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てつ さんのレビュー一覧 

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     2020/10/18

    内田光子は現在世界最高峰のピアニストであるから当然素晴らしいが、この演奏を聴いて小生はラトルが何をしたかったのかなんとなく理解できた。このベートヴェン、ラトルは明晰さを志向しており、室内楽的見通し良い演奏である。小生はバーミンガム時代の録音をそう多くは聞いていないが、当然ベルリンフィルより響きは薄かっただろう。そうなるとラトルとしては当然のことながら各声部を生かしたクリアな方向に向かわざるを得ない。この方向性がもっとも結実するのがマーラーだからラトルの名盤にはマーラーが多い。特にベルリンフィルにおいては、オケが従来持つ重厚さとラトルの指向する明晰さが合致するのがマーラーだった。その意味でラトルが演奏したかったベートーヴェンがこのディスクではなかっただろうか。ラトルとベルリンフィルが交響曲でここまで見通しが良い演奏をしたら、賛否両論になる。でも協奏曲ならメインはソリスト。ソリストを生かすという大義名分ができる。だからこういう伴奏が可能になった、と私は勝手に推測している。以前ブレンデルと共演したウィーンフィル との演奏とは大違いである。小生はラトルの本質はこの演奏だと確信している。さて、内田光子はとにかく徹頭徹尾、ピアノの響きを計算し尽くして、高い技術のもと、それを表現する。各声部はどこでもクリアである。一言で言うと「血が通った完璧さ」である。このベートヴェンでもそれは顕著。特に第一番とかは、どこをどう聞かせるという細かい読みが全曲を通じて展開されるすごい名演。第3楽章の冒頭を聴くだけで、どれだけ凄いかはわかると思う。ザンデルリンクとの旧盤は、巨匠の芸風に合わせて内田自身の演奏もスケール感に振れているが、ここではとにかく内田自身の考えるベートーヴェン像を作ることに没頭しているような気がする。そしてラトルにも内田光子にも共通するのは、絶対にダレない、手を抜かない、やり通すという強い意志。一切の綻びを許さない断固とした姿勢である。世の中の録音には「あれ」と気がつくミスがたまに聞かれる。メジャーレーベルでも良くある。でもここにはそんなことは全くない。それはそうだ、ラトルも内田光子も目指す方向性が同じだから。ということで、明晰と完璧が強い意志の下、結託し共演したこのディスク、間違いなく内田光子の代表作としてこれからも輝き続ける名盤である。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/09/12

    バレンボイムは変わった。この演奏を聞けば、冒頭から響きが立体的で「おやっ」と思わせる。また、37小節からの低弦のパッセージも両翼配置によりググッと迫り効果的。こういうじっくりした作り込みは、少なくてもデュプレとの演奏では全く聞けない。何が変わったのか?その正体は村井先生がバレンボイムのブラームス交響曲全集レヴューで指摘されたことにに尽きると私も思う。(引用できないので、ぜひ村井先生のレヴューをお読みいただければ幸甚です)良いオーケストラが、このスタイルで雄大なテンポで演奏されたら悪いはずがない。特にこの曲はオーケストラの比重が高いので素晴らしい効果を生んでいる。ソルターニは丁寧に弾いてあり、好感が持てるが、ほとんど崩さないので少々生真面目に聞こえるかも。でも若いんだから、こういうある意味青い演奏が良いんだよなと、思ってしまう。大成を祈りたい。それにしてもバレンボイムには驚いた。2016年実演で聞いたブルックナーはここまでじゃなかった気がする。これからのバレンボイムに期待したい。まだ77歳。健康に気をつけて頼みますね!

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/08/14

    参りました!
    誰もが、自分の大切なものに対して、共感されたり、大事にされると嬉しくなりますよね。この全集はそういう演奏です。

    例えば、12番の第一楽章を大切に思っている方は多いと思いますが、エベーヌの演奏は冒頭から響きを大切にして、Maestosoなんだけど、優しくかつ宥和した響きで始まります。テンポは落ち着いていて、第一主題もとても優雅。第二主題に入る前には、ちょっと音を膨らまして、表情を変える細やかさ。また本当に羽毛のような繊細な音を響かせてから、冒頭音型に戻ってくれます。もちろん優雅なだけではなく、決めるところはキッチリ強めの音を鳴らし切る、その切り替えもまた凄いものです。そして第一楽章のコーダに入る直前では、ちょっと「溜め」てから入って、とにかく優しく、大切にコーダを演奏してくれます。楽章最後の音など、本当に心を込めて、そっと置いてくれるような音で、本当に共感できる演奏です。
    全般にゆっくり目のテンポでよく歌うことを心がけながら、音色を見事に使い分け、オールドスタイルのようにルバートを多用しますが、それがツボにハマります。14番の終楽章を聞けば、皆様にも「ツボ」が分かって頂けると思います。
    小生はゲヴァントハウスとアルテミスを高く評価していましたが、このエベーヌは両方のいいとこ取りのような演奏で、本当に参りました。この演奏を成し遂げるのにどれだけの努力と修練が必要だったのか、想像するだけで頭が下がります。録音データ上全て「ライブ録音」であることが、信じられられないくらい完成度が高いと思います。
    やはり、こういう「エモーショナル」な演奏こそ、ベートーヴェンなのではないか、と思ってしまう説得力のある演奏だと、力説しておきます。本当に、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲に対して、我々が持っている「かくありたい」という思い込みを、具現化してくれたような演奏です。
    大切なものを、心から共感してくれた演奏。本当にありがとう。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/08/12

    新たな発見が多い!
    間違いなく名盤です!                                     名盤の定義は多々あるでしょうが、一聴して解るのは「立体感」です。各声部がクリアに、かつバランス良く鳴ります。基本的にはピリオドなんですが、ボリューム感があるのと、サヴァールの表現がオーソドックスなので、安定感があり、かつ、響きが立体的です。これは録音効果ではなく、サヴァールが目指した「音」だと思います。小生にとっては、この響きが今まで聞けなかったものであり、新たな発見が多かったのです。だから名盤なんです。あと、HMVのレビューにもありましたが、ティンパニのペドロ・エステヴァンがすごい。彼を中心に録音したのではないかと思えるくらい、決まってます。なるほど、ベートーヴェンはこういうティンパニの響きをイメージしていたんだな、モーツァルトとはここが違うんだなと、納得させれらます。本当に演奏というのはこれほど、新たな地平を見せてくれるものなんだと、可能性は無限なんだと、それを教えてくれたサヴァールに心から感謝します。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/02/25

    現在のポリーニを評価するのは極めて難しい。「故障後技巧は衰えたが、深みは増したのではないか」という意見や、「やはりポリーニはポリーニ」的意見まで多岐に亘る。その意味ではこのディスクは良い試金石だと思う。旧盤と比較試聴するとまずわかるのは、当たり前だけど録音が明晰になった事。何せ以前の録音は45年も前である。比較して聞くと以前の録音は少しこもり気味の録音で、当時のポリーニのあの明晰なタッチが入っていないのではないかと思われた。で、この新録音、一聴してわかるのはペダルの多用。そのため粒立ちが良い昔のポリーニとはやはり違う。だが、レンジが広い録音であるのは間違いない。当然スタジオ録音だからこのところ指摘されるミスタッチはないものの、ポリーニの唸り声は聞こえる。やはり最近のポリーニの特徴ともいえる「追い込むようなテンポ」はここでもみられ、32番の第一楽章は旧盤では8分47秒だったものが、この新録音では7分40秒と1分以上も早い。序奏で1分40秒対1分25秒だから。押し並べて早くなっている。主部もやや弾き飛ばす感じがする。念のため申し添えるが提示部の繰り返しは実施している。32番の第二楽章も約1分今回の方が早い。前回の録音が33歳、この録音時が77歳。それでも前回より相当早く弾くポリーニ。自らの技巧的限界論へのアンチテーゼなのだろうか。ポリーニは挑戦しているのか?それとも急ぐしか道がないのか?小生にはこの是非はよくわからないが、ポリーニが現在の最善を尽くした事実だけは間違いないと思う。それでも、このディスクがあまたあるこの曲の名盤のトップに君臨するようなディスクとも思えない。なぜなら、ポリーニはこのディスクで「自分との戦い」に終始している気がするからである。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/01/05

    このディスクは怖い。我々に音楽について問いかけてくる。村井先生が絶賛されていたので聞いてみた。まずフィッシャーの仕事はスクロヴァチェフスキと通底する指揮者としての素晴らしい仕事に魅せられた。小生は特に田園が一番わかりやすいと思う。誰がここまでのフレージングをしたのか?一つとして同じフレーズを流すようなことはしない。また8番の冒頭も眼から鱗である。1番も瑞々しいし、7番も工夫の権化である。なるほど、指揮者というのはこういう仕事なんだな、と心から思わせる。実は小生もネルソンスとウィーンフィルの全集には不満があったが、その不満の正体について、自分でもよくわからなかった。ところがこのディスクを聞けば「曲に対する読みの深さ」という村井先生の指摘が、こういうことだったのかとよく理解できた。しかし、このネルソンスの全集に対して「最近流行のエキセントリックな演奏と一線を画すのが評価できる」という某雑誌の評を読み、心から怖くなった。クルレンツィスの演奏もこのフィッシャーも私からすれば「スコアを徹底的に読んだ上での表現」である。でも、もしかしたら彼らの演奏を「エキセントリック」と評する方もおられるのかもしれない。クラシックの世界であれ、何であれ、過去に囚われず、自分なりの何かを追い求める姿勢こそが尊いのではないかと私は信じている。無論この演奏がエキセントリックとは私は髪の毛一本程思わない。新しい視点を提供してくれた素晴らしい演奏である。常に新しい視点、感性を求める姿勢こそが、クラシック音楽の可能性を広げるのではないだろうか?実際にこのディスクのような新しい試みは、確実に広がっている。メジャーオケも無視できない。例えばシュターツカペレドレスデンは、ヘルヴェッヘとピリオドスタイルのモーツァルトを演奏し、HIPスタイルと彼ら特有のシルキーな音色を融合することに成功している。ベルリンフィル もクルレンツィスにヴェルディのレクイエムを任せており、新しい可能性を探っている。その意味ではやはりウィーンフィルはちょっと心配なんだけど。話をまとめると、このフィッシャーのディスクを聞いて、「よくやった」と思えるのか?それとも「やりすぎ」と思うのか。それこそ踏み絵である。もちろん芸術は主観であり、多様性を許容するものであるから、「よくやった」も「やりすぎ」も意味をなさないかもしれない。しかし、フィッシャーはここまでスコアから表現の可能性を読み取り、それを具現化した。ここまでやると、クルレンツィスの悲愴同様、他の演奏を陳腐化する可能性すらある恐怖の演奏である。それでも気がついたのは、フィッシャーの深い読みは、主としてフレージングと強弱に表れており、それが繰り返しの怠慢を拒絶する厳しいものであるが、まだベートーヴェンのリズムの革新性については捉え切れてない気がする。またここまでやるなら、不協和音やセブンスの和音ももっと強調して欲しかった。いずれも、いや、たぶん、おそらく物理的に無理なのかもしれないけれど。さて結論は、この演奏はベートーヴェンを通じて、我々に「表現の可能性は無限」ということを教えてくれる希有のディスクである。おそらくこれを聞いて、勇気付けられる音楽家の方も少なくないのではないだろうか。少なくても小生はクラシック音楽の未来はまだある、と信じるに至った。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/12/30

    王道の名演というHMVのキャッチコピーに心から賛同。このベートーヴェンを聴けば、シフがどんなピアニストが即座に理解できるだろう。例えば1番の第3楽章冒頭を聴けば、これだけ各声部がクリアで、バランスが整っている演奏は他では聴けない。バックハウスも良いがペダル使いすぎである。アファナシエフもクリアだが、テンポをここまで犠牲にしては意味がない。キーシンはアファナシエフの真逆だし。アルゲリッチも良いが少々あざとい。シフのこの演奏を理解するために1番の他の演奏を相当聞いたが、納得できるテンポと響きを持つのはシフと内田光子の新盤だと思う。加えてハイティンクとSKDである。悪かろうはずがない。録音が少々惜しいのが唯一の欠点。シフのことだからベーゼンドルファー使っていると思うが、それにしても、このピアニストの美点である、あの粒立ちの良いタッチが入っていない。オーケストラも少々篭り気味。その点は内田光子に軍配が上がる。とは言え、ベートーヴェンの全集として堂々の横綱であることは間違いない。ファーストチョイスはこの全集である。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/12/21

    小生はベートヴェンの全集としてはシフが一番良いと確信している。ポイントは3つ。まずベーゼンドルファーの深い響きが曲にマッチしており、ECMの録音と相まってとても豊かに聞こえる。そして最大の美点はシフの読みの深さ。各声部を常にバランス良く響かせ、その中でしっかりベートーヴェンが書きたかったのはこれだよ、と教えてくれる。小生はワルトシュタイン第1楽章のパッセージが30番のスケルツォで帰ってくることとか、告別冒頭のクリシェの深さとか、シフの演奏で多くを学んだ。そして最後は発想が自由なこと。悲愴の第1楽章のリピートを主部ではなく冒頭からしていたり、かなり自由に演奏している。人によって賛否が分かれると思うが、小生は常に考えて演奏するシフに共感する。あと、おまけのアンコール集もとても素敵。シューベルトのD.946なんて控えめな響きに心打たれるし、アンダンテファヴォリもチャーミング。この演奏に出会う前はポミエとスティーブン・コワセヴィッチの演奏が双璧と思っていたが、これを聞くとポミエはやはり少し硬いし、スティーブンはストレートに過ぎる気がする。このディスクは間違いなく良いのだが、何故レヴューが少ないのか。問題はやはり値段が高い事にある。スティーブンなどこのディスクの10分の1くらいのお値段。クラシックの世界でコスパについて言いたくはないけど、これから全集を買う、と言う方にはやはりスティーブンなんだろうなぁ。でもシフのベートーヴェンを聞かないのは本当に勿体無いと思うし、彼が現在最高のピアニストであることを心底納得できると思います。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/08/12

    このディスクはベームのベストフォームではないだろうか。もちろん未完成は冒頭のコントラバスから沈んだ響きで、デモーニッシュなシューベルトとの姿を伝えてやまない。特に第一楽章の展開部の凄さといったら。トロンボーンが怖い。終結部もブラックホールに落ちるようだ。第二楽章も天上の音楽ではあるもの、低音の響きが足を引っ張り、単に明るい音楽になることを許さない。これだけでもすごいのだが、未完成よりグレートの方が凄い。冒頭の弦の響きの深さ、第一主題の推進力。これがベームだという剛の響きが鳴り響く。それだけではなく、再現部直前の寂寥感も素晴らしい。インテンポを守らないベームが聞ける。そしてコーダが堪らない。この楽章の終わり方は意外に難しいと思うのだが、ほぼ理想的テンポだし、最後の和音は私たちが好きなシュターツカペレの音そのもである。第二楽章はこのテンポか、と思うほど早いが、響きの深さは変わらないので、ベタベタした演奏より心に残る。第一楽章も第二楽章も即物主義的なので第三楽章以降どうするんだろう、と思ったら・・・とにかく第三楽章すごい!冒頭から明らかに力を抜いて、優しい音楽を奏でる。これがベームなのか?と言いたくなるほど優しい。特にトリオは心に響く素晴らしい音楽である。グレートの第三楽章のトリオでこんなに感激したことなんて今までなかった。第四楽章は再び剛のベームに戻って締めくくる。この稿書きながらもう一度聞いたが、やはり掛け値無しに素晴らしい。繰り返し申し上げる。このディスクはベームのベストフォームだと私は確信している。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/05/26

    一言で言うと「王道路線」の演奏。細部にこだわり演奏精度を上げ、表現も奇を衒わず。そうだ、何も最初から冒険する必要はなく、まずは横綱相撲を見せれば良い。そう言う感じがします。おそらくどの演奏よりも各声部がよく聞こえ、バランスが良いと思います。でもね、このディスクに対する期待度はみなさん高いと思いますが、その期待度を上回る驚愕演奏じゃない・・・と言う気がするのは私だけしょうか。この演奏だけ聞くと、ペトレンコの目指すものがよくわからない。しかし、天下一のベルリンフィルが彼を選んだのだから、このあと私のような素人にもわかる素晴らしい、彼ならではの演奏が聴けることでしょう。この曲目にしたのも、あえて「王道路線」を強調するためかもしれません。王道というのはいつの時代もあるレベル以上のものを必ず約束するものだから。

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     2019/01/26

    何の気なしに聞いてみたが、確かにサロン風の名曲ばかり。ズンと響く低音など一切ないが、「へぇ、誰の曲だろう」と思わせる佳品集。作品44、45あたりは平穏の中に吹く風のようにちょっと心に染み入る。私は作品44−1のアラベスクが大好きになった。こういうアルバムは世界を広げてくれる。これを機会に世界のピアニストが取り上げてくれることを望みたい。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/10/28

    冒頭1小節でノックアウトされた。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/09/10

    昨日Eテレで見ました。ラトルも年を取りました。ベルリンフィルの首席になったのが、47歳で、今は63歳。社会人で考えれば、部長から社長くらいの年月をベルリンフィルという世界最大の会社で過ごしたようなもの。もう責任とプレッシャーの立場から解放されたいというのも当然だし、周囲も、皆拍手をもって見送る・・そういう立場の指揮者です。それでも有終の美を飾ろうと、ラトルは最大限の努力を払いました。そして成し遂げた集大成、そしてラトルという指揮者が目指すものがこのマーラーだったと思います。コントラバス10本、舞台上パンパンの人数。巨大なれども統制が取れ、大音量でもクリアな声部。なぜこういう演奏ができるのか。ティンパニのスティックをあれだけ変えるという事は、ラトルの頭にはこれだけの巨大さの中で、全ての局面での音響がしっかりイメージされたいたのでしょう。それを具現化するのですから、あまりにも凄過ぎる。私ごときが言うのはおこごましい。この演奏は聞くしかないと思います。この曲でここまでできる。サイモン・ラトルはベルリンフィルの歴史に残る大指揮者だったと言うことが骨の髄までわかる演奏だ、と思います。NHKが収録に絡んでいますから、おそらくブルーレイはとことんまで突き詰めた記録になっている事でしょう。もう一度サー・サイモン・ラトルとベルリンフィルに心からの感謝を。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/07/28

    世界は広い。あなたはヘンヒェンを知っていたか?私は知らなかった。しかし、このディスクはHMVのレヴュー通りの素晴らしい演奏である。第一楽章は名刺代わり。引き締まったテンポと響きのバランスがとても良い。このままインテンポでタイトな演奏なのかなと思ったら、第二楽章が凄い。快速テンポ(とは言っても、世の中のテンポが遅すぎる。この楽章、Allegro Moderato である。この演奏は普通のアレグロモデラートのテンポに過ぎないのだが)で始まりリズムが立っている。私はブルックナーの交響曲でこれほどリズミカルな経験をした事がなかった。とおもったら、急にテンポを落とし歌い出す。この緩急が堪らない。特にトリオが素晴らしく良い。第三楽章は締まったテンポはそのまま、あえて一歩退いて精神世界を見せる。できるのにやらない。後ろにあるものを聞け、とばかりに8割の力で流す。私はこの楽章をきいて晩年のギレリスを思い出した。あえて力を抜く凄さを聞いた。第四楽章はまた縦横無尽に緩急を尽くす。あのティンパニ連打の場面でアッチェレランドするなんて思いもよらなかった。と思うとまたテンポ落として歌いだす。そして終結部がまた素晴らしい。大河の流れで堂々と終結する。本当にこの指揮者は凄い。この演奏が一日で録音されたなんて信じられない。全体を通じ特筆したいのはティンパニがキメまくること。第二楽章の転調部分とか、弱々しいものが多いが、この演奏はしっかり決めてくる。第四楽章冒頭も「こうでなくちゃ」というキメっぷり。デンマーク王立管弦楽団は、どうもデンマーク国立交響楽団とは別物で、Wikipedia見たら1448年創立の世界最古のオケとあったが、「ホンマでっか!?」でも、とても良い演奏をしてくれた。この演奏は絶対に一聴の価値がある。この演奏を聴いた後で、最近出た有名どころのディスクを聞くとみんな緩い。この演奏はここまで細部にわたり徹底しつつ、ブルックナーへの共感を心から歌う。かつブルックナーの背後にある精神世界を見せるという離れ業を達成した。私はこの演奏はブルックナーの演奏史に残ると断言したい。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/03

    交響曲5番はメンデルスゾーンの大傑作だと思う。賛美歌やコラールを交響曲に昇華させ、ロマンと一致させたところが本当に素晴らしい。Wikipediaには本人はこの曲が気に入っていなかった、とあったが本当なのかな?この曲のコラールは後世に影響を与え、小生はアルバン・ベルクはこの曲の終楽章コラールが好きだったと勝手に思っている。ファイの演奏は、お得意の生気あるフレージングに加え、曲への共感が溢れていて、この曲の最良の演奏である。アバドやムーティのように良いオケによる充実した響きを聴かせる演奏がスタンダートだったかもしれないが、この演奏を聴くとまだまだリズムの扱い一つで音楽の可能性が広がる事をファイに教えてもらった。第一楽章展開部終盤の緊張感や、チャーミングに囚われず、しっかり構成した第二楽章、強弱にこだわった第三楽章と聴きどころは多いが、特に小生が感動したのは終楽章冒頭コラールでのリタルダンド。聞けば聴くほどこのリタルダンドによってコラールに生命感が溢れ、次のアレグロへの機運が高まる。このリタルダントは楽譜には書かれていないが、これだけでもファイがどれだけこの曲が好きか、心込めているかわかる。この曲の録音は2008年。ホグウッドの改訂版の出版は翌年2009年だから、あのフルートのカデンツァが聞けないが、これは無い物ねだり。小生は本当にこの指揮者は素晴らしいと思う。活動の場が増え、彼の音楽への真摯な貢献を世が高く評価する日が来る事を心から願っている。

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