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saitaman さんのレビュー一覧 

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     2022/01/03

    ギドン・クレーメルがEMI,TELDEC,ERATOに行った録音をまとめたボックスセット。半分以上持っているが、足りないものを探して追加するよりこうしたセットが出たときにまとめ買いした方がお得なので買った。クレーメルは、西側でデビューした当初はこのボックスの最初の方にもあるようなカラヤンやムーティといった正統派の指揮者たちとクラシック音楽の王道というべき作品の優れた演奏を録音している。しかしその後は、交友のあるShnittke、バルト3国の音楽家たち、さらにはブームを巻き起こしたPiazzollaと、定番の曲を似たような演奏で量産するよくある音楽家の道に別れを告げ、独自路線を歩むようになっていった。このボックスは、保守的なクラシック音楽の世界で異端児扱いされながらも、挑戦を続けたクレーメルの変遷の軌跡をまとめてたどることができるという点でも、唯一無二の貴重なセットになっている。”FROM MY HOME”と名付けられたバルト地域の作曲家たちへの敬愛を込めたアルバムは本当に素晴らしいし、Petreis VasksのVoiceなども掘り出し物だった。ブエノスアイレスのマリア」はタンゴのオペラ。アルゲリッチとも組んでいる。録音は一番古いものでもステレオ録音の技術が安定した1970年代後半のもので音質は問題ない。

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     2021/12/26

    イギリスの作曲家ディーリアスの作品の中で、雰囲気の良い親しみやすい管弦楽作品もしくはパートを集めて作品集にしたもの。正直、期待したほどではないが、21世紀に入っての録音で音は良いし、ディーリアスの雰囲気に浸りたいときには手軽に聴けるアルバムになっている。

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     2021/12/26

    ブーレーズのピアノ独奏曲の中で正式に残されたものを2枚組の全集として録音して出されたもの。明らかに売れ筋のものではないが、それだけに貴重な録音になっている。ブーレーズは指揮者として名高いが、前衛音楽の闘志としてクラシック音楽の最前線を引っ張り、同時に作曲家としても精力的に活動していた。まさに現代音楽という曲ばかりで、フランス人のピアニストも微妙な表情付けを行いながら真剣に作品と向き合い、緊張感のある演奏を繰り広げている。2015年の録音で音質は全く問題ない。

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     2021/10/24

    安定した演奏で、情に流され過ぎず、とんがりすぎてもいない、中庸を行く解釈。フランスのピアニスト、バウゼのドビッシー。すべて21世紀に入ってからのスタジオ録音で、音質は非常に良い。

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     2021/09/20

    イギリスを代表する作曲家の一人、ディーリアスの150周年記念ボックス。耳あたりの良い管弦楽が有名だが、このボックスではそれだけでなく、「Koanga」「A village Romeo and Juliet」「Requiem」といった、歌劇、合唱曲がたくさん含まれている。とにかくたっぷりディーリアスである。メニューインのバイオリンソナタは名演である。ただ、いろいろな録音を集めたものなので、音質はかなりばらつきがある。

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     2021/09/12

    厳格で、素朴で、極めて安定感のある確固とした演奏だ。残響の長い教会での録音であることもこの演奏にはプラスに作用しており、無伴奏ヴァイオリンの透明感のある音色が神々しく響き渡っている。

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     2021/09/11

    43歳で亡くなったロシアの天才作曲家スクリャービンの、マズルカ、詩曲、ノクターン、といった作品群を集めたもの。幻想的で、怪しく、移ろい、古典的で、現代的で、美しく、神秘的で、きらめくような、つかみどころがないような、独特の世界観の音楽が展開される。これだけ幅のある多彩な作品をダイナミックに弾き切るピアニストの力量は素晴らしい。2019年にロンドンで行われたスタジオ録音で、音質も問題ない。

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     2021/09/05

    フランスを代表する女流ピアニスト、アンヌ・ケフェレックの録音集。抒情性あふれる細やかな解釈の演奏が多い。スカルラッティは表情が豊か。ショパンはチャーミング。リストの名曲集は男性ピアニストの力強い演奏とは明らかに違っており飽きずに聴かせる。メンデルスゾーンのトリオも印象に残った。サティはチッコリーニなどとは違った個性を出している。後半のラベルのピアノソロ全集は大変見事で、特に「夜のガスパール」はたくさんあるこの曲の録音の中でもトップクラスの名演である。最後のデュティユーは掘り出し物で、演奏自体はもちろん素晴らしいし、録音自体が少ない作品ばかりなのでその点でも貴重である。知名度とキャリアの長さを考えると地元フランスのエラートの録音を全部集めてもたった21枚しかないのかと不思議になってくる。時代的にステレオ録音が完成期に入って以降のものばかりなので、残響が少し強めだったりするものはあるが、基本的に音質は問題ない。

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     2021/08/15

    素晴らしい作品集。ナッセンとP.ゼルキンのコンビは東京都交響楽団の定期演奏会で聴いたことがあるが、この録音ではLondon Sinfoniettaとともに、透明で素朴で少し内省的な武満音楽を、見事に響かせている。録音も優秀。

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     2021/07/10

    イギリスのピアニスト、ファーガストンプソンの代表的な録音。抒情性があり、かといって独自過ぎず、端整で、聴かせる。個人的にドビッシーの全曲録音は6セット持っているが、かつてフランスを代表するピアニストだったモニク・ハースが遺したものとこの全集が特に気に入っている。録音はハース盤よりこちらの方がだいぶ新しいので音質的には優位性がある。Music Retailers Association awardsというのを受賞しているそうだ。

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     2021/06/27

    フランスの近代作曲家イベールのピアノ曲集。演奏はそれほどフランスぽくないが、几帳面で、正確で、録音も悪くない。録音自体があまりない曲が多いので、貴重なアルバムである。

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     2021/05/09

    チェコを代表するピアニストだったイヴァン・モラヴェツの主要な録音をまとめた記念ボックス。すべてステレオ録音だが、スタジオ録音とライブ録音のものがある。粒立ちのしっかりしたタッチから、芯がありながら非常に美しい音色で、硬軟使い分けた優れた表現力の演奏を展開しているものが多い。ショパンのマズルカや舟歌そしてドビッシーは、数あるこれらの曲の名演の中でも卓越している。抒情あふれる熱血ノイマン&チェコフィルと組んだベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番もかなりの名演である。フランクも悪くないし、地元チェコ出身の作曲家の作品を集めたCDも1枚ある。DVDはコンサートでのラヴェルやプロコフィエフのピアノ協奏曲の演奏の様子などが収録されている。出身地のプラハ中心に活動した人で知名度は当時の国際派の名手たちには劣るが、非常に実力のあるピアニストであったことがよくわかる。

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     2021/05/02

    英文のライナーノートによると、パルムグレリンは「北欧のショパン」と言われているらしい。70分以上の収録時間となっており、5作あるピアノ協奏曲のうち第1番から3番までとピアノとバイオリンのための小品が7作収められている。ピアノ協奏曲の第4番と第5番はない。作風としては、すべてロマン派に分類できる作品である。録音は北欧の演奏家たちによる完成度の高いもので、音質も極めて優秀であり、条件としては文句のないものであると考えられる。個人的には、作品そのものが取り立てて推すほどのものではないかな、もっとはっきり書けば、期待したほどではなかったかなと思ったが、あとは好みの問題である。

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     2021/05/01

    長い間かかってようやく全部聴き終えた。バーンスタイン晩年のDGの録音集。2集に分かれていて前半はベートーベンなどアルファベットの前半の方の作曲家の作品となっており、こちらはMから。シューベルトやシベリウスも名演だが、なんといってもこの中で特筆すべきはマーラーだろう。マーラーの録音史の中でも欠かせない全集といえるからだ。特に、第6番はかなりの名演である。第9番は複数録音が入っている。最後の数枚は古い録音を使ったレクチャーみたいなものになっている。

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     2021/03/14

    ウラディミール・ホロヴィッツがRCAとCBSに遺したショパンの録音を全てまとめたボックスセット。モノラル、ステレオ、ライブ、スタジオ録音とひと通り集めてあり、年代の幅も広い。ただ、モノラルの古い録音は音が悪く、よほどのファンでない限りオススメできるものではない。ライブは近年多い最初から録音を意識したものというよりは、あくまでその場の聴衆のために演奏されたものを記録したものではないか思われるものが含まれ、演奏はミスが結構あるし、音質的にもマイクのセッティングが十分とは思えないものが含まれる。曲の解釈は個性的である。教科書的なショパンの演奏からは離れ、かなり自由な感性で弾いており、そこが琴線に触れる人がいるのは理解する。選曲も特定のピースへの偏りがみられ、いかにもこのピアニストらしいと思う。ショパンというよりはホロヴィッツが弾くショパンの記録を楽しむアルバムであり、ホロヴィッツのファンにとっては貴重なセットであると思う。

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