異なる流れのものと考えています。 本書の責任編集者は和久井光司氏。ヤングパーソンズガイドトゥプログレッシヴロックという本(1999年発行)を持っているのですが、和久井氏はその本でもカンタベリー関係のディスクを一部解説されておられる。その中でジョングリーブスのSONGSを一生ものの名盤と評されておられ、それにつられて私はそれを購入。しかし、どこが一生ものなのかわからなかった。だけども、今聴いてみるとそう言われるのもわからなくはないという印象です。これはどういうことかを考えてみると、以下のようなことではと思います。中高大学生時代にロックファンではあるがカネが無く、ロッキングオンやフールズメイト、ミュージックライフ誌でどのアルバムが名盤であるとか貴重盤であるとかの情報を得てもそれを買って聞くカネが無かった。社会人になってやっと買っても仕事や家庭に追われゆっくりかみしめて聴く時間がない。CDプレーヤーという便利な機械もあり、昔は腰を据えてLPで聴いていたのがCDですっ飛ばすように聴くようになり味わうような聴き方をしなくなってしまった。それが、退職して少し時間の余裕ができて味わうように何度も聞きなおす余裕が出てきた。ということではないかと。 ということで、買うには買ったがろくに聴けていなく、棚に山積みにされている2000枚くらいのCDをこれから、本書のようなディスコグラフィを片手に聴いていこうと思う。 本書は、プログレファンにはお薦めです。カンタベリーロックが今後大きく変わるとは思えず、本書をカンタベリーロックの集大成と捉えてよいと思います。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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