基本情報
内容詳細
【内容】
日本人の頭のなかを縛っている日本語とは何か?
最初は文字を持たず、中国から借りてきた漢字をつかって、ハイブリッドな日本語をつくりあげた日本語は、世界的にみても、稀有な成り立ちをもつ。しかも、中国の周辺の国々が漢字を次々に捨てるなか、日本人は漢字と使い続けている。
この日本語の謎は、日本人にしか解けない。
橋本治と橋爪大三郎という、日本語の謎を解くのに最適な(その理由については、上記の著者紹介を参照してください)二人の知の巨人による、日本語論。
【目次】
はじめに 橋爪大三郎
■
日本語のできあがり方 鎌倉時代まで文字を持たなかった日本人
日本語のDNA螺旋構造
外国に説明できない日本史
学問に向かない日本語
日本語は「意味の言葉」ではない
言葉は神から与えられる?
お経を日本語に訳さなかった理由
言葉はまず音であった
音の多様性
ひらがなができた理由
歌があったから日本語がある
話し言葉を文字化する日本、文字化しない朝鮮
男女のコミュニケーションが国家体制の根幹
書きながら成長する紫式部
男は和歌が詠めない
公式には認めない女性とひらがな
日本に宦官が存在しない理由
律令制と特権
戦争ができない日本人
声の重要性
カタカナv.s.ひらがな
『竹取物語』の作者は女性?
徳川幕府はひらがな、明治政府はカタカナ
■日本語の壊し方 室町以後
幽霊が主役の能
江戸の印刷文化
武士が歴史をつくらなかったから天皇制につながった
漢字とナショナリズム
あとがき 橋本治
橋本治(はしもとおさむ)
1948年生まれ。作家。『桃尻娘』で、「話し言葉で書く」というスタイルで作家としてのスタートを切り、その後、桃尻語で現代口語訳に挑んだ『桃尻語訳 枕草子』、光源氏の語る一人称で訳した『窯変源氏物語』、漢文と和漢混淆文の両方の平家物語を参照しつつ訳した『双調平家物語』のほか、『古事記』から『仮名手本忠臣蔵』まであらゆる時代の古典を現代口語訳し、『失われた近代を求めて』の3巻シリーズでは言文一致体の正体を再検討。古代から現代まで、あらゆる時代の日本語に精通している稀有な作家。
橋爪大三郎(はしづめだいさぶろう)
1948年生まれ。社会学者。橋本治とは東大での同窓生で、ノートの貸し借りもした仲。以来、橋本治の体験的日本語史の仕事を長年評価し続けてきた。中国からもたらされた漢字とその影響下でつくられた日本語を考えるためには、中国という媒介が不可欠だが、橋爪大三郎は『おどろきの中国』や『中郷官僚天国』(王輝著)の翻訳など、中国と中国語について幅広い見識と圧倒的な整理能力をもつ。
【著者紹介】
橋本治 : 1948年生まれ。小説・評論・戯曲・古典の現代語訳・エッセイ・芝居の演出など、ジャンルにとらわれず精力的に活動
橋爪大三郎 : 1948年生まれ。社会学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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阿部義彦 さん
読了日:2017/08/12
小鈴 さん
読了日:2017/07/01
冬佳彰 さん
読了日:2023/04/22
ophiuchi さん
読了日:2017/08/21
きゅうり さん
読了日:2019/02/11
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人物・団体紹介
橋本治
1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。以後、小説・評論・古典の現代語訳・戯曲・エッセイ等、あらゆるジャンルで精力的な執筆活動を行う。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年
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