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ブルノのおっさん さんのレビュー一覧 

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     2021/12/09

    近頃、無性にレンミンカイネン組曲に惹かれています。まさにそのきっかけとなったのが当盤です。パーヴォはいまや世界中からラブコールを受ける稀有のマエストロですが、その才気は当盤に収められた若き日の録音にもよく表れていると感じます。「トゥオネラの白鳥」の凍てついた空気感、対して「帰郷」の凄まじい迫力、パーヴォならではのスッキリとした解釈とも相まって本当に見事です。かたや、ディスク1枚目の「クレルヴォ交響曲」は、もしかするとベルグルンド(彼の名もまたパーヴォ!)に軍配があがるかも?ただ、これに比して当盤の演奏がいささかも劣るものではなく、長大な本作を難なくまとめ上げています。そして、ディスク4枚目のカンタータ集がちょっと珍しい貴重な録音。しかし、秘曲とするにはきわめて勿体ない、シベリウスらしさが横溢する良作揃いです。とくに最初の「スネフリート」が素晴らしい。男声合唱付きの「フィンランディア」も、輝かしくも人肌温かい、聴き手の共感を自然と誘う名演といえます。

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     2021/10/10

    待望のアルバム!数年前の『花束』も記憶に新しいネトピル&プラハ放響ですが、遂にマルチヌーの真骨頂ともいえる後期管弦楽曲集を世に出しました。さすがはネトピル、近年はマーラーやスークの『アスラエル』など大規模作品を積極的に録音しているだけに、オーケストラの統制が見事という他ありません。録音も柔らかめで自然な仕上がりであり、好印象です。そして何より、曲目構成がきわめて素晴らしい。バロック風の快活な『序曲』に始まり、作曲年代順に作品をまとめて楽しむことができます。まずは『フレスコ画』。かのクーベリックに献呈され、ウィーン・フィル初演という輝かしい歴史をもつマルチヌーの一大傑作ですが、本盤は全体的に均整のとれた丁寧な演奏という印象です。過去には被献呈者であるクーベリックをはじめ、アンチェルやマッケラス、コウト、アンセルメ、アシュケナージなどの名だたる指揮者が録音を残していますので、聴き比べてみると面白いかもしれません。次に、『岩(ザ・ロック)』。録音されることはとても珍しい作品であり、ヴロンスキー&ブルノ・フィル(スプラフォン)の録音でしか聴いたことがありませんでした。本盤の演奏は内声部がよく聴こえ、曲の構造が明確に伝わってくる優れたものです。次は、『寓話』。サン=テグジュペリの小説に取材した曲ですが、それらの克明な描写というより、小説から受けた印象と作曲者自身の思索とが入り混じって反映されたような曲です。過去にはアンチェルやビエロフラーヴェクの録音で知られた作品ですが、本盤は最新録音ということで音質にも恵まれています。第3曲(迷宮の寓話)はテンポが早めで、圧巻の迫力です。そして最後の『版画』。前の3曲に比べてよりいっそう思索的・内省的な作品で、過去にはビエロフラーヴェクやヴェラーが録音しています。本盤の演奏はやはり丁寧で美しい演奏であり、ハープやマレット楽器の織り成す幻想的な響きが心地よいところです。

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     2021/06/16

    実に良い演奏です。ナクソス初期録音なのであまり期待していなかったのですが、意外にも(失礼?)良質。いかにも楽しげなラシュスコ舞曲集、熱気に満ちたタラス・ブーリバ、曲へのひたむきさが感じられるシンフォニエッタ、いずれもどこか温かみを感じるものです。確かに素朴な箇所もありますが、そもそもヤナーチェクの音楽で豪快な演奏というのも少々違和感がありますので、これぐらいが実はちょうど良いのかも。曲目も、シンフォニエッタとタラス・ブーリバという代表作に加え、中期の秀作であるラシュスコ舞曲集も加えることで、作曲家の全体像がつかめる好企画です。チェコ音楽愛好家であれば、持っておきたい1枚といえるでしょう。

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     2021/06/07

    遂に大手のCAPRICCIOレーベルにも全集が登場しました。もう知られざる音楽という範疇はとうに超えて、ポピュラリティを高めているといえるでしょう。さて、20世紀音楽としては多分にメロディアスなマルチヌーの交響作品ですが、本盤のマイスター率いるウィーン放響はこのメロディー性を大切にしながら、実に自然で丁寧な演奏をしています。音質も優秀で、音数が多く細々としたマルチヌー作品をスッキリとクリアに仕上げています。特に良かったと感じたのが5番。個々のフレーズそれぞれに抑揚があり、今までに耳にした録音の中でも特にドラマティックで感動的な演奏でした。もちろん、他のナンバーもかなりの高水準。ライヴによる全集という点でも貴重ですので、チェコ音楽、近代音楽愛好家の皆さんを中心に、広くオススメしたいと思います。

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     2021/06/07

    イタリアの印象は、まさに隠れた名曲!殊に第3曲(ロバに乗って)はきわめて優美で、単独で取り上げても良いぐらいの逸品だと思います。第5曲(ナポリ)は元々単一の交響詩であったため、組曲全体から見ると若干飛び出たような印象を受けるのですが、それはともかく、管弦楽の使い方の何と巧いこと!サン・サーンスが称えるのも頷けます。確かに、時代をこえて親しまれる類のものではないかもしれませんが、あまり演奏・録音されることなく忘れられてしまうには惜しい作品と感じます。さて、本盤のデルヴォーの演奏は本作品のおそらく代表盤といえる存在。録音は古く、音質も決して素晴らしいとはいえないものの、曲の魅力が十二分に伝わってくる、何とも愛らしいもの。低音の鳴りがよいオーディオで聴けば、一層楽しめるのではないでしょうか。是非、ご一聴下さい。

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     2020/08/22

    ウィーン・フィルが映画音楽を!何だか面白そうという好奇心(失敬!)に近い感覚で、思い切って映像付きデラックス盤(国内盤)を購入。これが実に素晴らしい。いや、敢えて別の表現をするとすれば、実に「自然」な演奏といえるかもしれません。冒頭に述べたような「あのウィーン・フィルが!」みたいな下手な物珍しさは微塵も感じさせず、ウィリアムズの音楽があたかも当然のように馴染んでいます。ある意味で、このような「自然」さこそがウィーン・フィルの最高峰たる所以なのかなとも考えます。また、ムターを独奏に迎えたことで、いくつかのナンバーがまるでクラシカルなコンチェルトのような格調高さを備えることに成功しており、この点でも、いわゆるポップスコンサートのような軽妙なもの(私はポップスコンサートも好きです)とは一線を画していることは明らかといえるでしょう。なお、CDあるいはBluray-Audioでは曲ごとの拍手が除かれており、曲の鑑賞に集中することができて良かったです。色々と述べてきましたが、とにかく一聴下さればと思います。プログラム順に通して聴くのも良いでしょうし、お気に入りのナンバーから聴き始めるのも何だかワクワクしますね。ブックレットも読みごたえがありましたので、是非ともデータのみでなく、パッケージ版(金箔押のDGロゴが美麗!)を店頭やネットで購入されることをオススメします。

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     2020/04/06

    心から曲を愉しんでいる類まれな名演!テンポ設定や弦の歌わせ方など、ビエロフラーヴェクにしか成し得ないような要素に満ちています。印象深いのが、1集の6番。3拍子の1拍目が少し重く、独特の浮遊感が感じられます。デッカ録音ならではの、音量や響きのバランスの良さも申し分ありません。ご一聴下さい。

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     2020/02/19

    チェコ期待の若手による協奏曲アルバム!ドヴォルザークの協奏曲に加え、マルチヌーの呪文を収録するとは、スプラフォンならではの意欲的な内容です。カハーネクのピアノはどこまでも活気に満ちていて、実に清々しくスッキリとしています。やや冗長と思われるドヴォルザークの協奏曲も、楽しんで聴くことができました。そして最も楽しみにしていた呪文は、やはり期待どおりの素晴らしい演奏。バンベルク響は過去に父ヤルヴィと組んでマルチヌーの交響曲全集に取り組んでいる功績があるからか、きわめて自然な演奏で好印象です。バランスの良い響きは、録音の技術もさることながら、フルシャの冴えた指揮によるところも大きいと思われます。企画上全集というのは難しいかもしれませんが、同コンビによる2番や3番の演奏も聴いてみたい、そんな期待をも抱かせるような1枚でした。

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     2019/11/01

    素晴らしい!の一言に尽きます。チェコ音楽の愛好家として、近年で最も嬉しい新譜です。『花束』はマルチヌーの声楽作品における代表作といえますが、意外に録音が少なく、今回それを新録音で聴けることに、まず感謝したいですね。演奏・録音ともに優れており、『花束』の代表的なディスクと呼んで差し支えないでしょう。とくに児童合唱が響く箇所は純粋な美しさに満ちており、聴きどころの一つです。そして、もう一つ面白いのがヤン・ノヴァーク(『スロヴァツカ組曲』等で有名なノヴァークとは別人です)の作品が収められていること。マルチヌーの弟子にあたる人物ですが、本盤の『フィルハーモニック・ダンス』に関しては師からの影響が多分に反映されており、時折マルチヌーか?と聴き間違えてしまうほど。この作品をカップリングしたという点で、アルバムとしての企画の面白さも際立つ1枚だと思います。

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     2019/07/15

    マルチヌー初期作シリーズのなかでも、とくに知られざる作品といえるバレエ音楽「影」。声楽つきですが、とくに言葉に比重がおかれたものではなく、全体的に標題音楽というより抽象的なテーマを題材にした音楽劇というような雰囲気があります。マルチヌーらしく、管弦楽にピアノを配した色彩感のある響きですが、初期作ならではの軽妙なメロディ等も魅力的です。演奏は例によってホブソン&ヴァルソヴィアですが、相変わらず良いです。このように珍しい作品をリリースしていただけるだけでも十分ですが、演奏、録音ともに充実しており、トッカータレーベルの意欲的な仕事には、感服するほかありません。第1集、第3集も併せてお聴きになってみてはいかがでしょうか。

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     2019/06/07

    長唄交響曲とは面白いですね。さすが、日本音楽と西洋音楽、各々の価値をよく理解していた山田耕筰ならではの作品です。基本的には演目「鶴亀」に西洋的に和声づけを行っているものですが、原曲の渋みを損なわずに、華麗な対旋律を添えることにも成功しています。次の明治頌歌も、篳篥の絶妙な音高を巧みに利用し、雅楽を思わせる弦、金管の荘重な響きも印象的な作品です。日本作曲家選集でお馴染みの湯浅卓雄の指揮も冴えていて、とても質の高い1枚かと思います。

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     2019/06/07

    これ以上のグローリアは望めないかもしれません!?とにかく、音の1つ1つが洗練さをきわめ、始まりから終わりまで、大きな筋の通ったような明快な演奏です。実は個人的に声楽作品はそれほど好きではないのですが、プーランクの宗教作品は別です。まさにこの演奏を聴いて、今までの考え方が変わりました。宗教曲なのに、どこまでも楽しい、けれども、ときに美しく儚い、素晴らしい作品ですね。悲歌であるスターバトマーテルでさえも、どこか明朗で、絶望ではないのです。プーランクが途中でレクイエムでは重すぎると考えて題名変更したのもうなずけます。そういう点で、オルガン協奏曲は対照的に終始厳めしい雰囲気を持っていて、同じ作曲家が書いたとは思えないと感じる箇所もあります。しかし、これがまさにプーランクの魅力、面白さといえそうです。声楽作品はあまり聴かないという人も、まるで明快な器楽作品を聴くかのように楽しめる作品かと思いますので、ぜひお試しください。

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     2019/06/07

    旧EMI音源なども含めて、続々とフランスものを再リリースしているエラート。このフランス音楽のエスプリシリーズは、古くから他のレーベルでは見られないようなフランス近現代ものが充実した企画で、1枚1枚キレイなジャケットを施していて、個人的にとても愛着を感じています。とくに、それほどプーランクが知られていなかった時代から積極的に彼の作品を紹介してきたことは、エスプリシリーズの大きな功績ではないでしょうか。本盤はまさに彼の傑作コンチェルトである2台ピアノと田園のコンセールを収録し、前者に至ってはプーランクご本人が参加!たしかに近時の整った演奏に比べると、何となく技巧的に危ういと感じさせる(それほどプーランクを演奏するのは骨の折れることなのでしょう…)ところも否めませんが、かえってプーランクがこれほど燃焼感をもって演奏されていた時代もあったのかと、感慨深い演奏にも感じられます。田園のコンセールも、クラヴサンの音が少々重たく、決して軽やかとはいえませんが、第2楽章の沈鬱なシチリアーノの集中力や第3楽章のすごみすら感じさせる活気は、この時代ならでは(あるいはプレートルならでは?笑)といえるでしょう。こういった点から、必ずしも入門にはオススメできない(初めて聴くなら、断然デュトワ盤を勧めたいですね)のですが、これら2作品を聴いてみてピンと来なかった人には、むしろ本盤を是非とも聴いてみて頂きたいと思います。こんなプーランクもありなのか!と、見方が変わって、作品を好きになるきっかけになるかもしれません。

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     2019/05/30

    小澤&サイトウの弦チェレとオケコンばかり聴いてきた中で、CDショップでふと思い立って購入したのがこのブーレーズ旧盤でした。実は最初はピンと来なかったものの、何回か聴くうち、オケコンや舞踏組曲などは今やブーレーズばかり聴いています。カチッとしたクリアな音感が、意外にもバルトークのバーバリズムや民俗性に調和するのですね。録音年は少々古いですが、音質面でそれほどマイナス点はないと感じています。ショルティやフィッシャーなどのハンガリー勢しか聴いたことがないという人にこそ、むしろバルトークの曲の魅力がより一層強く感じられる名盤かと思います。

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     2019/05/28

    発売から随分と経ちますが、これほど何回聴いても飽きないディスクは珍しいですね。とくに最初のマルチェッロはやはり素晴らしい。バロック録音史黎明期から、様々なオーボエ奏者(ミカラ・ペトリのリコーダー版も懐かしい!)に愛されてきた名作ですが、本盤のシェレンベルガーは終始クセのない、すっきりとして美しい音色を聴かせてくれます。これを聴いた後となると、ホリガーの演奏が装飾過多に感じられるかもしれません笑(ホリガーも無論良いのですが)。また、本盤で初めて知ったサンマルティーニの協奏曲の優美な旋律にうっとり…。緩徐楽章から始まる面白いオーボエ協奏曲で、どこか懐かしい感じのする雰囲気が魅力的です。オリジナル楽器演奏が主流の今日においても、なお輝きを失わない、むしろ繰り返し聴くほどに味わいの深くなる名盤だと思います。是非、今後も廃盤とならずに末永く残っていってほしいものです。

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