高橋幸宏

SHM-CD Fate of Gold 【限定盤】(SHM-CD)

Fate of Gold 【限定盤】(SHM-CD)

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    69 96  |  不明  |  2009年01月14日

    '95年発表。齢を積み重ねていくことが"重み"だとは思わない。むしろ積極的に軽やかになりたいと願う自分にとって、高橋幸宏の本作は「さえない気持ち」なんて曲すらさわやかに響いてしまうのだ。せつなさや胸の痛みや空しさだって、少し大仰に言わせてもらうなら生きている証明にすぎないわけで、ネガティブな感情をうっちゃって、明るく元気になんてツマラナイではないか。不自然なまでの幸福追求型ポップスにうんざりさせられることも多い今頃、愛や恋からキチンと距離をおいた男の歌がシックリくるのはしごく当然のようにも思われる。けれど、このアルバムは冬の日だまりのような温度と眩しすぎない陽光に包まれている。その心地良さは、たとえばなんでもない日にふっと感じる幸福感に似ているのかもしれない。 ベテランなどと呼ばれるのは決してうれしくないだろうが、ある種変わらない芸風で歩んできた人ゆえの位相がここにきて強みになっている。竹中直人に提供したCのおかしみなど、この人でなくてはかもしだせない類のものだし、Eの哀愁も幸宏節といってもいいだろう。スカパラ、ICEの真由美嬢、MALFICEなど、年下組とのコラボレーションもスパイスがピリッと効いていて、若いモンに歩み寄った感がないのが良い。消費者スピードに歩みを合わせるのもまたひとつのポップスのあり方だけど。気に入ったコートを長く大事に着ていくようなこの人の姿勢が好ましく、また男らしく映るアルバムでもある。そういう発見がポップスからできるのも自分には齢をとる喜びなのだ。

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