わたしはディテクティブから遡ったクチです。70年代後半、このアナログ盤は高騰していて輸入盤再発までずいぶん待った覚えがあります。全体にお茶らけたジェフ・ベック・グループみたいな印象が強くて、当時真剣に聴いた記憶がありませんでした。ごめんなさい、です。改めて聴き直すと、彼らがツェッペリン、ハンブル・パイなど正統派の英国ヘビーロックの音を出していることがわかります。
4. Bright Light、5. Heavy Hammer、7. Rock Out Claudette Rock Outのギターリフは、ずいぶんと重くてカッコよいです。ギタリストのロビー・ブラントは後年ロバート・プラントのソロ作に参加していますから、本当にツェッペリンの線を意識していたのでしょう。また、ギターはリードとリズムの2本であり、意外に音が厚いのです。加えてベースラインが独特です。ジョン・グスタフスンに似ている気がするんですが…どんなもんでしょう。結局ドラムズの録音がすかすかしているため、全体が軽い印象になってしまっています。プロモーションといい、曲づくりといい、もっと正統派らしさをアピールできていれば、と思います。(けれども、正統派の音って結局苦労するんですよね。バッド・カンパニーといい、ハンブル・パイといい。)
「正しい」B級ロックです。これはバカにしているわけではありません。B級バンドにのめりこむのが「正しい」ユーザーだと思うからです。自分だけのバンド、オレだけが知っている、と思い込めるのがB級バンドのよさですから。マイケル・デ・バレスの一種ロックスターを演技しているようなボーカルは、実に飽きさせません。