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John Cleese さんのレビュー一覧 

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     2021/11/27

    以下は、スウェーデン国営放送が最近発見した音源によるBISレーベルからリリースのSACDに関するレヴューです。
    早速通しですべて聴きました。これが実際の、全く編集のないバイロイト・ライブそのものであるとすれば、従来EMI=ワーナーで聴かれてきたバイロイトの第九における「足音」「フルヴェン先生がオケに話しかける二言三言」は何だったのだろう?何処へいったのだろう?という疑問が生じます。収録マイクの位置が異なるのでしょうか、まったく聴こえません。これらのアンビエンス音は、大変な話題となったSACD化のリリースや、最新の「フルヴェン商業用レコード録音全集」のBOXセットに至るまで、バイロイトの第九には一貫して存在してきた音です。また終演後の拍手も違っているような・・・ここで聴かれる拍手は、例の凄い追い込みで最後の音が消えたのち、やや間があって、最初は一瞬少しまばらに始まりますが、やがてホール全体の熱狂的な拍手に拡大してゆく様が手に取るように分かり、従来聴かれた間髪入れずに始まるやや不自然な大喝采とは全く異なります。従来から編集による演出の噂が囁かれていましたが、これはやはり・・・しかしバイロイト祝祭劇場内であることに間違いはないと思います。熱狂した観客の木造の床を踏み鳴らす独特の音はどちらでも聴こえてきます。私自身もここ数年はコロナ禍で行っておりませんが毎年ではないものの30年以上通い続けているホールですし、それは間違いないと感じます。
    さて、肝心の楽曲部分の音質は、モノラルでもやはりBISレーベルですね、やや音像が遠目で、収録レベルが大きくないので、かなり音量を上げての再生でないとよく聴こえません。特に優美な音になっているSACD層では、楽曲開始が分からないほど小さい音。しかし最新録音にも通じるBISレーベルの美質がよく出ています。従来のフルヴェン先生のバイロイト第九における現状の個人的なベストは、平林直哉先生の38pオープンリール起こし最新盤(足音も拍手もなし)ですが、ティンパニの豪快な迫力などは平林盤に譲りますものの、本盤は、とくに高弦に艶やかな美質が感じられる点で大変気に入りました。モノながらDレンジも広大。半面、気になるのはテープ音源であるにもかかわらずパチパチというスクラッチ音が聴こえるのはどういうわけだろう?特に第二楽章の出だしがひどい。また全体を通して正体不明のモーター回転音のような低周波が聴き取れます。しかしそれらは聴いているうちにさほど気にならなくなるレベルでして、それらを以てしてこの貴重な音源をファンの方々に推薦しないといこうことはあり得ません。私は非常に満足しております。最後にパッケージ。フルヴェン先生のあまたある写真をテキトーにフィーチャーしているだけのリリースが多い中、これは先生の横顔の木炭か鉛筆で描かれた精細な絵で、たいへん品のあるジャケットになっております。

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     2021/10/09

    同指揮者によるマーラー・シリーズでは最も気に入りました。私は9番などはどうもピンとこない出来で、何度も聞き返すことがない演奏なのですが、これはいい。この曲に必要な予想以上に高いオケのヴィルトゥジティ、指揮への俊敏な反応が感じられます。ユニークな点は楽章順が今主流になりつつあるアン→スケに加えて、マーラーの一番最初の発想である終楽章の「三番目のハンマー」まで復活させていることです。久しぶりの第三ハンマー、予想していなかったので結構な威力に驚き思わず飛び上がってしまいました。

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     2021/10/06

    HMVの今回のリリースに関しての説明にもありますように「第1番、第7番、第9番、『大地の歌』などはこれまで他のレーベルからの復刻がありました」が、それらを購入した者ですが、音質が悪く、ほとんどAMラジオ並みといってもよい音に懲りてしまって一曲もまともに聞きとおせなかったのです。が、「今回初めてSWRとWDRのオリジナル・マスターテープから新たにリマスタリングされてのリリースとなります」という説明に望みを託し、ダメ元購入しましたが、今回のリマスタリング、正解でした。以前のリリースとは比較にならないほど改善。これならちゃんと途中で諦めることなく鑑賞できます。事実、2枚にわたる6番を聴き終えたところです。意外なほど良好な音の1番、際立った個性の第7、第9、もっと広く聴かれてしかるべき名指揮者の遺産です。マーラー・ルネッサンスを牽引していたのはワルター先生やバーンスタイン先生だけではありません。

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     2021/10/05

    以下は、最新のグランドスラム・平林直哉先生によるテープ起こし復刻版のレヴューです。
    内容についてはいまさら申し上げることはないのですし、ここはやはり皆さん聞きたいのは従来との音質の違いだと思いますので、その話に絞ります。ただし昔のピッチが高かった復刻はもう私も聴かなくなって久しいので比較的新しい復刻をリファレンスにしました。
    昨日、アナウンスされていた発売日よりかなり早く届きました。もう矢も楯も止まらずさっそく通し鑑賞。現状では個人的な意見ですがウラニアのエロイカの最良復刻版は2011のターラ盤(TAHRA Furt2008、なんだこのテキトーな番号は?でも米国の某サイトでは100ドルを超える価格が・・・)のハイブリッドSACDですので、終了後すぐにそれとの比較。またもう一点2012年のオルフェス盤(C834118Y)ウィーンフィルとの共演に特化したセットの3枚目もよく聴くので一部聴き比べしました。結論。今までのどの復刻と比べても迫力はものすごい!いい歳して興奮しました。なんだこれは?という衝撃は最初のピッチが高かったヒステリックな復刻を聞いた衝撃にも近いです。「ロックだな、これは!」と思ったものです。この最新復刻では音場が左右に広がり(モノラルなのに何言ってんだ!と思うかもしれませんが)近接した弦楽器の様子など生生しくてびっくり。低弦なんか最新録音みたいな深みを感じる。平林先生もライナーノートで「確証は持てないが・・・」と言いながらも書いておられるようにこれはなんと!「全楽章通しの一発録音」だったようです。楽章間のアンビエンス音も聴き取れます。比較すると、全体のバランスの良さではターラ盤に分があります。SACD層ではなおさら優美に聴こえます。オルフェス盤はもっと整いすぎて大人しい演奏に聴こえ、なんか普通のエロイカになっております。今回こそ、ウラニアの唯一無二の破天荒な魅力と迫力を伝える復刻です、大変気に入りました。お薦めです。

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     2021/10/03

    ハインツ・レーグナー先生のマーラーは、聴く前は彼のブルックナー演奏の印象から、まったく根拠のない予断でしたが、ザッハリッヒ的な、速いテンポでやや事務的に進行する職人気質の、ある意味「そっけなく」淡々と進む演奏を勝手に予想していたのですが、実際に聴くとそれとはかなり異なる印象でした。特に第6番の方は、第一楽章は24分超で、終楽章も30分以上かけていますので、かなり遅めのテンポでじっくり構えた演奏です。1981年の録音ということで、中間楽章の順番も伝統的なスケ→アンと勝手に予想していましたが、これも意外でしたが今日トレンドのアン→スケです。しかし特に第6だからといって肩をいからせたところもなく、純音楽的に古典的な威容を十分に感じさせるスケールの大きな演奏でとても気に入りました。第3番も同様に決して否定的な意味でなく手堅くまとめた名演と言っていいでしょう。第4楽章のアルト独唱も心に沁みました。終楽章はさすがにバーンスタイン先生ほど遅いテンポで歌うようなことはレーグナー先生はいたしませんが、必要にして十分な歌がそこにはあり、満足できる演奏です。

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     2021/10/02

    一気に聴きとおし、非常に感銘を受けました。フェルツ先生のマーラーの交響曲のシリーズはすべて新譜でリリースされるたびに聴いてきましたが、正直なところ、毎回の購入の動機は主として新奇な解釈を求める興味本位のもので、決してこの指揮者の解釈に共感するとか感心するとかといった類のものではありませんでした。個性的なテンポ設定や強弱は時として恣意的と感じられ、面白いとは思いながらもその効果は散発的で、ほかの人々に薦める気はあまりしないリリースばかりでした。好みの6番と7番は結構繰り返し聴きましたが、6番は割と普通な出来でした。しかし今回、チクルス最後の仕上げの第9番は、感心しました。この指揮者のマーラーで初めて「感動」がありました。相変わらず個性的なテンポの変動はありますが、根底のところで実に考え抜かれた曲への洞察と共感に貫かれており、少なくとも初めて他の人にもこれは素晴らしい、と薦めたくなりました。比較的オーソドックスな解釈の第一楽章は立派な出来。第二楽章は早めのテンポでまるで初めて聞く曲であるかのような新鮮さ、そしてやはり面白さがある。個性的な第3楽章と連綿とした情緒が従来とは一味違う味を持つ終楽章。技術的に完璧でこれ以上の完成度の高さは考えられないラトル先生とベルリン・フィルの第9は、万人に薦められるとは思いますが、しかし!私は毎回聴くたびに感心しながらも全然面白くないのです。古いワルター先生とコロンビア、バーンスタイン先生とコンセルトヘボウやイスラエルのライヴのような何回聴いても飽きの来ない面白さがこの新譜にはあると私は感じます。

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     2021/08/17

    以下は最新リマスターによるシングルレイヤーSACD盤のレヴューです。
    国内盤にしては珍しく一か月近くも発売延期になっていてやきもきさせられましたが、ようやく予告の発売日の前日に届きました。初期LP盤4枚組を購入して以来45年間(!)にCD化、そして一部エソテリックによるハイブリッドSACD化などを経て、ようやくカラヤン先生がモニター室で聴き、最終OKを出した音に近いものが聴こえてくるのではないかというレベルの音響に達したのではないかと考えます。演奏内容の凄さ、素晴らしさについては、他のレヴュー諸氏が書かれている通りですし、初出LPから今回のSACDにもそのまま転載されている柴田南雄先生による素晴らしい解説(これこそ本当の「ライナーノート」。昨今の、欧文も含めてとてもライナーノートとは呼べない類の貧相な「解説」とは比較を絶しております)の通りでありまして、今更なにも付け加えることもないですから、音質について申し上げます。従来のCD時代には総奏では団子状の音隗となってしまって聴こえなかった繊細な音の重なりが、SACD化によって綺麗にほぐされて聴き取れます。初期LPでも当時の再生装置の限界でやはり聴き取れなくて欲求不満であった部分がかなり解消されております。とくにペレアスの素晴らしさは筆舌に尽くし難いです。カラヤン先生が聴かせたかった音・・・それはこういう風だったんだと改めて思います。浄夜がエソテリックSACDで発売されたときもその素晴らしさに驚き、同時になんでペレアスをSACD化してくれないのだ?と不満でしたが、それも今回解消。浄夜に関しては、Dレンジの広大さなど、もちろん今回のSACD化も優れていますが、音そのものの華麗さ・豊麗さはほんの僅かですが、エソテリック盤の方が優位にあるような気がします。ポリーニのベートーヴェン後期などにおいても、この一連のユニヴァーサルSACDよりも音そのものの官能性というか豊かさはエソテリックに分があるような気がしますが、当然再生装置や環境の違いによって、私とまるで反対の感想を持つ方もいらっしゃるでしょうから、いずれにせよ、45年前の初出LPより少ない出費で(貨幣価値の変動を考慮すればさらに遥かに安価で)これだけの体験ができるのですから、ぜひLP・CD等すでにお持ちの方も、購入はご一考に値すると考えます。

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  • 21人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/21

    映画ファンでもありまして、メディアが新しくなるたびに「アラビアのロレンス」だとか「ゴッドファーザー3部作」、欧州の旧作、アンジェイ・ワイダ先生やロッセリーニ先生の作品などがずいぶんライブラリーを賑わせております。あと黒澤・小津ですかね、「七人の侍」なんてBDでも米クライテリオン盤と国内盤の画質が違うと聞いて二種類そろえたり・・・VHS→LD→DVD→BDとコレクションを買い替えて総入れ替え。こんなことに人生のエネルギーとお金を費やすのはほんとにバカバカしいのですが、止まらない。そしてフルヴェン先生のヒストリカル音源もしかり。ウラニアのエロイカ、バイロイトの第九、戦後復帰の運命、5月25日も27日も、ブル8も44年49年54年しかもそれぞれ別の日のテイク・・・それぞれ板起こしだのSACDだの何種類もあって、いったい何種類買わせる気か?
    ・・・って、それなら買わなきゃいいだろう、と健常者の方々は簡単におっしゃるでしょう。それはその通り。病気の自分が悪いんです。
    こんどは2021年最新のリマスターですって。バイロイトの第9は最新のグランドスラム盤でもう最終かな、これ以上の改善は想像もつかない、というところまで行っているのでさすがにもう収集はやめよう、と思っていたけど、やっぱり2021年リマスターも聴きたい。やっかいなのはトリスタンとワルキューレ全曲。SACDまでそろえたんですよ。もういいいでしょう。でも聴いてみたい。最新録音はCDがSACDを凌駕するってことはまずないけれど、しばしば旧録音ではSACD化されたものよりCDのほうがいいじゃないか、ということも起こります。スペック上優れていても聞く側の人間の感性に即しているかどうかは別ですね。
    というわけでやはりポチります。なんと罪作りなセットでしょう。

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     2021/07/07

    半ば予想していたのですが、画質はがっかりでした。ブルーレイにアップ・コンバートしたというものの、ソースが昔のレーザーディスクのものですからね、現在の家庭用モニターのサイズでは粗さが目立つだけです。かつて発売されていたDVDよりは少しまし、というレベルの画質です。音質はリマスターでさすがにかなり良好になっておりますが、音だけだったらSACDがシングルレイヤーでもハイブリッドでも手に入りますから、そちらで十分かと。演奏内容は星10個でも足りませんが、商品としては…ねえ。星2というところ。

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     2021/06/05

    今から15年くらい前に、順次バラで発売されていたものが今回ようやく全集としてリリースの、ウィッグルスワース先生によるハイレヴェルなショスタコーヴィチ交響曲全集です。
    BISレーベルの常套手段、全集セットにまとめるにあたって以前に発売されたCDもすべてSACD化してリリースというわけで、ファンとしては買い替えざるを得ない。すでに鈴木雅明先生とバッハ・コレギウム・ジャパンの教会カンタータ集・世俗カンタータ集そしてマタイ・ヨハネ受難曲その他で、何度もこの手の背負い投げを食わされている経験があるにもかかわらず、またしても!同じ手に乗せられてしまいました。
    第4番と第13番「バビ・ヤール」にまず感心して、かなり以前に本欄にもレヴュー書いております。(2009年10月、じつに干支ひとまわり前ですね)西洋音楽とは面白いもので、縦の線がきちんと揃った丁寧で緻密かつ端正な音楽作りをすればするほど、かえって曲に秘められた激情が顕わになり迫力がある演奏が生まれる場合があります。この指揮者はとても冷静で、客観的な音楽作りの職人に徹していますが、結果として生まれた迫真の演奏は、素晴らしいとしか言いようがありません。おそめのテンポでじっくり構えた名作・第8番などその典型です。最初に感心した「バビ・ヤール」に関して言えば、この曲の西側初演・初録音のオーマンディ先生も、また非常に真摯・誠実・謙虚な姿勢で演奏に臨んでいるショルティ先生も、揺るぎのない端正な音楽作りがかえってこの傑作の異様なまでの迫力を伝えています。このウィッグルスワース先生も同様で、アバド先生がマーラーの第6番に爆演は必要ない、とか言っていたそうですが、この曲にも「爆演」は不要。余計な誇張はしなくとも十分恐ろしい音楽になります。コンドラシン大先生の62年の初演ライヴから、ほとんどのこの曲のCDは聴いてきましたが、同先生のバイエルン・ライヴなどと並ぶ、これは必聴の名演。
    第4番もウィッグルスワース先生は、冷静でかつ客観的な音楽作りの職人に徹していますが、端正な音楽作りがかえってこの異形の大傑作の迫力を伝えています。即興的な味が生きていて方向性こそ異なるものの現時点でベストと考えているネルソンス先生盤と並んで、お薦めできる名盤です。有名なコンドラシン大先生によるモスクワ盤やドレスデン盤もいまだに愛聴盤ですが。さてこれらより前に通常CDでリリースされていた第5番にはなかなか個性的なテンポ設定がなされており面白いです。今回SACD化で音がすごい。最後の大太鼓には本当にびっくり。第7番などが典型ですが、BISレーベルの録音の素晴らしさ、SACD層の圧縮されていないダイナミック・レンジの広さは驚異的で、どの曲も通常の音量で聴こうと思うと、巨大オーケストラを遠目の音像でマスとして捉えているために、少し上品でおとなしい印象の音ですが、ピアニッシモをちゃんと聴こうと音量をあげるとフォルテッシモではとんでもないことになります。

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     2021/06/04

    先だってリリースのベルリン・フィルによるマーラー全集に含まれた第六番と同様に、今回のバイエルンとの七番も、ぺトレンコ先生はいろいろ曲に纏わる連想やら表題めいたものに一切惑わされることなく、直截に、きわめてストレートにスコアを表現しております。筋肉質かつ爽快な演奏と申していいでしょう。この曲は両端楽章の緊密な構成をもつ堅固な楽曲(特に第一楽章は凄い。第九の第一楽章と並ぶマーラーの書いた最も完成度の高い創造ではないか)と、それに挟まれる二つの自由な「夜曲」、さらにそれらの真ん中にあるシニカルなブラックユーモアを感じさせる奇怪なスケルツォという、まるでバルトークのクァルテットみたいなブリッジ構造(ま、五番もそうですが)を持っています。大抵の演奏は、全体が特にまとまりを感じさせないコラージュみたいなので、それぞれの個性・差異を際立たせようとするのですが、今回のペトレンコ盤は極めて速いテンポで全体を貫き、むしろ全体の統一感を出すことに成功していると思います。10代の大昔から親しんでいて三桁を超える数のディスクを収集しておりますが、白状すると普段は、両端だけ、または夜曲だけ、スケルツォだけ、みたいな聴き方をすることが多いのですが、この盤はそういった聴き方をする気にならず、すでに6,7回も通しで聴いてしまいました。その統一感によって聴かされてしまうのです。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/04/03

    あれ?これはシングルレイヤーSACD化と言っても、以前にも別レーベルからリリースされたムラヴィンスキー先生のライブ集と同じで趣旨のようで・・・音質向上というよりもSACDの収録能力の大きさを利用して、同じ音源のCDの枚数を減らしてパッケージのコンパクト化を図っているようですね。ということは、ディスクの入れ替えなしで長時間鑑賞できるというわけですし、省スペースにも貢献するのでしょうが・・・ちょっと期待外れ。マーラー九番を通しで聴いたあとで、続けてチャイコフスキー悲愴を聴きたいと思う人がどれだけいるのかな。やはりシングルレイヤー化だったら枚数はCDと同じでも、まず音質向上を目的にしていただきたいと思うのは私だけでしょうか。

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     2020/12/26

    多くの方々と同様、私もペトレンコ先生の第6番がお目当てだったので、早速ブルーレイの方で視聴したのはこれ。つい先年リリースされたばかりのラトル先生の第6よりもベルリン・フィル、ノッているんじゃないの?そのラトル先生は今回のリリースでは第7にまわっております。ちょっと古い録音になるのですが名演として名高い第8も担当してます。さてぺト先生の第6。第一楽章出だしの軍隊行進曲からしてかつてのバーンスタイン先生みたいに前のめりの勢いのある早いテンポのリズムでぐいぐい押しております。ラトル先生の方が老成を感じさせます。これはいいぞ!一挙に第6を聴き通してしまいました。トータル77分だから全体としてもやや早めのテンポといっていいですが、構えたところがない自然体の演奏で私は好感を持ちました。CDの方はちょっと音質チェックのためまだ一部を聴いただけですが、最新録音としては期待ほどの高音質ではなかったですね。やはりSACDのリリースが望まれますね。というのも前後して発売されたばかりのエソテリックSACDのブーレーズ先生とウィーン・フィル盤が届いた直後でして、それを聴いてしまった後なのでどうしても音質を比較してしまうからで、最新録音盤といえどエソ盤の豊麗な音の前では分が悪かったかもしれません。こっちは四半世紀も前の録音なのにね。あと、そそっかしい私はブルーレイにはコンサート映像と同時に(前回のラトル盤みたいに)ブルーレイ・オーディオによる音声のみのソースも入っていると勝手に思い込んでいましたが、それは今回は無し。しかしベルリン・フィルによる第6もアバド盤、ラトル盤、そして今回のペトレンコ盤と、共通しているのはアン→スケの楽章の順番。ベルリンではもうこの順番で定着か。最後にCDの面割ですが、割合と良心的に一枚=一曲の原則を守ろうとした努力のあとには好感が持てます。第3はやはり一枚は無理でしたがおおむね番号順。第9のアダージョが第10のアダージョと最後の一枚に入っているのも自然な流れです。

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     2020/11/22

    私の車の標準車載オーディオはやはり今風に主要な殆どのハイレゾ音源対応を謳っておりますが、Blu-rayディスクまで再生できるくせにSACDはダメ。でもBlu-rayオーディオの再生音は素晴らしくてカラヤン先生のベートーヴェン(70年代)、ブルックナー全集のBDは驚嘆の高音質でして、BDならもう部屋の中より車のなかで聴く方がはるかに高音質を味わえます。
    それはさておき、本製品ですが・・・商品到着後にまず第8番の方を聴いてSACD音質に満足、こちらの方がベルリン盤のような余計なキラキラがついてない渋い名演だし、しかもブル8が一枚のディスクに収まっている!これはいい買い物したな!とばかりに次の日車の中でも聴こうと思って自動録音設定でCD再生にしたところ・・・あれ?変だなあ。何回挿入しなおしても第2楽章からしか再生しません。第1楽章は?「死の告知」はどこいっちゃったの?

    そうです。部屋で聴いたときはSACDで気が付かなかったのですが、SACD層とCD層では収録曲が異なるのです!SACD層では第3番、第8番ともに一枚に収まっているのですが、CD層だと1枚目に第3番+第8番第1楽章を収録、2枚目に第2楽章以下が収まっているのです。ま、そんなことはレーベルにもケースにもよく見れば書いてあるし注意していれば気づくことなんですけどね。でも大抵はSACD層とCD層は収録内容はシンクロしているのが当たり前と思っていたので、ちとびっくり。今後こういう製品も増えてくるのかな。

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     2020/09/24

    技術的な完璧さは既にレヴューされた方々のおっしゃる通りで、しかも世界各地でのライヴ収録であることに驚きます。しかしながら各地のホールの違いなどが特に強調されることはなく、むしろ非常に高い質の均質さが確保されています。個人的には、ラズモフスキーNo.3と作品130+大フーガ(後から差し替えられた「常識的」フィナーレは潔くカット!)という、最強プログラムが日本のサントリーホールでの収録というところも嬉しいですが、個人的にもっとも大切に思うカヴァティーナの、悠然たるテンポかつ非常に心がこもった表現に久々に胸が熱くなりました。若き日にバイロイトで、ボンから来たカップルと、パルジファル終演後どういうわけかワーグナーについてではなく、なんとカヴァティーナについて一晩熱く語り明かした昔をふと思い出しました。最近ではベルチャ四重奏団の全集、映像つきも含めて非常に感心したばかりですが、ここに新たに近年の若手カルテットの中では傑出した素晴らしいベートーヴェン演奏が出現しました。

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