だめだし日本語論

橋本治

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784778315788
ISBN 10 : 4778315782
フォーマット
出版社
発行年月
2017年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
237p;20

内容詳細

【内容】
日本人の頭のなかを縛っている日本語とは何か? 
最初は文字を持たず、中国から借りてきた漢字をつかって、ハイブリッドな日本語をつくりあげた日本語は、世界的にみても、稀有な成り立ちをもつ。しかも、中国の周辺の国々が漢字を次々に捨てるなか、日本人は漢字と使い続けている。
この日本語の謎は、日本人にしか解けない。
橋本治と橋爪大三郎という、日本語の謎を解くのに最適な(その理由については、上記の著者紹介を参照してください)二人の知の巨人による、日本語論。

【目次】
はじめに 橋爪大三郎


日本語のできあがり方 鎌倉時代まで文字を持たなかった日本人
日本語のDNA螺旋構造
外国に説明できない日本史
学問に向かない日本語
日本語は「意味の言葉」ではない
言葉は神から与えられる?
お経を日本語に訳さなかった理由
言葉はまず音であった
音の多様性
ひらがなができた理由
歌があったから日本語がある
話し言葉を文字化する日本、文字化しない朝鮮
男女のコミュニケーションが国家体制の根幹
書きながら成長する紫式部
男は和歌が詠めない
公式には認めない女性とひらがな
日本に宦官が存在しない理由
律令制と特権
戦争ができない日本人
声の重要性
カタカナv.s.ひらがな
『竹取物語』の作者は女性?
徳川幕府はひらがな、明治政府はカタカナ

■日本語の壊し方 室町以後
幽霊が主役の能
江戸の印刷文化
武士が歴史をつくらなかったから天皇制につながった
漢字とナショナリズム

あとがき 橋本治


橋本治(はしもとおさむ)
1948年生まれ。作家。『桃尻娘』で、「話し言葉で書く」というスタイルで作家としてのスタートを切り、その後、桃尻語で現代口語訳に挑んだ『桃尻語訳 枕草子』、光源氏の語る一人称で訳した『窯変源氏物語』、漢文と和漢混淆文の両方の平家物語を参照しつつ訳した『双調平家物語』のほか、『古事記』から『仮名手本忠臣蔵』まであらゆる時代の古典を現代口語訳し、『失われた近代を求めて』の3巻シリーズでは言文一致体の正体を再検討。古代から現代まで、あらゆる時代の日本語に精通している稀有な作家。

橋爪大三郎(はしづめだいさぶろう)
1948年生まれ。社会学者。橋本治とは東大での同窓生で、ノートの貸し借りもした仲。以来、橋本治の体験的日本語史の仕事を長年評価し続けてきた。中国からもたらされた漢字とその影響下でつくられた日本語を考えるためには、中国という媒介が不可欠だが、橋爪大三郎は『おどろきの中国』や『中郷官僚天国』(王輝著)の翻訳など、中国と中国語について幅広い見識と圧倒的な整理能力をもつ。

【著者紹介】
橋本治 : 1948年生まれ。小説・評論・戯曲・古典の現代語訳・エッセイ・芝居の演出など、ジャンルにとらわれず精力的に活動

橋爪大三郎 : 1948年生まれ。社会学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 阿部義彦 さん

    社会学者と異端の小説家橋本治による、大胆なこうじゃないかの仮説には過ぎないんですが、まな板の上に乗るのは「日本語、その成り立ちそして未来」だけに、文化論、戦争論、身分制度、国文学、能、歌舞音曲、書き言葉と話し言葉、儀礼、意味論、記号論等、刺激的な対談であります。私的に面白かったのは日本には何故宦官がいなかったのか?の疑問から日本人の刃物で身体を傷つけることへの忌避、殺生禁断から禊(みそぎ)の話になりそこからさらに飛躍して話は精進料理にまで飛んで日本の精進料理は「フィーリング精進料理」である。真骨頂!オモロ

  • 小鈴 さん

    日本語はどのようにできてきた言語なのか知りたかったらぜひ読むことをオススメします。さすが橋本治としか言いようがない。とても面白かったにも関わらず、ちゅうぶらりんで終わったのはなぜだろう。これ以上対談しても話がまとまらないからなのか。橋爪と話していても治ちゃん楽しくなさそうだからなのか(笑)。橋爪抜きで日本語論について書いてほしいです。ここまで引き出してくれた橋爪さんには感謝だけどさー(笑)。

  • 冬佳彰 さん

    橋本さんと橋爪さんが、昨今の乱れた日本語について苦言を、てな本ではない。「だめだし」は、DNAのらせん構造のように複雑に絡まりあった日本語の成り立ちから、それを「文字化」した際の複雑さ(漢字、カナ、ひらがな)、天皇制、学問などなどまでも対象にしている。いやー、かなり難しい。目からウロコがポロポロ落ちたが、俺が理解できずに、まだ落ちていないウロコも残っているんだろうなあ。「日本語は意味の言葉ではない」から始まり、そのせいで「平気で物事を曖昧なままにしてしまう」日本の弱さにつながる部分、現代にも残ってるよな。

  • ophiuchi さん

    橋本治の博識に圧倒されっぱなしだった。内容を理解できたとは言いがたいけど、ひらがなができたおかげで、古代からの文書が話し言葉で残されてきたが、それは論理を記すのが難しいという日本語の弱点にも繋がったとというのが、ここに書かれていたことの一つだったように思えた。

  • きゅうり さん

    書き言葉と話し言葉の二重螺旋で発達した日本語。皇族貴族が政治の中心だった頃から権力を失っていくまでが話の中心。鎌倉、室町以のページの分量は、え!これだけ?ってくらい。口語体で流れるように綴るひらがなは確かに書くのが気持ち良さそうだ。文字が学者や政治を司る一部の人間だけのものではなく庶民にも広く普及し普通の人たちの日記が残ってるってすごいこと。

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人物・団体紹介

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橋本治

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。以後、小説・評論・古典の現代語訳・戯曲・エッセイ等、あらゆるジャンルで精力的な執筆活動を行う。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年

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