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ROYCE さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/03/11

    ベートーヴェン生誕200年記念演奏会の映像である。フィルム編集者の名前がクレジットされているから、原版はフィルム収録なのだろう。オケ全体を撮影した時の細部の解像度はよくないが、指揮者の姿などを近接撮影した場合は鮮明に撮れていて、この年代にしては悪くない。初期のビデオ収録映像のようなボケボケじゃないので安心して鑑賞できる。音声はモノーラルだが映像と一緒に見ていると不足は感じない。撮影されるのが嫌いだった伝説の巨人の指揮姿を拝めるだけで満足。クレンペラーファン必携のソフトといえよう。

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     2020/02/25

    箱の裏側にこのシリーズのお約束である24ビットのリマスター印が書かれていないのは何故だろうと思いながら聞き始めたら、ピアノの音が割れるというか歪むというか耳障りな音が聞こえてきたのでがっかり。1978年ごろのセッション録音とは思えない低レベルな仕事だと思う。

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     2020/01/24

    20世紀の曲を弾くと恐るべきパフォーマンスを披露する庄司だが、これは凡庸な出来のディスクといえる。ベートーヴェンは真面目によく考えて慎重に弾いているが、それだけしか取り柄がないともいえる。流れが悪く退屈な演奏なのだ。庄司が実演で聞かせる華を期待すると裏切られる。ベートーヴェンのコンチェルトにつけたオリジナルのカデンツァはクライスラーやヨアヒムのレベルには遠く及ばず、ステージでの一回かぎりの実演ならともかくも、繰り返し聞かれるCDでは粗が目立ってしまう。第二楽章の聞かせどころ、霊妙な音楽をソロが奏でる箇所も予想の範囲内、普通の演奏に終始していて新たな啓示は感じられない。第三楽章はリズムが重くて少々もたれる。ライブ録音のシベリウスも湿っぽい演奏で切れが悪い。30歳を過ぎた庄司は音楽家として難しい年ごろに差し掛かってしまったようだ。

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     2020/01/23

    ジャケットに書いてある使用楽器の説明によるとモーツアルテウム大ホール所蔵の2台の小型据え置き型ポジティフ・オルガンと1台のCONTREPOSITIF WALKER・オルガンを使っているようです。マイクを接近させて録音しているため、かなり生々しい音が聞こえます。演奏、録音のいずれもいい感じで楽しめますよ。

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     2020/01/23

    CDのリマスターを手掛けたのはパリのスタジオ。旧EMIのART判の艶出し加工とはちがって、きめ細やかでしっとりとした落ち着いた音で聞くことができる。まだ全部を聞いたわけではないが、フルトヴェングラーとの一連の録音などは十分に満足できる上質な音質に改良されていて満足した。ブラームスのヴァイオリンソナタ3曲などもLPで聞けた音に近づいていて、かつて日本で出たセラフィム盤CDとは大違いの鮮明な音質になっていてうれしかった。

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     2019/10/22

    16ビットのデジタル録音をSACD化したいわる「なんちゃってSACD」だろう。オリジナルのCDと聞き比べると全体的に音が柔らかくなっているが、悪く言えば輪郭がすっきりしないふやけた音に変化している。質感も曖昧でオリジナルのCDの方がよほどナチュラルでいい。SACDといっても、音源が初期デジタル録音の場合は猫に小判、SACDの高性能が活用できないし、デメリットの方が目立ってしまう。

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     2019/10/09

    チャイコフスキーの音楽をド派手に鳴らすと外連味満載で嫌らしくなる。そういう大時代的な演奏も少なくない中で、賢明なユロフスキーは純音楽的な再現を心掛けているのだろう。これほど静的で繊細な味わいに満ちた「白鳥の湖」は珍しい。ロシアの楽団による演奏だが、ロシア的な土着性を強調せず、あく抜きをして、つとめて上品に演奏したチャイコフスキーになっている。外面的な効果を狙った仰々しいチャイコフスキー演奏が苦手な人でも、これなら拒絶反応は起こるまい。細部を丁寧に吟味して練り上げ、落ち着いたテンポでじっくりと聞かせる。今までにありそうで無かったタイプの演奏だろう。

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     2019/08/04

    さらさらとと流れてゆくようで、時々、ハッとさせられる瞬間がある。この大作が人間の声を主役にした音楽であることを、そして声の魅力そのものを再認識させてくれる演奏といえよう。曲自体に声を器楽的に扱う要素があるのに、そうは聞こえないのが好ましい。ヨーロッパの地方の小ぶりな教会で歌われた、ものものしくないミサ・ ソレムニスといった風情を感じる。スタイリッシュに決め過ぎてないこういうアプローチは、ありそうでなかった。オケは小編成と思われるが、ノンビブラートで弾いている。

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     2019/07/29

    インテンス・メデイアとかメンブランとかの安売りセットでも聞ける録音だが、こちらは放送局のオリジナルテープからCD化した正規盤だけあって、一皮むけた鮮明な音質になっている。モノーラルだが観賞するうえでの支障はない。フィッシャー・ディースカウの柔らかい歌唱に感心させられるし、クリュイタンスの指揮もあか抜けたすっきり系の音楽の運びで好印象。

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     2019/07/29

    さらさらと澄んだ水が流れるように音楽が流れていく。ロマン派風の濃厚な表情付けを嫌い、すっきりとあく抜きしたベートーヴェンといえようか。過去の巨匠らの名録音と比べるとコクが足りないともいえるし、これが今風のベートーヴェンなのかもしれないが、繰り返して聞きたくなるほどの魅力は感じなかった。

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     2019/07/29

    アンドラーシュ・シフが定期的に録音で用いているピアノを録音に使ったそうで、なるほどシフの録音と共通するソフトで甘い音色で彩られている。こんなに甘口のバッハはどうかと思うが、指はよく動くし、演奏スタイルはべたべたしないこざっぱりした快速調なので、BGMとして聞くには悪くないと思う。感覚的に磨かれた演奏ゆえ、深みとか思索の痕跡は期待できないが、これはこれでスタイリッシュにまとまっていて、今風で悪くはない。

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     2019/07/29

    終楽章は木管楽器がやたらとピロピロ鳴るので耳障りというか、オーケストレーションが派手で、ブルックナーらしくない。シャラーの遊びすぎ、過剰感がある。コーダは前回のシャラー録音と違い、ラトル/ベルリンフィル盤と同じように変更されている。つまり百家争鳴状態がいったん全休止し、再びひたひたと盛り上がるのではなく、断末魔から一気に賛歌の世界へ切り替わるのだが、そのチェンジ部分に一呼吸が入るため、ラトル盤のドラマチックな急展開がもたらすインパクトに比べると説得力は弱い。総じてシャラーが校訂した楽譜はSMPC版よりも手を加えすぎている印象があり、オケの実力差も勘案すると、ラトル盤のライヴァルになりえる水準には達してないと思う。

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     2019/06/14

    新マスタリングといっても、イコライザーで高音を持ち上げ、ドンシャリ、ギラギラにしただけだから期待しない方がよろしい。今となっては古風な音質処理だと思う。派手な音ではあるが、質感がなくなっているともいえる。初版の方がナチュラルで聞きやすいと思う。

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     2019/06/02

    デビュー作だったソニー盤の演奏は「しれ〜っ」としたポーカーフェースで難曲をさらりと弾いて見せたクールな造形が魅力的だった。テンションは高いのに全然熱くならない冷静で平明なバッハという切り口を若い女性奏者が提示したのには驚かされたものだ。あれから幾星霜・・・デッカから出た続作はちょっと暑苦しい演奏になっていた。攻撃的といってよいのか迷うが、攻めの姿勢がそこかしこに見え、ヴィルトーゾ的な覇気を感じさせる演奏になっているのだ。ビブラートのかけ方は前作ほど冷徹に制御されていないし、曲の最後でのダメ出し的な見えを切るような押しの強さは前回になかった要素。残念だが前作ほどの孤高の境地は感じられなかった。とはいえ、これはこれで立派な演奏には違いない。ないものねだりになるが、前作録音時に全曲録音を果たしていてくれたら、どんなによかっただろう。

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     2019/06/01

    グランドスラム盤はワーナーから出たハイブリッドSACDのCD層よりも鮮烈な生々しい音が聞こえる。ワーナー盤は音の輪郭にベールをかぶせたようなエッジの甘さがある。鈍いといってもよいので、CD同士の対決ではグランドスラムの圧勝である。一方、ワーナーのSACD層と聞き比べるとグランドスラムは普通のCDだから、さすがに情報量で差が付けられてくる。SACDはとろみのある残響が加わり、艶っぽい濃厚な表情が魅力的であるが、グランドスラム盤はもっと淡泊で端麗辛口といった趣になる。平林さんが手掛けた通常CDはSACDといい勝負が出来る点はさすがといえる。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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