大泉黒石 わが故郷は世界文学

四方田犬彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000615938
ISBN 10 : 4000615939
フォーマット
出版社
発行年月
2023年04月
日本
追加情報
:
228p;19

内容詳細

コスモポリタン文学の先駆者、百年を経てついに蘇る!「俺は国際的の居候」と嘯く大泉黒石、またの名をキヨスキー。ロシア人を父に持ち、ヨーロッパを股にかけた少年時代。『中央公論』連載の『俺の自叙伝』で話題を呼び、異国情緒と怪奇趣味の短編で一世を風靡するものの国粋色に染め上がった文壇から追放され、零落の晩年を過ごす。波瀾万丈の人生を送った大正時代のベストセラー作家、初の評伝。

目次 : 虚言の文学者/ トルストイを訪問した少年/ 二冊のロシア巡礼記/ 黒石、売り出す。/ 『俺の自叙伝』/ 周縁と下層/ とうとう文壇追放/ 『露西亜文学史』/ 老子の肖像1/ 『血と霊』の映画化/ 差別と告白、そして虚無/ 幻想都市、長崎/ 混血と身体の周縁/ 峡谷への情熱/ 奇跡の復活『おらんださん』/ 戦時下の著作/ 戦後の零落/ 黒石の文学

【著者紹介】
四方田犬彦 : 1953年、大阪箕面に生まれる。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。長らく明治学院大学教授として映画学を講じ、コロンビア大学、ボローニャ大学、清華大学、テルアヴィヴ大学、中央大学(ソウル)などで客員教授・客員研究員を歴任。現在は映画、文学、漫画、演劇、料理と、幅広い文化現象をめぐり著述に専念。学問的著作から身辺雑記をめぐるエッセイまでを執筆。『月島物語』で斎藤緑雨賞を、『映画史への招待』でサントリー学芸賞を、『モロッコ流謫』で伊藤整文学賞を、『ルイス・ブニュエル』で芸術選奨文部科学大臣賞を、『詩の約束』で鮎川信夫賞を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 春ドーナツ さん

    毎朝11時に「WEB本の雑誌」内の新刊案内欄をチェックをしている。新聞は読まないし、出版社のホームページを開くこともないので、同欄でもれた本は知るすべもない。あとはAmazonの「この本を読んだ人は・・・」で奇跡が起きることを待つ。文学通ではないので、小栗虫太郎あたりまでは知っていたけれど、大泉さんは全くの初見だった。ジャケ買いですね。黒石氏の生い立ちを読んでいて、すわと眠狂四郎を想起した。狂四郎の抱える虚無の深さに改めて思い至る。とりあえず暫定的に、個人的に、今年読んだ評伝の中ではピカイチだった。うん。

  • メイロング さん

    ここからさらに再評価に火が付きそうな評伝。「俺の自叙伝」だけでなく、他の小説も復刊が続きそう。ブームにはならないだろうけど、異端の作家好きなら押さえておきたい名前に…もうなってるんだろうな。四方田さんの教養の下地なのか、たまに言葉は知ってるけど使わない言葉がでてきて面白い。洛陽の紙価を高めるとか江湖に問うとか実際に使われてるところ初めてみた。それでいて読みやすいからすごい。

  • chuji さん

    久喜市の本。2023年4月初版。初出「図書」2020年8月号〜22年4月号。加筆・訂正。オイラは【大泉黒石】さんを存じ上げなかった。息子さんの独特な俳優【大泉滉】さんは知っていたが。『百年前、一世を風靡したベストセラー作家の存在は、今日、公式的な文学史には全く痕跡を残さず、その著作はほとんど忘れ去られている。』(P.204) 時代に翻弄されてしまった人でした。本著作は評伝でしたが、誰かにノベライズしてほしい人物です。

  • mn さん

    読みだすと何故か止まらない。俳優・大泉滉の父親という以外には全く知らない人、なのに。時代を超えてよくぞここまで調べて書いたたものだ。読ませる。

  • TTK さん

    大泉黒石は世界市民/コスモポリタンであり、世界文学の人である。彼は近代以降の日本文学にとって、単に正系から退けられた異邦人であるばかりではない。異端を突き抜けて普遍に到達しようとする稀有の存在である。p.205 ▼ 「露西亜に来ると日本へ帰りたくなるし、日本に一年ほどいるとたまらないほど露西亜が恋しくなる。俺は二つの血に死ぬまで引き回わされるんだろう。そして最後に引っ張った土が俺の骨を埋めるに決まっている」『俺の自叙伝』p.38

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