まだまだ若いのにブレもなくコレ一本で勝負してると気持ちが伝わるような職人気質なNATHAN FAKE。幻想的でメランコリック、聞いていて嫌味やしつこさがないので飽きずにループし続けられるエレクトロニカ・サウンド。

いかにもﾎﾞﾀﾞｺﾐ的‐つまりｼﾞｪｲﾑｽﾞ・ﾎｰﾙﾃﾞﾝ的な良い意味で変態的‐な音になった。前作にあった多様性とﾈｲｻﾝ・ﾌｪｲｸらしい美しいﾒﾛﾃﾞｨ・ﾗｲﾝは影を潜めてしまったが、相変わらず楽曲のｸｵﾘﾃｨは高い。J.ﾎｰﾙﾃﾞﾝの1st同様｢早過ぎた名盤｣になりそうな予感がする。前作のｾﾝｼﾃｨｳﾞさはあれはあれで大切なものだが、これからの時代、これくらいの気概(ﾉｲｼﾞｰなﾐﾆﾏﾙ・ｻｳﾝﾄﾞ)がないと生き残っていくのは難しいのかもしれない。

'06年発表｡英国出身のﾃｸﾉ･ｱｰﾃｨｽﾄの1stｱﾙﾊﾞﾑ｡大きなｽｹｰﾙで導入されているｽﾄﾘﾝｸﾞｽや､ﾚﾄﾛで叙情的なｼﾝｾのﾒﾛﾃﾞｨｰ､ｸﾘｯｸなﾘｽﾞﾑ使い､高揚感をもって迫るｽﾄｰﾘｰ性に溢れた展開､効果的に盛り込まれ浮遊感溢れるｴﾚｸﾄﾛﾆｶ｡と､ﾎﾟｽﾄ･ﾎﾞｰｽﾞ･ｵﾌﾞ･ｶﾅﾀﾞ評に納得｡今後が楽しみなｱｰﾃｨｽﾄ｡