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saitaman さんのレビュー一覧 

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     2022/05/14

    ハンガリーを代表するピアニストの1人だったゾルターン・コチシュの全集。安定したテクニックと粒立ちのあるタッチ、ダイナミックなリズム感で、優れた演奏が次々展開されている。一番特徴的なのは母国の偉大な作家バルトークの作品の数々で、研究を重ね、非常にこだわりを持って録音に臨んだことがうかがえる。バッハやモーツァルトも悪くないし、ラフマニノフはスケール感がある。ドビッシーはかなり良かった。録音はPHILIPSらしいサウンドで、クリアな中にもクラシック音楽らしいノーブルな響きがあり、音質はとても安定している。

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     2022/03/06

    プーランクはとにかく個性的な作品をいくつも作っている人で、明らかにドイツ・オーストラリアじゃないノリだし、スラブ系でもないし、新大陸ともちがっていて、やっぱこれってフランスだよね、しかもドビッシーでもラベルでもメシアンでもなく、どう見てもプーランクだわ、という独自の世界を築いている。偉大なる亜流の世界というか、どこまで気に入るかというのはともかく一風変わっているのは確かである。このBOXは、なんといっても、ピアノのタッキーノと指揮者のプレートルと、それぞれ第一人者だった人たちのプーランクの代表的な録音が揃っている。もともと持っているものとかなりダブっているのだが、足りないものを探して買うよりこういうお安いBOXセットを買った方が得なので購入。リマスタリングで音質もいくらか改善しているし。特に声楽・合唱曲をまとめて聴く良い機会になった。

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     2022/02/06

    古くに発売されたものを持っているしクリュイタンスは全集ともだぶっているのだが、フランソワの演奏のリマスタリングされたものを聴きたくて買った。確かに音はよくなっている。かといって、最近時々あるようなオリジナルからかけ離れたような驚くほどの違いではない。初期のCDのリマスタリングに比べたらこのくらいは違うのは当然だろうなと思う程度。フランソワはフランス音楽にはまるときには欠かせないピアニスト。技術や音というのではなく、独特の情感に個性と独自性があるので、時代が変わっても耳を傾ける価値がある。スタジオ録音でもライブのような感じが時々する。

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     2022/02/05

    ありきたりなようで、あまり見ない企画である。Danzi, Mozart, Devienne, Pleyel。18世紀の全部Mozartの様式に近い管楽器ソロのあるオーケストラ曲で構成した2枚組のアルバム。フランス語圏の名手たちが集まって時々活動しているレ・ヴァン・フランセのメンバーたちがそれぞれのソロの腕前をいかんなく披露しており、心地よく、そして楽しめる。音楽を愛する管楽器のプロフェッショナルたちの贈り物である。2017年の録音で、音質はとりたてて問題はない。難点はブックレットが少し厚めではめにくいことくらいである。

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     2022/01/30

    ノルウェーの作曲家、グリーグの作品の演奏をまとめた13枚組のボックスセット。大変お買い得な値段に設定されているので買って聴いてみた。「抒情小曲集」「ペールギュント」「ピアノ協奏曲」など有名な作品に加え、歌曲集やピアノソナタ、チェロソナタ、弦楽四重奏曲など、これひとつで代表的な作品ひと通りそろう。北欧の演奏家の比率が高めである。基本的にはデジタル録音のものが多くて音質も安定しているが、モノラルのメニューインのバイオリンソナタなどは感動的な名演である。シュワルツコフやフィッシャーディスカウなども登場する。とりあえずグリーグの作品は一通りこの箱だけでそろう上に、高コストパフォーマンスなので良い。

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     2022/01/03

    ギドン・クレーメルがEMI,TELDEC,ERATOに行った録音をまとめたボックスセット。半分以上持っているが、足りないものを探して追加するよりこうしたセットが出たときにまとめ買いした方がお得なので買った。クレーメルは、西側でデビューした当初はこのボックスの最初の方にもあるようなカラヤンやムーティといった正統派の指揮者たちとクラシック音楽の王道というべき作品の優れた演奏を録音している。しかしその後は、交友のあるShnittke、バルト3国の音楽家たち、さらにはブームを巻き起こしたPiazzollaと、定番の曲を似たような演奏で量産するよくある音楽家の道に別れを告げ、独自路線を歩むようになっていった。このボックスは、保守的なクラシック音楽の世界で異端児扱いされながらも、挑戦を続けたクレーメルの変遷の軌跡をまとめてたどることができるという点でも、唯一無二の貴重なセットになっている。”FROM MY HOME”と名付けられたバルト地域の作曲家たちへの敬愛を込めたアルバムは本当に素晴らしいし、Petreis VasksのVoiceなども掘り出し物だった。ブエノスアイレスのマリア」はタンゴのオペラ。アルゲリッチとも組んでいる。録音は一番古いものでもステレオ録音の技術が安定した1970年代後半のもので音質は問題ない。

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     2021/12/26

    イギリスの作曲家ディーリアスの作品の中で、雰囲気の良い親しみやすい管弦楽作品もしくはパートを集めて作品集にしたもの。正直、期待したほどではないが、21世紀に入っての録音で音は良いし、ディーリアスの雰囲気に浸りたいときには手軽に聴けるアルバムになっている。

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     2021/12/26

    ブーレーズのピアノ独奏曲の中で正式に残されたものを2枚組の全集として録音して出されたもの。明らかに売れ筋のものではないが、それだけに貴重な録音になっている。ブーレーズは指揮者として名高いが、前衛音楽の闘志としてクラシック音楽の最前線を引っ張り、同時に作曲家としても精力的に活動していた。まさに現代音楽という曲ばかりで、フランス人のピアニストも微妙な表情付けを行いながら真剣に作品と向き合い、緊張感のある演奏を繰り広げている。2015年の録音で音質は全く問題ない。

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     2021/10/24

    安定した演奏で、情に流され過ぎず、とんがりすぎてもいない、中庸を行く解釈。フランスのピアニスト、バウゼのドビッシー。すべて21世紀に入ってからのスタジオ録音で、音質は非常に良い。

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     2021/09/20

    イギリスを代表する作曲家の一人、ディーリアスの150周年記念ボックス。耳あたりの良い管弦楽が有名だが、このボックスではそれだけでなく、「Koanga」「A village Romeo and Juliet」「Requiem」といった、歌劇、合唱曲がたくさん含まれている。とにかくたっぷりディーリアスである。メニューインのバイオリンソナタは名演である。ただ、いろいろな録音を集めたものなので、音質はかなりばらつきがある。

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     2021/09/12

    厳格で、素朴で、極めて安定感のある確固とした演奏だ。残響の長い教会での録音であることもこの演奏にはプラスに作用しており、無伴奏ヴァイオリンの透明感のある音色が神々しく響き渡っている。

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     2021/09/11

    43歳で亡くなったロシアの天才作曲家スクリャービンの、マズルカ、詩曲、ノクターン、といった作品群を集めたもの。幻想的で、怪しく、移ろい、古典的で、現代的で、美しく、神秘的で、きらめくような、つかみどころがないような、独特の世界観の音楽が展開される。これだけ幅のある多彩な作品をダイナミックに弾き切るピアニストの力量は素晴らしい。2019年にロンドンで行われたスタジオ録音で、音質も問題ない。

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     2021/09/05

    フランスを代表する女流ピアニスト、アンヌ・ケフェレックの録音集。抒情性あふれる細やかな解釈の演奏が多い。スカルラッティは表情が豊か。ショパンはチャーミング。リストの名曲集は男性ピアニストの力強い演奏とは明らかに違っており飽きずに聴かせる。メンデルスゾーンのトリオも印象に残った。サティはチッコリーニなどとは違った個性を出している。後半のラベルのピアノソロ全集は大変見事で、特に「夜のガスパール」はたくさんあるこの曲の録音の中でもトップクラスの名演である。最後のデュティユーは掘り出し物で、演奏自体はもちろん素晴らしいし、録音自体が少ない作品ばかりなのでその点でも貴重である。知名度とキャリアの長さを考えると地元フランスのエラートの録音を全部集めてもたった21枚しかないのかと不思議になってくる。時代的にステレオ録音が完成期に入って以降のものばかりなので、残響が少し強めだったりするものはあるが、基本的に音質は問題ない。

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     2021/08/15

    素晴らしい作品集。ナッセンとP.ゼルキンのコンビは東京都交響楽団の定期演奏会で聴いたことがあるが、この録音ではLondon Sinfoniettaとともに、透明で素朴で少し内省的な武満音楽を、見事に響かせている。録音も優秀。

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     2021/07/10

    イギリスのピアニスト、ファーガストンプソンの代表的な録音。抒情性があり、かといって独自過ぎず、端整で、聴かせる。個人的にドビッシーの全曲録音は6セット持っているが、かつてフランスを代表するピアニストだったモニク・ハースが遺したものとこの全集が特に気に入っている。録音はハース盤よりこちらの方がだいぶ新しいので音質的には優位性がある。Music Retailers Association awardsというのを受賞しているそうだ。

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