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スノードロップ さんのレビュー一覧 

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     2021/09/10

    とにかく当盤の目玉はベト8!磨き切った大編成オケと、その美質を最高に発揮するために採られた遅いテンポによって、この愛らしい曲が空前絶後の巨大スケールを獲得し聴き手に迫る!最初の一音から他とはまるで違う。厚みと透明感を両立した当時のチェリ/MPOにしか成し得ないこの音!殊に印象的なのはティンパニで凄絶さの限りを尽くす。のっけから凄いが徐々に熱を帯びていき第1楽章展開部以降の鉄槌の如き強打には戦慄を覚えるほどだし、第4楽章ではトレモロと8分音符の違いがハッキリ分かるなど、伝説的名手ザードロ氏の妙技をこれでもかと堪能できる!録音も生々しく優秀!7番もチェリらしく細部まで磨いた美演だが、8番程印象に残らない。

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     2021/07/21

    なんと言っても、ハイティンクと組んだブルッフが至高の超名演!パールマンのソロも、ハイティンク率いるACOも、いつになく燃え上がっており凄絶。第1楽章など地鳴りのするような豪壮なオケ(Timpメチャ巧い!)と鮮血迸るようなソロの掛け合いは手に汗握る!あまり話題にならない録音だが、我が家のライブラリの中では今のところ最高位。ベートーヴェンの方は、ジュリーニ/POの大河の如き伴奏を得て豊かに歌い上げ、スタイルは違うがこちらもブルッフに劣らぬ名演と思う。デジタル最初期のEMIながら、音質も悪くない(当方ARTリマスタ盤所持)。

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     2021/07/20

    このアルバムの存在をつい先日まで知らなかったが、曲目が大好物ばかりなので飛びついた。まずダンテは幾分荒削りなオケをグイグイ引っ張っていく快演で、前のめりのテンポの中で各パートを豪放に鳴らす。またラストが最強音で終わる改訂版のためより一層強烈な余韻を残す。これぞ怪人アーロノヴィチの面目躍如!リエンツィも同様に、豪壮に高揚する熱演。そして目玉の法悦の詩は…ダンテ同様、豪快なドライヴは魅力だが、肝心のTpが頼りないのと弦にもう少し色気が欲しい(我が最愛のスヴェトラ/フランス国立管はその点でやはり敵う者なし!)。最後の凄絶なcresc(アーロノヴィチ編合唱付き!)で挽回するものの、やはりオケにはもう少し指揮に応えるだけの技術とパワフルさが欲しいと言うのが正直なところ。音質は3曲ともに自然なプレゼンスで優秀。

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     2021/07/19

    抒情交響曲といえば、刷り込みもあってやはりこのマゼール盤。ソリッドなBPOと、F=D夫妻の強力な歌唱が相まって圧倒的迫力!冒頭から激しく燃え上がる最強金管軍とフォーグラーのTimp、そして飛沫を上げるような弦楽合奏と、まさに当時のBPO特有のサウンド!シノーポリやシャイーに比べてかなり硬質な印象だが、他にないこの豪快な響きが何よりの魅力で病みつきになる。冒頭楽章だけでなく、第2楽章なども非常に強烈痛快でインパクト絶大。録音状態について指摘があるが、たしかに音量レベルはやや低いものの、レンジも広大で、豪快なフォルテから消え入るようなピアニッシモまでしっかりと捉えており優秀。1981年というデジタル初期の録音としては最上と思う。

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     2021/03/03

    アバドのベートーヴェン録音の中でも特に優れた名盤。分厚いBPOを存分に鳴らしつつ、威力的なだけに留まらせずアバドならではの流麗な歌心に溢れたなんとも魅力的な名演。まずエグモントは序曲からして奔流のようなエネルギーの放出がきわめて爽快だし、木管の扱いの巧さはアバドならではで目を見張るものがある。レオノーレも熱演だが、目玉はやはりキーシンを迎えた合唱幻想曲だろう。声楽陣はもちろん、熱く唸り上げるBPOを冴えたタクトで見事にまとめるアバドの才気といい、堂々の貫禄でオケと渡り合うキーシンといい、完璧と言って差し支えない。終盤に向けての凄まじい高揚感はまさに第九にも比肩しうる圧倒的なもの。シャウシュピールハウスでの収録で、普段のフィルハーモニーでの録音よりも美しく音質優秀。余談だが、映像が残っているので何とかソフト化されないだろうか・・・

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     2020/11/11

    正規発売されたカラヤンのベートーヴェン録音の中では、特に強烈なインパクトを受けたもの。それはやや特殊な録音状態にもよるのだろうが、非常に速いテンポと筋肉質のBPOサウンドがもたらす肉体的快感は他に代え難い。特に第5番は凄絶なまでの迫力を示す低音(特にテーリヒェンのティンパニ!)の痛快な音響に痺れる!荒れ狂う終楽章の轟音は他の録音では決して聴けない。田園も弦主体に基本しなやかながら嵐の場面は激烈な落雷で衝撃的。一方の第2楽章や終楽章における歌い込みも十分で、一部で言われるような急いだ印象はあまり無い。音質は若干ぼやけ気味ながら意外な程聴きやすく十分鑑賞に耐えるレベル。

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     2020/05/02

    ワインガルトナーといえば指揮者としてのイメージが強いだろうが、作曲家としても実に魅力的。CPOからは交響曲全集をはじめとした管弦楽曲シリーズや室内楽曲シリーズが出ているが、どれも王道ロマン派というべき分かり易く耳馴染みのよい作品ばかり。中でも当盤のメイン:ピアノ六重奏曲は冒頭から全曲にわたって憂いを帯びた魅惑的な旋律が横溢し、実にロマンティック。個人的にはもっとロマン濃厚・劇的で迫力満点のゼクステット・ウィーン盤が好みだが、アンサンブル・アフトは速めのテンポですっきりと纏め上げめおり、初めてこの曲に接する聴き手にも親しみやすい仕上がりだと思う。八重奏曲は管楽器も参入しさらに重厚だが、あまり重苦しさを感じさせず爽やかに聴かせる。

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     2020/04/27

    シューマンはセブンシーズ盤で親しんできた演奏だがようやくAltus盤を入手、期待の音質は勿論Altusに軍配。F特では高域の伸び。Dレンジも拡大。透明感up。全体バランス&歪感も良好。そして各楽器の分離・立体感なども申し分無しで、怪物的な金管の咆哮もリアルに浮かび上がる。演奏については既に語り尽くされたものだが、クナらしく巨大なスケールで自由自在にやりつくした内容で当時のVPOならではの艶やかな音色もたまらなく魅力的。肉厚鮮明な音質も相まってあたかも目前で黄金期VPOが演奏しているかのような生々しさ。元々我がライブラリではテンシュテット/BPO、チェリMPO(EMIのほう)などと並ぶ愛聴盤だったが音質upで益々愛着がわいた。死と変容もクナらしいゴツゴツ感が魅力。

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     2020/03/12

    音質については最も古いレオノーレはやや不安定なものの、全般には言うほど悪くない。演奏はなんと言ってもプフィッツナーが最高の超名演!まずオケの音色が極上で、しなやかな弦楽やハリのある金管に朴訥とした木管、革の張りを感じさせるティンパニ等往年のVPOの魅力が濃密に薫り立つ。そしてこの名曲の魅力を存分に引き出すフルトヴェングラーのタクト。わずか15分ほどの間に驚くべきドラマが展開し、特に激動する三部の生々しいエナジー放射はモノラルのハンデを超越し聴き手の心を嵐の如く揺り動かす。幸い3曲中最も音質が良く、1949年のLiveだが鮮明でレンジも十分、艶やかな弦や管、轟くティンパニまで克明に捉えており良好。ブラ4は音質はプフィッツナーより落ちるが十分聴ける。演奏については今更御託を並べるまでもなく文句なしで48年盤と甲乙付け難い。

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     2020/02/08

    名門ライプツィヒSQによるシベリウスということで期待して聴いたが…確かにライプツィヒらしい品のある流麗な演奏で佳演ではあるが、踏み込みがもうひとつでインパクトに欠けるのが正直な所。アゴーギクもどこかぎこちなさを感じる。フィッツウィリアムやテンペラ等に慣れてしまって我が感覚が麻痺したか?美しい録音と名門カルテットによる堅実な演奏で耳当たりは良いが、もう一押し欲しい。若書きのイ短調の方は流麗爽快な解釈がハマり終楽章など奔流のような勢いを感じさせ中々良い。音質は明瞭、誇張なく自然体で優秀。

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     2020/02/02

    ブルックナーの弦楽五重奏曲は演奏・録音両面から見ても最高ランクの名盤だと思う。ウィーン・フィル楽員による芳醇で蠱惑的な音色と、ゾフィエンザールに拡がるその音色を捉えきったアナログ完成期のDECCAによる優秀な録音によってこの上ない耳の快感!全休符の残響の美しさなど他では聴けない。またカップリングのフランツ・シュミットのピアノ五重奏曲も、渋く重厚なムラチェクのピアノとそれを包み込む弦楽四重奏との協奏が非常に心地よい。この曲はウェストミンスター盤で馴染んでいたがDECCA盤はこの優秀な音質も相まって間違いなく同曲ベスト。あまり目立たない作品だがこうした名演で接するとなかなか聴かせる曲だと実感。

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     2020/01/26

    賛否両論カラヤンのシューマン交響曲全集。第2番は曲特有の鬱気質でナイーヴな情感は希薄だが引き締まった全盛期BPOサウンドを駆使し音響美の面から見事に聴かせ、特に随所で炸裂するティンパニ(勿論フォーグラー)に興奮、燦然と輝く壮麗なフィナーレは圧巻!得意の第4番は悪くはないが、SKD’72Live(実演の興奮と熱狂)、BPO’57Studio(若きカラヤンの滾る血潮)の名演と比べてしまうと大人しく感じられ物足りない。第1番と第3番は適当に流したような気の抜けた演奏でBPOの機能美もイマイチ発揮されておらず、カラヤン/BPO贔屓の私から見ても魅力欠乏で残念…音質は当時の同会場における諸録音と同傾向で爽やかな残響が魅力だがやや古さを感じさせる。

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     2020/01/19

    これは大当たり!サヴィニオSQは初めて聴くアンサンブルだが他のレビュアーさんが書かれている通り、エレガントでロマンを色濃く薫らせる素晴らしい弦。まず弦楽四重奏は濃厚オールドスタイルなドロルツSQやフランス風にエスプリさえ感じさせるヴィア・ノヴァの名演を愛聴していたが、サヴィニオはイタリアの団体らしくエレガントによく歌い旋律が薫り立つかのよう。ピアノトリオはこの最高の弦に、またもや初めて聴くマッテオ・フォッシなる奏者によるピアノが加わるのだがこれまた予想外に素晴らしい演奏で、プレヴィンやユボーをはじめとする往年の名演と比べても全く遜色ないどころか寧ろデリカシーと歌心は勝っているとすら感じる。第3番などややもすれば散漫になりがちな所を見事に引き締め、かつロマンチックに歌っており最高。音質も明瞭鮮烈かつ潤いも感じさせ超優秀。

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     2020/01/15

    ブル6はブルックナー作品中最も好きでクレンペラーを筆頭に数多く聴き比べたがチェリに適う演奏に今の所出会っていない。同じMPOを振ったヴァントも非常な名演だがチェリビダッケの包容力の前では霞んでしまう。まず重厚かつ澄み切ったMPOの音色!どれ程強靭なトゥッティでも全く混濁せず抜群に見通しの良い響きで驚愕。第2楽章など相当遅いがまったく弛れる事無く美しい音の綾に魅了される。また要所を引き締めるザードロ氏のティンパニも見事(特に1楽章コーダの連打!)。そしてこの磨き抜かれたサウンドを最高に輝かせる事が出来るのはやはりチェリビダッケのみ!音質は一連のEMIのチェリビダッケシリーズの中でも特に優れたものでライヴながら極めて明瞭、重量感溢れる低弦や芯のある打楽器、天空を突き抜けるような金管の輝きまで余すところなく捉えており超優秀!

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     2020/01/14

    モーツァルトはマイナーな選曲だが適度にマッシヴな表現と一気呵成の集中力で見事に聴かせる。シベリウスは更にマグマの如く熱気を放射し異質だが嵌ると癖になる濃厚凄演で、優秀なBRSOを自在にドライヴし荒れ狂う。録音状態のせいか特に低音が充実しており、唸り上げる低弦や地獄の底から湧き上がるようなティンパニがリスニングルームを揺るがす。ヤロンによるVnソロも同傾向で熱く濃く、我が最愛のチョーリャン・リン(バックはサロネン/PO)のクールな情熱とは正反対の燃え盛る熱気でムンムン!白眉は濃密なロマンを湛える第2楽章でオケ、ソロ共に陰翳濃く歌い上げ絶美!終楽章も北欧の叙情は希薄だがゴツい低弦を軸に強靭なリズムを刻み大いに熱狂する。音質は77年Liveだが肉厚鮮明リアルで優秀。

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