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tasuke さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/08/09

    「ピープル・ヘル・アンド・エンジェルズ」が出されたことにより、かえってこの作品の位置づけがはっきりしました。「エレクトリック・レディランド」完成後のエクスペリエンスの完成期あるいは限界を示す意味合いの編集作品です。さらに「クラッシュ・ランディング」「ミッドナイト・ライトニング」という改悪作品を完全に踏みつける意味合いも含んでいます。たしかに、69年のヨーロッパ公演、北米公演のためのセッション音源中心ではありますが、常に曲に新しい息吹を吹き込もうとしていたジミのこと。エディ・クレーマーがこれらのリールを聴いて聴いて、12曲を残した意味は軽くありません。

    1. Stone Free  悪名高い「Clash Landing」収録曲のオリジナル・テイクです。久々に同アルバムを引っ張り出してみましたが、寝ぼけている頭を引っぱたかれるぐらいのインパクトの違いがありました。このセッションは4CDボックスでも使われていますが、決定版を成しておきたいというエディ・クレーマーの意志なのでしょう。ベースにコックス、ドラムズにミッチェルです。
    2. Valleys Of Neptune  このコンピレーションの目玉である未発表曲。曲の発想は69年2月から、録音は69年9月と70年5月。かなりの難作業だったことがうかがい知れます。ここで採用されたものはテイク5だそうで、ジミのボーカルとJuma Sultanのパーカッションだけが69年のもの。「Night Bird Flying」を彷彿とさせるような明るい曲調とジミの伸び伸びした声が素晴らしいと思います。ビリー・コックス、ミッチェル。
    3. Bleeding Heart  もともとはエルモア・ジェイムズの曲の改作だそうで、ベースにビリー・コックス、ドラムズにロッキー・アイザック。「South Saturn Delta」にも別テイクが収録されています。
    4. Hear My Train A Comin’   4CDボックスと「Blues」に収められたテイクが69年2月なのに対して、このテイクは69年4月。悪名高いアラン・ダグラスの「Midnight Lightning」収録バージョンのオリジナルのようです。異様な緊張感が最後まで継続します。レディング、ミッチェル。

    5. Mr. Bad Luck  オリジナル曲は66年のジミー・ジェイムズ&ブルー・フレイムズ。「South Saturn Delta」にも別テイクが収録されています。この曲だけ67年の録音です。ベースとドラムズだけは87年に差し替え演奏。レディング、ミッチェル。
    6. Sunshine Of Your Love  この曲が演奏されたのはステージ上だけのこと、スタジオ録音は初お披露目。69年2月です。レディング、ミッチェル。パーカッションのRocki Dzizornuは、ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」でも叩いているとのこと。おそらくライブのための音合わせなのでしょう。途中レディングのソロ部分では、ギターがリズム楽器の役割しか果たしていません。
    7. Lover Man  6.と同じセッションから。「Here He Comes」として知られています。元歌はBBキングの「ロック・ミー・ベイビー」ですね。このベース、ドラムズも87年の差し替え演奏。
    8. Ships Passing In The Night  69年4月、「Night Bird Flying」の原型です。ギターの音をレスリー・スピーカーから出すというギミックを使っています。レディング、ミッチェル。

    9. Fire  この曲も69年2月のセッションから。ロイヤル・アルバート・ホール出演を控えたデモという位置づけです。
    10. Red House  同じセッションからです。初期バージョンと比べると歌が上手くなってますね。実にいいです。
    11. Lullaby For The Summer 2本のギター(うち1本はオクタビアというデヴァイスを通した音)のオーバーダブによる軽快な曲。アラン・ダグラスの「クラッシュ・ランディング」制作により散逸し、その後見つかったリールからの復元。69年4月、レディング、ミッチェル。
    12. Crying Blue Rain  Rockiのコンガ を加えた69年2月のセッションから。スローなリズムに、歌詞が決まっていないスキャットを合わせています。途中から一転して軽快なロックンロールになります。

    エクスペリエンス・ヘンドリックス設立後のコンピレーションの位置づけを書くと、「サウス・サターン・デルタ」は、旧「レインボウ・ブリッジ」「ウォー・ヒーローズ」など収録曲で「ファースト・レイズ〜」から落ちたものの拾遺集。「ヴァレイズ・オブ・ネプチューン」が、「エレクトリック・レディランド」以後でバンド・オブ・ジプシーズ以前。「サウス・サターン・デルタ」と合わせてアラン・ダグラス作業を完全に塗り替えてしまいました。「ピープル・ヘル・アンド・エンジェルズ」は、バンド・オブ・ジプシーズのスタジオ録音盤の意味合いがあります。いずれも「ファースト・レイズ〜」を聴いてからが判りやすいと思います。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2013/08/09

    このアルバム発売のときの喧騒を覚えています。まるでレコード店が祭りのような状況でした。(初回限定で紙鉄砲がついていました。)当時の我が国の人気では、エアロスミスを凌駕し、クイーンと肩を並べていました。直前の日本公演の印象からだったのでしょう。彼らはしっかり日本をマーケットとして認識して、世界市場へのステップと捉えていたようです。キッスのことを考えると、つくづく微妙なバランスの上に成り立っているバンドだと思います。仮装行列のような衣装と白塗りは、ヘタすればキワモノ、オカルトに結びついてしまいます。ところが彼らの音はヘビーであるものの、歌ものの良さを忘れずメロディも一流。実に王道ポップスなのです。

    キッスはロックの構造改革から生まれたグループです。彼らは、アドリブとかインタープレイとかに関心がなく、ライブはビジュアルと音を融合させたショーに徹しています。おそらく傑出した演奏家でないことを自らわかっていて、サーカスの芸人がきっちりしたパフォーマンスをこなせるよう練習するのと同じ方針だったのだと思います。それが実に潔いです。その代わりに作曲には相当時間をかけ、曲を選びぬいていったはずです。

    さて、エディ・クレーマーの音づくりについて触れます。ギターの切れ味と音の迫力、ドラムズの臨場感、ベースのくっきりした輪郭など素晴らしいです。けれん味ある音ではないのに、とてもエキサイトできる録音と制作。この作品を聴き始めると、きらびやかな音に頬がゆるみます。

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     2013/07/13

    ファースト・アルバムに全てがある、という言い方は、ドアーズとピンク・フロイドにこそふさわしいと思います。全体を貫くのは「陽気な狂気」というべき、特異な肌触りです。けして演奏力がある、と言えない4人が従来のブルーズや英国ビートの延長にない、全く新しいロックの典型を生み出したのは驚きです。考えようによっては、のちのジャーマン・ロックなどは全て、フロイドの亜流と言えるかもしれません。ドラッグの影響が指摘され、わたしはドラッグがどのようなものか分からないんですが、例えば酒でぐでんぐでんに酔っぱらって完全ハイの状態で、これだけの作品構成ができるんでしょうか。勢いにまかせている部分も多いです。けれど、一方で冷徹に計算された視線も感じます。

    やっぱりシド・バレットです。「インターステラー・オーバードライブ」や「アストロノミー・ドミネ」で聞けるギターは、ジミ・ヘンドリックスよりはね跳んでいます。この作品ののち、彼は精神症でリタイアを余儀なくされ、シドのみが何故「あちらの世界」になるのだ、という巨大な問いが残りのメンバーを創作へと駆り立てていきます。シドの存在は、フロイド立ち上がりのエネルギーであり、その後のフロイドの存在意義そのものになっていった、と言えます。つけ加えれば、リック・ライトの、演奏よりサウンド・デザインを重視したキーボード、ニック・メイスンの呪術的ドラミング、ロジャー・ウォーターズの異様としか言いようのないベース・ラインも、大事な要素。

    間違いなく、この作品の登場によってロックは階段をひとつ昇りました。

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     2013/05/25

    70年代のブリティッシュ・ハードやプログレが、どんどん時代を感じさせるアナクロなものになっていく(そのアナクロさに魅力が出てきている昨今ではあるのだが)一方で、当時のジャズ・ロックやブリティッシュ・ブルーズは、全然古くならない。基本がブラック・ミュージックだからと言ってしまうと身も蓋もないので、やはりジャズ・ロックが時代と迎合していなかったからだ、という結論を出したい。

    グリーンスレイドは、当時プログレ中堅どころでは珍しく日本盤が出なかったグループだった。デイブ・グリーンスレイド(コラシアム)、デイブ・ローソン(ウェブ)、アンディ・マクローチ(キング・クリムゾン)という面子にしてこれだ。輸入盤をそろえるのに苦労した覚えがある。理由は明白で、当時日本ではギタリスト不在のバンドを格下に見る傾向があった。

    特別な主張があるグループではない。コラシアム以降のジャズとロックを融合という方法を発展させ、楽しめるキーボード主体音楽をつくることを目的とした音楽主義的なグループだ。けしてリスナーに緊張や喝采を求めないバンドだ。ドラマーがアンディ・マクローチなのも、ダブル・キーボード体制をバックアップするに、彼の繊細なリズムが必要だったからだろう。初めて聴く人に優しい耳触りのよいサウンドである。

    3作めにあたる。特徴はグリーンスレイドとデイブ・ローソンの協調体制が崩れ、両者の曲がはっきりと分かれてきてしまっていること。その分、前2作に比べ多彩な曲に思える。そして、クレム・クレムソンがゲストとして参加、部分的に素晴らしいギターを聴かせる。5.Joie de Vivreは、アルバム中白眉と言える曲で、クラシックからの引用のあるキーボードもよいが、デイブ・ローソンのボーカルも素晴らしい感動的な曲。2.Little Red Fry Upはローソンの作で展開の激しい曲。ブリッジでクレムソンのギターが出る。1.Spirit of the Danceはグリーンスレイドの作で、非常にクラシカルな風味でありながら親しみやすい。全体を通して、トニー・リーブスの躍動するベースがバンドを支えていることをつけ加えておきたい。

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     2013/05/24

    スージーの潔癖すぎる創造世界にリアリティを与えたのは、バッジーの鼓動を思わせるドラムとジョン・マッギーオ(マクガフよりこちらの発音みたいです。)のギターでした。ジョン・マッギーオという不思議なギタリストは短いキャリアを、ハワード・デボート、スージー・スー、リチャード・ジョブスン、ジョン・ライドンという自我の強いパフォーマーと共演することに費やしています。ある時は切れ味あるカッティング、ある時は皮膚がヒリヒリするようなアルペジオ。けしてソロを弾かないスタイルながら、どのアルバムにおいても聴く者に強烈な印象を残すギターです。そして、彼にとってのベスト・ワークがおそらく、この作品であります。

    「カレイドスコープ」は、スージーのソングライティングが開花した作品。次の「キス・イン・ザ・ドリームハウス」が、彼女が自分の感性を完璧にプロデュースした作品。この作品は、ひょっとすると、ジョン・マッギーオが曲づくりを彼女に教えた作品なのではないかと思っています。バンシーズの仕事を単純に言ってしまうと「スージー・スーは世界を、こう捉える」ですから、マッギーオの仕事は、彼女にギタリストを選ぶ基準を与えたことなのではないか、とも考えられるのです。

    マッギーオ抜きでも、バンシーズは良作を何枚も残していますが、この時期のマッギーオの存在の大きさは、そんなことまで考えさせます。傑作です。

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     2013/05/14

    ワン、ツー、ワンツースリ、ドガッ!! …よくロック界で偉大なイントロとして、「ユー・リアリー・ガット・ミー」「20センチュリー・ボーイ」なんかが挙げられますが、わたしは何と言っても「キャント・ゲット・イナフ」でございます。バッド・カンパニーは、ポール・ロジャーズが親日家ということもあり、デビュー当時わが国で最も認知されていた英国グループでした。何しろ「夜明けの刑事」というテレビドラマのテーマを書き、演奏していたぐらいです。炎天下に汗を拭き拭き聞き込みに回る坂上二郎のバックに、♪ヨア〜ケ〜ノ〜、と突如流れてくる彼らの演奏に戦慄を覚えたものです。

    フリーが短命だったことも手伝って、バッド・カンパニーには、いつか解散するんじゃないか、という匂いがいつもつきまとっていました。アルバム発表も順調だったのは最初だけです。彼らは、デビュー・アルバムこそがピークで以降下り坂を駆けるようにボルテージが落ちていきます。ポール・ロジャーズの脱退にボズ・バレルの悲報…。しかし、バッド・カンパニーは、常に別格でした。このデビュー・アルバムがあるだけで。

    ミック・ラルフスは老いてしまいましたけれど、いまだに彼らは健在です。恐ろしいことに、ポール・ロジャーズにいたっては、最近のライブと比較すると、このアルバムでの歌を未熟に感じるぐらいです。そして「キャント・ゲット・イナフ」。ライブではサイモン・カークが興奮して叩き過ぎてしまう曲でもあります。英国ロックの全てがつまっているアルバムであり、英国ロックでビートルズの次にわかりやすいアルバムだと思います。聴いてください。

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     2013/05/14

    70年の米国独立記念日を中心にした3日間の野外フェスの録音。ベトナムで交戦中の米国で、反戦派、国防派それぞれの議論が渦巻くアトランタ。おそらくは会場に集まった若者たちにとって単なる野外フェスという以上に、同世代の不安感、不満などの空気を共有する意味があったのかと想像します。とりわけ暑い南部の大豆畑で、フェスのオープニングとトリをつとめたのがオールマン・ブラザーズ・バンド。BBキングやジミ・ヘンドリックスも名を連ねている参加ミュージシャンの中で、彼らはまだアルバムを一枚か二枚発表しただけの新進グループという位置であったはずです。2枚目のディスクの演奏は7月5日と記載されておりますが、ほとんど6日の明け方近くだったと聞きます。

    わたしは「フィルモア・イースト」やニューヨークのスタジオ・ライブもよく聴きます。2作の収録は71年。このライブは野外であること、地元であることが何よりも特徴なのかなと思います。時間の制限もあるようでない。聴衆が喜んでいるなら好きなだけジャムを続けることができたはずで、その伸び伸び具合が心地よい。象徴がDisc2の「Mountain Jam」の開放的な演奏です。彼らの、明るいのか暗いのか、乾いているのか湿っているのか判然としない、しかし骨太な音を聴いていると、時代の空気まで伝ってくる気持ちがします。

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     2013/05/14

    このコンピレーションは、(かつてエリック・クラプトンが在籍していた)クリームというグループのBBCセッションという視点で制作されています。だって、ライナーノーツがクラプトンのことしか書いてないですから。どの曲のコメントも、クラプトンはこう弾いた、新しいデバイスをここで披露した、という書き方です。クリームを知らないユーザーが初めて聴いたら、クラプトンと彼をバックアップするブルース、ベイカー、という形に誤解してしまいそうです。

    ひょっとするとBBCは、彼らの現役時代からそういう視点でしかクリームを見ていなかったのではないでしょうか。羅針盤だったジャック・ブルースがインタビュー嫌いだったとか…。何か事情がありそうです。演奏は、プロモーション以上のものではありません。スタジオ録音の緻密なコンポジションも、スリルあふれるソロをぶつけ合うライブの魅力も味わうことができません。ああ、この曲はこんなスタイルで演奏していたんだ、という資料的価値はあると思いますが…。BBCセッションの出来不出来はあって、ツェッペリン、フリートウッド・マックの成功例とフー、フリーのような投げやり例とがあります。この盤はフリーほどひどくはないですけれど。

    そうは言っても、そこはクリーム。彼らのユーザーであれば、外すわけにもいかないのです。

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     2013/05/14

    オールマン・ブラザーズのファミリーから、よくこんな素直な若者が育ったもんだと思います。デレク・トラックスです。幼少からアリストテレスやプラトンを読みこなしていたという彼は、ブルーズやロックンロールも哲学書と同じように吸収したのでしょう。うならされるのは、音楽の間口の広さと深さです。根底にあるのは人間に対する深い関心であり、積極的にヒューマニズムを肯定する音楽です。デレク・トラックス・バンドのメンバーが映っている写真を見るととても理知的な印象があります。フィールドは全然違いますが、かつてイエスがこんな感じでした。しかし、イエスのような乾いた完璧主義にはならず、とても暖かい音楽なのは、まだまだ音楽と人生に対する探究心が旺盛である証拠です。

    オープニングの1. Down In The Flood も素晴らしいですが、わたしの好きなのは6. Get What You Deserve。ドシャドシャと叩くドラムズに堅実なベース。埋もれた20年代ブルーズ曲の掘り起しかと思いました。ギターの歪み具合が素晴らしく、ふっと気を抜くと傷だらけのシングル盤を聴いているかと錯覚します。実にカッコよいです。テデスキさんの歌う曲もアクセントになってまたよいです。

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     2013/05/14

    何と言ってもサム・クックを越えて彼方に行ってしまったのではないかというスティーブ・マリオットの歌いっぷりに打たれます。こんな歌い方をしていたら、普通喉がもたないでしょう。一方でグレッグ・ライドリー、クレム・クレムスン、ジェリー・シャーリーのソリッドな演奏もまた特筆すべきものなのです。ブラックベリーズという女声三人コーラスが潤滑油になっておりますが、彼女たちがいなかったら摩擦熱で発火していたかもしれません。

    この作品、考え方に次のふたつがあります。
    1)マリオットのR&B狂いを何とか元に戻そうと、メンバー三人がブリティッシュ・ロック直系の演奏をしている。
    2)マリオットにメンバー三人がついていこうとしたが、体に刷り込まれたブリティッシュ臭さを消すことができなかった。
    つまり、ギターもドラムズも英国ハードそのものの音と言えて、そこがファンキーになり切れていない要因です。わたしはディープ・ソウルがどちらかと言うと苦手なので、この演奏形態を支持できるのですが。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2013/05/14

    リトル・フィートをこれから聴こうとするユーザーで最初にこの作品から、という人は稀だと思います。…が、本来はこの作品から聴いた方が彼らの全体像を理解できるのでしょう。マザーズから飛び出して人間臭い音楽をやろうとしたローウェル・ジョージと、それに賛同するメンバーの勇気あるファースト・ステップと少々の気負いを感じることができます。おそらくこの段階ではローウェル・ジョージの中で、フィートのスタイルをこうするんだ、という確信はありません。フィートがフィートらしい音楽るつぼと化していくのは、ビル・ペイン、ポール・バレールのジャンル横断的な素養と、リッチー・ヘイワードの勘の良さにも大きな要因があると思っています。

    しかしローウェルがいなかったら成り立たなかった、ということは事実です。彼のエキセントリックさはすでにこの作品から顕著。ギターなどは、この後の作品よりヘビーなぐらいです。聴きこむと他の作品にない味わいが徐々に感じられてきます。

    これからフィートの音楽を聴こうとするユーザーのかたに。けして大人買いしないでください。自分の経験では、どの作品でも腑に落ちてくるのに1か月はかかっています。「ディキシー・チキン」は腑に落ちるのに数年かかりました。咀嚼するのに時間のかかるタイプの音楽なのです。時間をかけて一枚一枚聴きこんでいくことをおすすめします。

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     2013/05/14

    父親の仕事の関係で幼少時期に世界中を転々としていたジャック・ブルースが育った町。それがスリーブデザインになっていて、そこで遊んでいた子どもたちと写真に収まっています。ライフタイム参加後に制作したソロで、ピート・ブラウンの協力を得て自身の過去を曲にしています。クレジットがあるのは、クリス・スペディングとジョン・マーシャルだけなので、大きな役割を果たしているピアノもブルース自身が弾いているのでしょう。時に現代クラシックのような不思議なメロディラインが耳に残ります。ジャック・ブルースは不思議な人で、バンドをつくるとジャズでもヘビーロックでも爆発的な貢献をすることが多いのに、ソロになると内向的な緊張感ある音づくりになるようです。

    時折聞かれるスペディング、マーシャルとのコンビネーションは、重くて深みがあります。特異なメロディのせいで、すぐ、うわあ〜っとなる曲はないのですが、繰り返し聞くうち、胸を締め付けられるような寂寞感が込み上げてきます。

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     2013/05/14

    わたしが最初に聴いたジョー・ウォルシュのアルバムはライブだったため、この作品の「ロッキー・マウンテン・ウェイ」を聴いたとき驚きました。ライブ録音以上にルーズで派手で迫力がある。スライド・ギター(それも左右ダブルトラック)に、ホンキートンク調ピアノ、三連符を刻み続けるリズム。特にアタックの強弱あるドラムズとカッコいいフィル・イン。最後はクラビネットとトーキング・モジュレーターのダブル・トラック、スライドが壮絶にからみながらクライマックスです。最初から最後まで同じリフなのに、どうしてこんなに魅力があるんだろう、と呆然としました。

    ジョー・ウォルシュの結成したバンド、バーンストームの2作めです。ジョー・ヴィターレ(ドラムズ、キーボード、フルートほか)、ケニー・パッサレッリ(ベースほか)、ロッキ・グレース(キーボード)がラインナップ。ウォルシュはボーカル、ギターのほか多彩な楽器を演奏していて、アレンジ力も並大抵ではありません。ヘビーな曲は「ロッキー・マウンテン・ウェイ」だけで、あとは判りやすいメロディをもつ曲で構成されています。ウォルシュの特徴は、単なる売れ線ポップ路線に決してならないところです。ジャズやフォークのフレイバーも投入されています。それがまた渋いのです。

    当然彼のギタープレイだけ集中して聴いていても素晴らしいのですが、多彩なアンサンブルも大変聴きごたえあって、全然飽きません。あとは「Meadows」もいいし、「Wolf」もいいし、ヴィターレ作「Days Gone By」もドラマチックだし…。かゆい所に手が届く盤です。

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     2013/05/14

    デビュー時に「Humble Pie=できそこないのパイ」と自嘲気味に名づけられたバンドが、ついに「食べてごらんなさい」と言い切った作品です。

    ブリティッシュ・ロックのカッコよさをこれほど持っているグループを、あまり思いつきません。スティーブ・マリオットの存在感がいちばんの理由であります。一方、バックを固めるメンバーがまたすごい。南総里見八犬伝やワイルド7を思い出してしまいます。まず、グレッグ・ライドリーです。彼はスプーキー・トゥースという渋さの極致みたいなグループ出身で、実に堅実かつ巨大音のベースを弾きます。パイがソウル・ミュージックに近づいたこの時期、彼の繰り出すベースが最大の魅力です。ジェリー・シャーリーは叩きまくり名人、かつ変則ビートも達者です。このふたりほど強力なリズム・セクションを持っているグループは、ツェッペリンかBBAぐらいしか思いつきません。

    そしてデイブ・クレムスンです。(時にクレム・クレムスンと名乗ります。)後年コージー・パウエルほかさまざまなセッションにも参加しますとおり、英国ロックのリフを全部知っているのではないかと思うぐらい、引き出しの多いギタリストです。彼ら犬、猿、雉を従えた桃太郎が弱いわけがありません。マリオットだったら、フェイセズのボーカルだって、バッド・カンパニーのボーカルだって務まるでしょう。(務めませんが)

    LP時代にD面だったライブに注目が集まりますけれども、旧A面、B面のハード路線、ソウル路線もとんでもない迫力です。(わたしは、これも音のよいライブだとしばらく思い込んでいたぐらいです。)ハンブル・パイには代表作がない、とよく言われます。実は全部が代表作なのではないでしょうか。

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     2013/05/14

    ファーストアルバムの1曲目から始まってしまう、オールマン・ブラザーズ・バンドにとって原点を踏まえなおそう、という意図がくみ取れるライブです。2000年のニューヨーク公演で、ほぼ半月もロングランし続けた中からの編集。彼らにとって、ここでリセットしなければならなかった理由は、ウォーレン・ヘインズ、アレン・ウッディー在籍期の第二次黄金期が終わった区切りにあたるからです。代わって参加するのがデレク・トラックス。彼は、ここでの大舞台に気負ったり、気押されたりすることなくさりげなく登場してきます。でも、一聴で彼のギターとわかるもので、その個性たるや恐るべしです。

    彼らのライブの中でも最もゆったりした印象を与えます。長いジャム曲は少なめ。ところが最後に「High Falls」がやってきます。ディッキー・ベッツ作で「Win, Lose or Draw」というあまり華のない時期の作品収録ゆえ、わたしはこの曲を知りませんでした。たんたんとしたアンサンブルが、徐々に各パートのソロ応酬になっていくジャム曲で27分あります。(この曲のベースがアレン・ウッディーだったらな…と思わないでもありません。)ここでのトラックスの演奏は、すでに堂々としたものです。

    彼らのライブはダブルCDであることが多く、ついつい勘違いしてしまうのが作品のヴォリューム。シングルCDでも70分以上の演奏で、満腹感は保証いたします。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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