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Amadeo さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/04/15

     コロナ禍がなければ、去年のちょうど今ごろに生で聴いていたはずの曲。発売も延び延びになり、首を長〜くして、待ちに待って、ついに聴くことができた。
     いつものように、細部までおろそかにすることなく、演奏意図がオケの隅々にまで行き届き、驚異的な合奏力でしか為し得ないクルレンツィスワールドを感じることができる。
     簡単には実現しえない高水準の演奏であることには、全く疑いがない。
     だがしかし。どうにも満足しきれない。ある意味、整いすぎているというか、この曲に不可欠な高揚が十分に感じられないのだ。さあ来るか、もう来るかと待ちながら聴き進むと、爆発することなく終わってしまう。この演奏に圧倒されたいという欲求、圧倒してくれるだろうという期待が、満たされない。
     クルレンツィスという人は、デフォルメはあっても楽譜に忠実な指向を持っている音楽家だと思うが、今回は、スコアを見ながら聴いても音価のとりかたに疑問が残るところもある。なんだかもやもやするのだ。
     期待値がダントツに高いせいだろうか。CDというメディアをはさんでいるからなのかもしれない。
     ああ、やっぱり生で聴きたいな。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/02/27

    なんというアリアだろう。彼岸の景色を見ているかのような、この世のものとは思えない響き。聴き始めて、身動きがとれなくなった。
    ほかとは全く違う超絶的なアリア。
    自死の1年前の東京ライブ。まさに欧州激動のその時期に、ケーゲルは一体何を想っていたのだろう。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/07/12

     出色のベートーヴェン全集だ。
     強弱の扱いに工夫が満ちているが、オケの音はほとんどほころびなく見事に統一されている。エロイカでは、スピッカート奏法が独特の躍動感を与え、田園の5楽章では透明度の高い音色が神々しいまでの美しい瞬間さえ生み出す。
     テンポにも独特の妙がある。私は、古典派の音楽ではテンポの揺らしを余り好まず、いろんな演奏を聴いていて違和感を覚えることが多い方なのだが、この演奏はちょっと違う。このコンビによるモーツァルトの交響曲全集にも言えるが、テンポの揺らしや一瞬の間の置き方のセンスがよい。そのすべてが好きというわけではないが、無用に芝居がかることなく、絶妙のバランスで「はっ!」と思わせる瞬間をあちこちで生み出している。
     そして、特に触れておきたいのは8番。編成も演奏時間も比較的コンパクトな「小交響曲」が秘めている巨大なポテンシャルエネルギーというか、強靱な弾力というか、この難曲の逆説的な要素が、デュナーミクやアコーギグの妙でうまく表現されているように思う。
     デンマーク国立室内管というオケが、王立管や国立管とどういう関係なのかはよくわからないが、派手な存在とは言えないこのオケに、指揮者の意図が隅々まで浸透しているのがわかる。生で聴いたらどんなにすごいのだろう。
     かつてエーリッヒ・クライバーは、録音媒体を「缶詰」に喩えたそうだが、それでもこの缶詰は、とにかく鮮度も素材も味つけもよい。どこを切っても音楽が生きている。とても個性的な演奏でありながら、なおかつ、これがベートーヴェン!という後味を残してくれる。とにかく、聴いていて愉しいことこのうえない。
     アダム・フィッシャー、畏るべし。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/04/30

    最新の録音でウィーンフィルの美音を聴けるのはありがたい。若きホープとされるこの指揮者、大外れすることがないのはさすがだと思う一方、このベートーヴェンは聴いてきて余りわくわくしない。安心して聴いていられるけど、のめりこんでしまう演奏ではないのです。
    7番の1楽章の繰り返しをあえて省くなど、うんうんなるほど、と思うところもあるけど、まあそういうことなんだね、というところまで。うわ〜、なんだかすげえぞこれ、っていうのがない。突き抜けるものを感じないのです。奇をてらわない安定感、ということもできるのかもしれません。この指揮者の美点でもあり、欠点でもあるのかな。好みの問題かも。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/12/22

    若いときにしか出せない音というものがあるのかもしれない。変わったことをしようとしているわけではない。でも、澄み切った音色は、明らかにほかの演奏と一線を画す。間違いなくベートーヴェンのピアノ協奏曲なのだけど、今までとまったく違う印象が残るのだ。久々にひとっ風呂浴びて、見違えるようにさっぱりしたベートーヴェンのよう、というとおかしいだろうか。コンマスが引っ張るアカデミー楽団も、まったくもたれることがないが、では淡々としているかというと結構熱がこもっている。「ベートーヴェンはもっと深いはずだ」「もっと重厚なものだ」ということもできるかもしれない。だが、まったく巨匠然としない清々しいこの演奏に、なかなか得難い価値を感じてしまう。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/02/09

     久しぶりにこの盤を引っ張り出して、ここまでの名演だったのかと聴き入ってしまった。
    シェリングは、精確無比な演奏技術、とりわけ高音の美しさと、曲と真正面から向き合う誠実さ・実直さこそが、顕著な美点だ。このライブでもほとんど乱れなく弾ききっていて、それらの美点を堪能できるだけでなく、スタジオ録音ではなかなか聴けない艶っぽさ、しなやかささえ感じられる。この人は、スタジオ録音もすごいが、ライブではもっともっと凄い演奏をしていたのだとわかる。もちろん、クーベリックの熱もシェリングを駆り立てた大事な要素なのだろう。重厚だが、もったいぶったような余計なことをしない、これも潔い演奏だ。両者によって、最高峰のヴァイオリン協奏曲が、驚異的なクオリティで実現している。しかも、50年以上前の演奏が素晴らしい音質で残ったのは、後世の者にとっては最大級の幸運だろう。
    生で聴いたら卒倒してしまうのではないかと思うくらい、超絶的な名演だ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/19

     このエーネスというヴァイオリニスト、最近ときどきNHKでみかけるが、とても上手だ。数多いるヴァイオリニストのなかでも、きわめて高い技術を持っている一人だろう。そのエーネスの奏でるベートーヴェンは、技術を誇示するでもなく、もったいつけたものでもなく、とてもストレートな表現で、謙虚な演奏に聴こえる。そこに何より好感を持ちます。
    殊に、繰り返し聴くことが前提になるCDという媒体において、このスタイルは後から後から味わいが深くなっていくことだろう。あえて大括りに言えば、往年のシェリングの録音スタイルに近いかもしれない。音にするだけではつまらなくなってしまうベートーヴェンのコンチェルトをこのスタイルで聴かせるのは、相当至難ではないかと思うが、高い水準で実現しているのでは。文句なしの美音の持ち主で、弓を押し付けすぎてしまう演奏家にはとても出せないような音だ(著名なヴァイオリニストでも、圧のかけすぎで音をつぶしてしまっている人は、実はいくらでもいるように思う)。
    明るめの音色も、この曲にあっていると思います。この曲で、ああ、いいなと思って聴ける新録音を久しぶりに聴いた。マンゼはあまり自らを前面に出さず、エーネスのスタイルに寄り添っているように感じました。
    エーネスはすでに長いキャリアを持っているようだが、まだ若く、これから先がますます楽しみです。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/16

    この曲の演奏にありがちな贅肉がそぎ落とされ、聴いていて気持ちいいとさえいいたくなるくらい、納得感のある悲愴です。
    何かほかの指揮者と違うことをしようとしているわけではなく、楽譜に忠実に行こうとした結果がほかの演奏と違うだけなのではないか。強拍・弱拍の扱いも理にかなっており、恣意的というよりはむしろ、作曲家の意図に近づいたいるのないかと感じました。全体を通じて弛緩することがなく、非常に高い緊張感を保った名演と思います。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 12人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/12/31

     きのうきょうで、一気に聴いた。面白いかといえば、そういう類いではないかもしれない。なのに、じっくり聴き入ってしまった。作品への尊崇がにじみ出るような、とても武骨で誠実な演奏は、では堅苦しいかといえば、そうではなかった。オケの音は、シャイー(これも嫌いなわけではないが)のときとは別物のよう。透明感があり、肌触りは柔らかく、どちらかというとさらりとしている。しかし、そこからじゅわ〜っと胸にしみこんでくるような音楽なのだ。90歳の指揮者が披露しているのは、老成だとか器用だとか「巨匠的」などという言葉とは無縁の、謙虚で「若々しい」とさえ言いたくなる音楽。120歳まで振り続けたら一体どんな境地に到達するのか、ぜひ聴いてみたくなった。

    12人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/10/23

     なかなか入荷しないので、別口で購入したのだが、聴いてみて、これは奇跡的な名演奏だと確信した。これほどまでに、優しく柔らかく沁みてくるブラームスは、ほかにはない。

     ジェラール・プーレのヴァイオリンにははっきりとした特長がある。音程は無類に精確で、リズムを無闇に揺らすこともない。その折り目正しさは、師匠のシェリング譲りなのだろう。そして、たっぷりとヴィブラートをかけた、少し明るめの音は、不思議なことにまったく余分な飾り気を感じさせず、とびきり清潔な響きがする。どんなに力強く弾かれた音もとげとげすることはなく、一音一音がどこまでも大切にされているのを感じる。作品と作曲者への愛着と尊敬があふれた演奏だ。

     80歳を目前にしてこれだけの技術を維持していること自体が驚異的だが、半面、それだけ熟しているから実現できる演奏なのかもしれない。

     このヴァイオリニストは、母国では「フランスの至宝」とまで言われる存在で、間違いなく世界のトップクラスにいる超々一流の音楽家。メジャーレーベルではほとんど録音を残していないので、日本ではあまり知られていないのかもしれないが、実は日本をフランスと並ぶ活動拠点にしている。今回、このCDが日本で録音され、日本で手にして聴けるのは、本当に幸運だ。

     ピアノは、ヴァイオリンと楽器の構造も音の質も違うが、この二つの楽器がこんなに融け合って響くことも、そうそう多くはないだろう。
     ずっと聴いていたくなるような極上のブラームスが、ここにある。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/02/08

     大好きな指揮者なのだが、アーノンクールの衰えを感じずにはいられないアルバムになってしまった。まず、なぜウィーンフィルを起用したのか。クレーメルとのヴァイオリン協奏曲では、ウィーンフィルをアーノンクール色に染めつつ、ウィーンフィルならではのよさを引き出していたと思うが、この演奏は中途半端。何度聴きかえしても、コンツェントゥス・ムジクスでなくウィーンフィルを使った理由がわからない。テンポの弛緩、オケとピアノの拍のずれ...期待が大きかっただけに、落胆はそれ以上に大きい。24番の最後に軽いサプライズがある程度で、凡百の演奏の一つにしか聴こえなかった。
     ランランのピアノソナタは、ライブ用の演奏で、モーツァルトの曲に聴こえない。特にアンコールのトルコ行進曲は、品格を感じさせない演奏。
     なぜ、こんなことになってしまったのか。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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