クラッシュ 創元SF文庫

J・g.バラード

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488629120
ISBN 10 : 4488629121
フォーマット
出版社
発行年月
2008年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,246p

内容詳細

六月の夕暮れに起きた交通事故の結果、女医の目の前でその夫を死なせたバラードは、その後、車の衝突と性交の結びつきに異様に固執する人物、ヴォーンにつきまとわれる。理想通りにデザインされた完璧な死のために、夜毎リハーサルを繰り返す男が夢想する、テクノロジーを媒介にした人体損壊とセックスの悪夢的幾何学を描く。バラードの最高傑作との誉れも高い問題作、初文庫化。

【著者紹介】
柳下毅一郎 : 翻訳家、映画評論家。1963年、大阪府生まれ。東京大学工学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    バラードは、この作品において読者に対しては一切共感を求めてはいない。否むしろ共感できないことを前提としているのだ。彼が発するのは共感性のメッセージではなく、"挑発" なのだ。本書は一見、全くSFらしくないのだが、これをSFたらしめているのは、バラード本人が時代の遥かな先から語っているからに他ならない。また、主題の上からはエロスとタナトスとの相克なのだろうが、ここではそれは限りなくタナトスに主軸があり、エロスはその従属物でしかありえない。もはや私たちはクラッシュの瞬間にしかオルガスムス(生の実存)を⇒

  • ケイ さん

    核が使われたということ、その後核兵器をたくさんの国が所有し、東西にらみ合いの状態で起こるしれない核戦争に本当に怯えていた時代が確実にあったのだと、60' 70'のSFに漂う虚無感に接するたびに思う。皆がうんざりしているようだ。エクスタシーは、自動車事故に伴う血と恐怖でしか得られない。それは自傷行為で得られる、あるいは他人の滴る血や変な方向に曲がった身体を見て高められる。未来を信じない大人達の性行為は、ただ生きていることの確認なのかもしれない。

  • まふ さん

    自動車という機械が高速度で衝突してあらゆる方向に曲がり粉砕され破裂した後静止する。その中の人間は打撃され圧縮され分断され引っ張られる。体内の臓物は飛散し骨が飛び出し折れ粉砕される。体液が噴出し飛び散る。あらゆる生物臭汚物臭が充満して空気を圧迫する…。こうした光景は想像したくもなく見たくもない。だが、これを性的興奮の対象として追及し創造し体験するのが主人公のヴォーン。彼に引き込まれるのが語り手のバラードと妻のキャサリン。何という世界…とりあえず読んだというところだ。G1000。

  • 扉のこちら側 さん

    2016年287冊め。【168/G1000】「テクノロジーを媒介にした人体損壊とセックスの悪夢的幾何学を描く」作品らしいのだが、何とも感想が書きにくい。自動運転が近々標準になりそうな現代ではなく、20世紀だから書けた作品だったのだろう。著者バラードが意識的にポルノ的描写を書いたらしいが、「太陽の帝国」で著者初読した私にはどうにもなじめなかったが、LSDドライブの描写は美しさも感じる。

  • NAO さん

    バラードのテクノロジー三部作の一作目で、交通事故を起こしたあげくに、車にとりつかれてカーセックスに溺れていく男の物語。交通事故を見たり体験したりすることで感じる衝撃と興奮によって引き起こされる主人公の性的興奮。人間を興奮させるものとして暴力とセックスが非常に近しいものであるとするならば、そのスピード感と危険性において自動車が性的興奮の対象となるという作者の考えは分からないでもないが、個人的にはとても理解、共感出来ない世界だった。

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