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フォアグラ さんのレビュー一覧 

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     2022/08/02

    私がクラシックのLPを集め始めたのは中学生になった70年代からで、その頃ヘブラーは既に過去の人になりつつあった。ヘブラーを積極的に推す評論家はいなかったし、ヘブラーが得意とするモーツァルト、シューベルトはフィリップスではブレンデル、内田に取って代わられた。というわけで、私はこれまでヘブラーの演奏を一度も聴いたことがない。にもかかわらず、58枚のコンプリートを買ってみようと思ったのは、昔の評論家から軽視された音楽家にたくさんの宝があることを経験上わかっていたからで、案の定ヘブラーは当たりであった。まずモーツァルトのソナタから聴き始めたが、安定したテンポ、慎み深い解釈がとても心地いい。過剰な表現は全くないが何の不足も感じない。HMVの紹介にあるとおりピュリストだ。フィリップスの暖色系の録音も大変よい。コンチェルトは3人の指揮者がいずれも優秀でLSOも聴きごたえがある。デイヴィスはいいが後の二人は落ちるなどという昔の批評は決めつけの愚評だとわかる。シューベルトも素晴らしい。永遠の憧れが静かにしみじみと歌われるのはケンプに通じるもので、私には神経質なブレンデルや重苦しい内田より好きだ。シェリングとのデュオも名演。ヘブラーは大人しくぬるま湯という誤解をお持ちの方もおられようが、「クロイツェル」でのシェリングに一歩も引かない厳しい音楽づくりは本当に素晴らしい。パッケージがグリュミオーBOXに似ていたので心配したが、今回は正しくオリジナルジャケット。大ピアニストではないかもしれないが、心ある名ピアニストであったヘブラー再発見となったBOXだ。

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     2022/07/28

    チャイコフスキーの4番は彼のシンフォニー中最も実験的で挑戦的な作品であり、わたしはそこが気に入っていて新譜が出るとつい買ってしまう。それだけ難曲でもあるのだが、坂入もそれを意識したのか第1楽章は慎重すぎ、熱くもなければクールでもないという半端な表現になってしまっている。名フィルは技術的に東京のオケと遜色ないところまできているのだからオケを信頼してもっと踏み込んでほしかった。それでも展開部から演奏は熱をおび始め終楽章は白熱して終わる。惜しいなあ、この曲のキモは第1楽章なんだよ。併録曲はいずれも好演。「中央アジアの草原にて」をいい曲だと思ったことは一度もないが、坂入の極めて繊細な叙情性に満ちた演奏を聴くと、これなら悪くないと思わせられた。

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     2022/07/17

    マゼールの1990年代は低迷期だったと思っている。ベルリン・フィル後継者に選ばれず、自分を見失っていたようだ。ギャラで揉めたり、3大テナーの伴奏したり、マゼールの真の実力を知っている私としては「何やってるんだ」という気持ちが強かった。バイエルン放送響との来日公演も良くなかった。このブルックナーはまさにその時期の録音であり、購入を躊躇していた。しかし再入荷された機会に購入。90年代から顕著になった遅いテンポの演奏。そして楽章の終わりでののけぞるような大見得。3番はミュンヘン・フィルとの演奏でも同様だったがはるかに音楽として出来上がっている。やはりこの時期は未完成といえるだろう。それでもさすがはマゼールと思わせる演奏もある。初期の0番、1番、2番はテンポが遅すぎブルックナーの前衛性が薄まっているがそれでも説得されてしまう。6番も優れた演奏。そして賛否はあるだろうが9番は圧巻だった。そしてバイエルン放送響はやはり素晴らしい。ティンパニが強烈に決まり遅いテンポの音楽を引き締めているのは、同時期のチェリビダッケ/ミュンヘン・フィルのペーター・ザードロと共通するのも大変興味深い。全てお勧めできる演奏とはいえないが、それでも並の演奏ではなく星5つ以外はつけられない。

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     2022/07/14

    近年聴いたハイドンで最も気に入った。早いテンポで颯爽と進行するがユーモアもありチャーミング。ピリオド奏法によるファイやヴァイルよりよほど魅力的に感じる。オケも上手く、ソロも優れている。フルートはウィリアム・ベネットだろうか。私はモダン楽器によるハイドンのほうが好きだなあ。レビュアーの方が書かれているようにレコード芸術誌では当時酷評であり、演奏のみならずネーミングシンフォニーを取り上げたこと、ジャケットの絵まで幼稚と貶された。何という偏屈でくだらない評論かと今となっては呆れるが、そのおかげで、40年後白紙の状態で1枚1枚カバーを見ながらハイドンの交響曲を楽しめることになったのだからむしろ感謝したい気持ちだ。

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     2022/06/29

    学生の時LPで持っていてお気に入りだった。懐かしいオリジナルジャケットを見て購入。やはり今聴いても素晴らしい演奏だ。病的なホロヴィッツや逆に健康的なアシュケナージと比べ、シドンはもっと本能的、野性的であり、強烈な打鍵と切れ味鋭いテクニックで聞き手を圧倒する。スクリャービンの異能ぶりを満喫できる快演。シドンは70年代を過ぎると新譜は出なくなり忘れられたピアニストになってしまった。調べてみたら既に亡くなっていた。コンチェルト録音も聴いたことがないが、これほどのピアニスト、しかもDGからデビューしたのに消えてしまったのは不思議でならない。

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     2022/06/14

    チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルの実演に接した時は「凄い演奏を聴いた」という感激ひとしおだった。ところが没後出たCD、BDからあの感動は得られない。スケールは大きいがどこか間延びした演奏に聴こえるのだ。思うに、チェリビダッケは場、空間を支配する天才だった。単にオケのピッチが合っているという話ではなく、これから凄い演奏をするぞという圧のようなものがあり、聴き手はその空気にのまれてしまった。パルシファルの聖杯の儀式みたいなものだ。録音ではその空気感が伝わらない。いつのまにかチェリビダッケ/ミュンヘン・フィルのワーナーセットは激安となり、更に中古も一杯という状況だ。さて、今回のシベリウス。そういう前提を差し引いてもかなりの出来だと思う。鈴木淳史氏が「異形のシベリウス」とさかんに書いているが、全然異形ではない。テンポは遅いが驚くほどではないし、シベリウスから離れた部分は全くない。ミュンヘン・フィルの上質なサウンドでスケール大きい5番が楽しめる。そして、その演奏はチェリビダッケが批判して止まなかったカラヤン/ベルリン・フィルのEMI盤に似ている。オーラが抜けると両者は意外に芸術性が近い部分があるのかもしれず、チェリもそれを悟り録音の発売を頑なに拒んだのかもしれない。

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     2022/06/07

    カピュソン兄弟、エベーヌらのエラート盤を絶賛して10年、フランスの次の世代によるフォーレ室内楽集が登場した。先のエラート盤が伸びやかで洗練された演奏だったのに対し、今回のフシュヌレ、ザヌイらの演奏はもっと親密で内面的なものになっている。フシュヌレはポルタメントも使い音楽により深く没入しようという姿勢が感じられ、カバーのおちゃらけた雰囲気とは全く違う真摯さだ。その印象は録音の違いによるかもしれない。エラート盤はマイクが遠く音像がぼやけ気味だったのだが今回はオンマイクであり、各奏者の生々しい息遣いが捉えられている。こうなると好みの問題なんだが、私はフシュヌレ、ザヌイ盤に軍配を上げたい。それにしてもフランスからは素晴らしい奏者が次々出てくる。コロナ前にドイツに行った時、一般のドイツ人は全然クラシックに興味がないな、とつくづく実感したが、今はフランスの方がもしかして盛んなのかも。クラシックの真髄ともいえる室内楽で名演奏が多数フランスから出ているのもそれの表れか。

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     2022/05/28

    ビッグバンドジャズとしてこれほどの熱狂をもたらすものを私は他に知らない。パーディー、カウエル、ナナ・ヴァスコンセロスらの強力リズム陣にのっての見事なブラス・アンサンブルの中、ガトー・バルビエリのテナー・ソロが白熱、絶叫する27分に及ぶ「スイス組曲」はもう何度聴いても興奮せずにはおれない。

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     2022/05/27

    ブラジルの作曲家といってもヴィラ=ロボスしか知らないけど、ナクソスが100曲も取り上げるんだったらちょっと聴いてみようかと手にしたグアルニエリ。これがなかなかいいのだ。ショーロは実質コンチェルト形式で書かれているのだが、神秘的であったり新古典主義的であったりするものの最後はブラジルならではのノリで締めくくられるのが楽しい。演奏も大変優秀。ソリストはサンパウロ交響楽団のメンバーだそうだが、皆上手いしオケも本場の良さがある。録音もいいのでお勧めしたい。

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     2022/04/28

    ミトロプーロス/NYPの「ファウスト交響曲」リハーサル映像がある。ミトロプーロスは指揮棒もスコアも持たない手ぶらで現れ団員とにこやかに挨拶してリハーサルを開始。譜面台すらない。ある程度進めたところで「では、練習番号〇番に戻って」と指示、団員は慌てて譜面をめくる。「ファウスト交響曲」を完全暗譜して挑む指揮者なんて他にいるだろうか。この超人的指揮者待望のコンプリートがやっと出た。ソニーの装丁は素晴らしく、更に今回は解説の日本語訳も付いている。40年代の録音は音が良くない。同時期のコロンビアでもライナー/ピッツバーグ、ロジンスキ/NYPと比べてかなり劣る。皮肉なことにミトロプーロスが自費で録音したマーラー1番だけ優秀録音。ミネアポリス響もミトロプーロスの激烈な指揮についていくのが精一杯であり、どこか雑な感じが残るのも残念。それでも先のマーラーやシューマン2番、フランク、ショーソン、「死の島」は聴きものだ。50年代はニューヨーク・フィルが格段にレベルが高く録音も良くなるので聴きごたえ十分な演奏が並ぶ。チャイコフスキー5番、6番など鳥肌が立つしオペラもいい。ただ、当時盛んに演奏していたベートーヴェン、ブラームス、マーラー、Rシュトラウスが殆どないのは痛恨だ。ミトロプーロスとしてはそうしたレパートリーより新ウィーン楽派やガンサー・シュラー、ピーター・メニンを録音することが使命と考えていたのだろう。ちなみにシュラー、メニンも面白い曲なんだが。あとヘルマン・ウーデによる「ヴォータンの告別」のスタジオ録音があるはずだが何故か漏れている。なんにせよ64歳の死は早すぎた。あと10年、せめて5年生きてくれればヨーロッパのレーベルでステレオ録音をウィーン・フィルあたりと少なくない数残したに違いないのだから。

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     2022/04/03

    待望のビシュコフ&チェコ・フィルによるマーラー交響曲全集第1弾。ペンタトーンの録音が大変いい。デッカのチャイコフスキー交響曲全集とは格段の差。やっぱりメジャーはもうだめだな。優秀録音によってチェコ・フィルの美しさが際立つ。自慢の弦だけでなく近年のチェコ・フィルは木管も優れており第1楽章のファゴットの優しさなど魅力的だ。ビシュコフは特別目新しいことはしないが、音楽が瑞々しくクオリティが高い。ライスのソプラノも美しく万全の出来。後続が楽しみだ。

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     2022/03/24

    ベッリーニ26歳の力作。ただし、3年後のベッリーニ傑作の森「カプレーティとモンテッキ」「夢遊病の女」「ノルマ」と比べるとベッリーニならではの旋律美がいささか足らず、それがあまり上演されない原因になっていると思う。今回ベッリーニ生地カターニアでの録音はヒロインを歌うラトヴィアのソプラノ、マリナ・レベカが自らプロデュースしたセッション録音。わざわざ「これはライヴではありません」と書かれている。それだけ用意周到に行われたものだけあって驚くべき高水準な演奏になっており、作品の欠点を吹き飛ばす。レベカもド迫力だが、メキシコのテノール、カマレナの高音連発も凄い。他の歌手も皆大変優れており、カターニアのオケ、合唱も文句なし。優秀録音。20年くらい前、イタリアの地方でのオペラ録音は一人優れた歌手がいて、あとはそれなりののんびりしたものが多かったが、今はレベルが違う。更に、装丁、対訳付きのブックレットも大変結構で、制作者のCD愛に満ちている。ベルリン・フィル制作盤のような高額でもないし。こういう素晴らしいCDをすぐ廃盤にしないことはできないだろうか。

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     2022/03/20

    メジャー・レーベルへの録音が殆どなかった幻の名匠ホーレンシュタイン。彼の音楽はスケールが大きく豪胆。それはCD1のマーラー3番から明らかだ。クライマックスの作り方も見事で聴き手の予想のさらに上をいく。さすがにオケは終楽章でバテているがそれでも感動的な出来であり、10年後のユニコーン盤より優れている。続く1番でもホーレンシュタインは畳み込むことは一切せず雄大に音楽を鳴らす。ブルックナー8番も非常な名演。造形が揺るがずしかも白熱した演奏。マーラー1番で技術的な問題のあったウィーン・プロムジカ管弦楽団もこちらは安定している。「エロイカ」では遅めのテンポと強烈なティンパニの打ち込みが印象的。歴史的名演であるレーケンパーとの「子供の死の歌」も必聴。「スコットランド幻想曲」での濃密で情感深い表現も素晴らしく思わず涙ぐんでしまう。ここまで書いて思い当たったが、ホーレンシュタイン、オイストラフともにウクライナの出身だ。この二人の豪胆さはここからきているのか。ホーレンシュタインはヒトラー、オイストラフはスターリンという暴君に人生を左右された。今ウクライナが暴君によって蹂躙されるのを二人は草葉の陰からどのように見ているのだろう。プロフィールの復刻は問題ないが装丁はお粗末。今時ベリッと剥がす白の紙袋にCDを入れるなんてみたことない。表記ミスもある。「画家マチス」はフランス国立放送管ではなくパリ放送交響楽団(弦フランス放送フィル)である。正直こんなにいいならヴェニアスを買えばよかった。その点が心残りだ。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2022/03/17

    ベームの厳しい造形の基に築かれた演奏は安定度抜群。モーツァルトの初期交響曲も実に立派に鳴り響く。最高の職人芸。「ハフナー・セレナード」「ポストホルン」もいい演奏だなあ。ベーム人気に火が付いたのは75年来日からだが、それ以降にLPで発売されたブラームス交響曲全集、ブルックナー、ドヴォルザークなどは気力の減退を感じ失望した覚えがある。しかし今聴きなおすと決して悪くないのだ。私の耳が肥えたというより私が老いたのだろう。それでも50年代から60年代の造形はびくともしないながら頑丈な骨格からはみ出すばかりの充実した音楽が鳴る演奏こそベームの真骨頂だと思う。管楽器もガンガン鳴らすし。最後に一言苦言を。オリジナルジャケットは嬉しいのだが、詰めが甘い。モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトが交響曲全集の均一ジャケットしか使われていないし、レコード番号、ステレオ表記はあったりなかったり。マゼール初期録音集のジャケット復刻は完璧だったのだからどうしてこんなことで手を抜くのか。ほんとユニヴァーサルはわからない。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2022/03/04

    ロバート・ワイズ監督の61年版を観たのは70年代中学生の時。衝撃だった。今回のリメイク版はいろいろ言われているが心配ご無用。素晴らしい出来栄えであり、61年版が好きな人でも十分満足できるだろう。個人的には序盤リタ・モレノが出てきて(90歳!!)涙腺崩壊だったが、体育館のダンスの迫力も演奏も61年版を大きく凌ぐ。ジョージ・チャキリスのベルナルドのほうがよかったという声を聞くが、チャキリスはギリシャ系白人である。リメイク版はプエルトリコ人は皆ヒスパニックの俳優が演じる。ここはやはり重要だと思う。レイチェル・ゼグラーのマリアもナタリー・ウッドよりはるかにいい。歌も本人
    が歌っているし。驚いたのは時代設定、ストーリーを全く変えてないこと。スピルバーグのオリジナルへのリスペクトであるし、60年後もこのドラマが突きつける問題がそのままであることを訴える意味もあるのだろう。娘を連れて観たのだが、ゲーム世代の娘の心にも刺さったようでシアターを出てから会話が止まらなかった。サウンドトラックも申し分ない。「マンボ」で有名になったドゥダメルの指揮はさすが抜群のノリ。オケもNYP、LAPだから61年版より上手いし厚みもある。歌もみな大変上手く感動的。このミュージカルが好きな方はオリジナルキャスト、61年版とともにスピルバーグ版も必聴だろう。

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