The Five Corners Quintetが1950〜60年代のモダンジャズ黄金期を再現しようというコンセプトで作品を生み出していることに代表されるように、過去の音楽の中にある要素を、現在の(とりわけ”クラブ音楽”という)視点から再発見/再構築する動きがあるが、この”Q.A.S.B.”もファンクというスタイルがいろいろな形で展開しつつあった1970年代のサウンドを再現することを目指したアルバムだ。
”1. The Key”、”2. Funk With Me”、”4. We Need The Funk”のような、所謂ジェームズ・ブラウン直系チューンだけでなく、”5. Eternally”、”7. All Right”のようにフリーソウル系の楽曲もあり、全体の収録時間が短いもののバランスのよいアルバムとなっている。
オープンリールを使用した録音とあるが、確かにデジタル録音では再現され得ない、暖かい音質が耳に優しい。楽曲だけでなく録音技術面でも高く評価したい。